Episode:22 邂逅
22話投稿ー。
やぁ、尚も継続して【石の都】に滞在中の蝗の王だ。
戦場がひと段落ついた、午後のひと時は落ち着くね~w
今日も長閑に、”飛蝗拉麺迷宮前支店”がゆっくりと目の前を、移動して
いってるよ…。
<王様、そろそろ現実逃避はやめて、戻ってきてよ~。>
<新しく雇った従業員への講習会があるんだからさ~。>
<もう、アレはアレでいいんじゃない?w>
ええ~? あの”魔王城”みたいな外観にキャタピラで移動するのが、
拉麺店でいいの~?
そもそも、”屋台”じゃ無いのに、なんで”支店”が移動すんの!?
元々の概念から、否定してんじゃん!?
<混ぜたらヤバイものが混ざったんだから、しょうがないw>
<これは、予想出来なかったw>
<幸運にも、喰う方以外に”作る方”にも興味を持ったのが結構居るから、
ノウハウ叩き込んで、後は放置でいいんじゃね?>
<そそ、後は彼らの自主性に任せるって事でw>
それって、手に負えなくなったから、隔離して放置。
もしくは、”丸投げ”って言うんじゃ……?
<そうとも言うね。>
<いや、そうとしか言わんだろw>
<これ以上の、係わり合いは避けるべきw>
………良し! 採用。
<やっぱりw>
<さすが、王様は格がちがった!>
<だが、それがいい!>(キリッ)
よっしゃ! そうと決まればさっさと講習会終わらせて、後は”見ざる・聞かざる
・言わざる”を貫き通すぞ!
そして、手早く”人間”共を始末して帰るべ。
・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・
…………意外。
”飛蝗拉麺迷宮前支店”がアンナ感じだったから
拉麺もどんな”突然変異”や”化学変化”を見せるのかと思っていたら、
予想以上にまともで、基本に忠実だったw
まぁ、”職人気質”の強い種族だから、基本を疎かにする事のデメリットを、
ちゃんと弁えているのかもね。
……基本を身に付けたら、”魔進化”しそうだけど……。
<まぁ、それも有るだろうけど、最初に食べた味が気に入ったんじゃない?>
<そーそー、”美味いモノ”を最初に食べたは記憶は、”原体験”として鮮烈に
残るからねw>
<案外、心配要らないかも?>
<なら、なんで疑問符をつけたw>
「あ、王様~。 調査結果が届いたよ~。」
…お、来たか。 それで、どんな感じだ?
【グランディ王国】の様子は?
<うん、あの国では今まで【石の都】との交流を奨励してた 【グランディ7世】王
が、病で寝たきりの状態で 宰相も高齢と心労の為 療養中。
その間の国政を王弟の【ゴーゴン大公】と、文官の【ブロッケン伯爵】が仕切って
いるんだけど、この連中が今回の元凶で 間違い無いそうだよ。
この二人、【グランディ7世】王亡き後 【ゴーゴン大公】が次の王に為るために
色々と根回ししていて、その為に使う”賄賂”の資金を調達をするのが目的と
考えて 間違い無いね。
ちなみに、今回の出兵に関しては 【石の都】側が【グランディ7世】王が病床なの
を良い事に、金属製品の無茶な値上げを要求し、呑まないなら呼び出した【魔神】を
嗾けると 脅して来たので自衛(笑)のために。 って言う発表だね。>
……今度は、”Z”ネタかよ……。
……まぁそれはそれとして、相変わらず”胸糞が悪くなる”ぜ 【人間共】め。
それで その事に懐疑的、又は批判的な連中はいるのか?
居ないなら、てっとり速く”国ごと”消滅させた方が 面倒が無いかも知れん。
「残念ながら、国民の大部分は冷酷な【ゴーゴン大公】を嫌っていて、
穏やかな人柄の【グランディ7世】を慕っているし、今まで交流して来た
【石の都】のドワーフ達の”人柄”も知ってるから、その発表を
信じてる国民は殆ど居ないね。」
……ち、面倒だが、そう言う【人間】が、罪も無く死ねば【造物主達】も悲しむ
だろうからな。
”王国ごと”、まとめて吹き飛ばすのはダメか。
だが、一部のそんな事を信じてる馬鹿で 発言力とか影響力とか有る奴。
それと、人間至上主義な奴とか差別を平気でする様な奴はこの機会に”刈る”ぞ。
<<< 舌打ちしたw >>>
<王様の”人間嫌い”、前より酷くなってね?w>
<まぁ、いいけどね”人間”だしw>
<殺さない理由が”【造物主】が悲しむ”からだしねw>
<【造物主】がイケイケでGOサイン出してたら、人間全滅してね?w>
<それと、宰相が後見人になってる王女を筆頭に、若手の貴族達と宰相の
一族が、弱い勢力だけどなんとかこの暴挙を止め様としてるみたいだけど、
他の貴族は日和見で、このままでは王国は【ゴーゴン大公】のモノに為り
そうだし、略奪も予定通りに行われそう。
それと、国王の病気の原因だけど、結果は”クロ”。
すぐに死んだら不自然だから、判りづらい種類の毒で徐々に弱らせている
みたいだね。
これは、宮廷医師も抱きこんで居るから出来た事で、この医者の息子の嫁が
【ゴーゴン大公】の娘の一人なんで、この後自分等の血縁で全て固める為
だろうね。
彼等の一族は全員、権力を嵩にきて好きに振舞っている連中で、マシな奴も
愚かで無能なのしか居ないようだね。>
………………………………。
…なら、王女派と国民の大部分は、放置。
始末したいが、日和見貴族も今回は見逃すか。
だが、【ゴーゴン大公】に組した奴らや、この侵略戦争に喜んでいる様な奴ら。
コイツ等は駄目だ。
<王様、無能なのはどうしようか?>
高い地位や恵まれた環境に居る者は、その分多くの”義務”を負う。
低い身分の者や、貧しい者は”生きていく”上での保障が無いかわりに自由で
少しの義務しか持たない。
奴らは今まで、経済的に裕福な暮らしをして”飢えた”ことが無く、恵まれた
地位と身分で不自由も感じて来なかった。
なのに、奴らは”権利”を行使しても、”義務”を負おうとしていない。
気まぐれ一つで、人の命をたやすく左右出来る身分を持ちながら、
”愚かで在る”と言うのは罪になる。
知らない事が罪じゃ無い、知ろうともしない事が罪だ。
上に立つ者が愚かなら、その言葉一つで人の命が簡単に失われる。
今回の騒ぎのように。
ただ、愚かなだけでも、高い身分を持っているなら、それは”罪”だ。
見逃す理由には為らない。
後は少々哀れだと思うけど兵士もな。
大概、命令されては居るんだろうが、実際にコチラの命を奪いに来る以上、
容赦はしない。
命を奪おうとする者は奪う”権利”を持つが、力が及ばなければ逆に命を
奪われる”義務”も同時に負う。
たとえ、そんな覚悟が有ろうが有るまいが、振るわれた剣が命を奪う事に
変わりは無い以上、攻めて来たからには、こちらも見逃す理由には為らない。
少なくとも、俺はそう考える。
多分 俺が人じゃ無くて、人のカタチをしただけの”システム”だからなのかも
知れんけどな。
<王様ー、 あんまりクヨクヨ 悩まなくてもいいよー。>
<そそw 前世は人だったかも知れんけど 今は違うんだし。>
<その判断に間違いは無いと思うよ?>
<漏れらはどこまでも信じて付いてくからさーw>
……藻マエラ……。
…気を使わせて、すまん。
ちょっと弱気に為っていたかも知れん。
俺には、俺の考えを支持し、どこまでも信じて力になってくれる眷属が
居るモンな!
これからも、自分自身の”正しい”と思う事を信じて、決断し続けて往くよ。
<<<<< だが、イジるのは止めない! >>>>>(キリッ)
それは、素直に止めろよ! 藻マエラ!!?
……折角の感動が台無しだYO!!!(泣)
たまには、オチをつけずに感動して終わろうよ!!!?
<だが、断る!>(キリッ)
<まただよ(笑)>
<<< 俺等が、俺等で”在り”続ける為に、絶対に譲れ無いんだ!! >>>
そこまで譲れないのか、藻マエラァァァァァァァァァァ!!!?
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・・・・・・
・・
そんな訳で、俺達は現在、【グランディ王国】のはずれにある静養地として
名の知れた、アシュラ男爵の治めるアシュラ領に来ている。
静養地と言えば聞こえが良いけど、ぶっちゃけると、なんも無い田舎ってことだ。
……つーか、この男爵って悪党じゃねーの? 名前的に。
(なぜ、ぶっちゃけたしw)
(人間相手だと、とことん冷徹だよねw)
(あと悪党じゃ無いみたいッスね、調査結果によると。)
今回は、余計な被害を出さない為に、王女に手を出すなと警告するのと、
国王の不調の訳を教えて”貸し”を作るのが目的で来ている。
”貸し”は主にドワーフ達の今後に役立つかも知れんからな。
この男爵は新興の貴族で王女派に属しており、此処には療養の為に宰相が
滞在していて、その見舞いを名目に、王女派の主だった貴族達が、
【ゴーゴン大公】一派に、押し込められている。
…………駄目じゃんw 詰む一歩手前だろ。
これなら、わざわざ来る必要すら無かったんじゃね?w
(いや、ここで帰ったら無駄足になるしw)
(言うべき事だけは言っておかないと。)
(信じなくて、自ら死地に赴くようなら放置すれば良いんだしねw)
……仕方ない、人間なんぞと会話するのは不快だが、自分の”義務”を
果たすとするか……。
そう言や、肝心の王女の名前ってなんだ?
興味のカケラも無いから聞かなかったけどさ。
<えーと、たしか【ピーチ姫】って言ったかな?>
……なんだか、誘拐されるのが趣味みたいな名前の姫さんだな、おいww
マリオとか居んのか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『 ぶぅるるるあぁぁぁああああぁぁぁ!!!! 』
ガッシャアアァァァアアァァァァン!!!!
≪びくうぅ!!!?≫
(ちょっwww!?)
(何故、窓から突っ込んだしww!?)
(いや、事前に結界張ったけどさww!)
(しかも、若本ボイスww)
(!?無法者過ぎる!!?)
若本ボイスで叫びながら、回転して頭から突っ込んだ俺の視界には、ベッドで
休んでた宰相?と、その傍らで座ってた王女?、その他の有象無象の年若い
貴族?が、慄きながらコチラを凝視する姿が映っていた。
どうやら、フレンドリーな俺の挨拶に言葉も出ないようだな。
(無ーよw)
(逆に喧嘩売ってるよ!?)
(誰だよ、この人野放しにしたの!!?)
(神様ですが、何か?ww)
( \(^o^)/ )
そんな感じで俺達は、王女達との”最初の遭遇”を果したんだ。




