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奴隷商人として異世界転生したので、今度こそ自分のために生きていきます  作者: 創作若造
山頂の医師編

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あの薬の意外な正体

「それじゃあ、僕は会長さんと話をつけてくるから。出来るだけ目の届く範囲に居てね」


「わかりました」


 なんてことをチセくらいの年の子にましてや、普通よりも大人びているチセにいう意味はないのだろうけど、思わず口から漏れてしまった。


「さてと」


 チセはまっさきに売店に向かったの。なので彼女のことはこれで良しとして、あとは会長さんに話をつけるだけだが、彼はやはり忙しいのか、表にはいなかった。なので僕は受付待ちの列に並び、自分の番に受付嬢に伝えることにした。


「お待たせしました。本日はどのような御用でしょうか」


「会長さんに話をしたいのですが、いらっしゃいますか」


「会長はいますが、えっと、どのような御用でしょうか」


「えっと」


 しまった、例の市場については公にはできないんだった。だからそうなるとどう言って彼を呼び出せばいいのか、並んでいる間に考えておけばよかった。


「街を案内してもらう約束をしてまして、前に来たときにお返事を保留にしてたのですが」


「アポイントはありますでしょうか」


 そう言えばいつ返事をするのかということについて全く触れていなかった。なんだか後ろに並んでいる人たちの視線も痛くなってきた。ここは一度列を離れて改めて策を練り直すべきだと判断し、僕はその場を後にしようとしたときだった。


「いったいいつまでかかっているんだ。早くやつを捕まえねばギルドの信頼に関わると言っているだろうが、まったく」


 奥から男性の怒声が聞こえてきたと思うと、裏口の扉が荒々しく開き、そこから見覚えのある男性が姿を現した。


「おっと、これはこれはツレヒト様」


「会長、お忙しいところに押しかけてしまったようで、申し訳ございません」


「いいのですよ」


 彼は僕の前にいた受付嬢の肩に手を置くと、あとは私が引き継ぐとだけ告げると僕を列の横によけさせた。


「今日いらしたのは、例の件ですよね」


「はい、それと先日にお話しした従者を連れてきました」


「ほう、それはそれは・・・でお連れ様はどちらに」


 そう言われてあたりを見渡してみると、本当にチセは僕の目の届くところにいて正直驚いた。これを思うのは何度目かと思うが本当にできた子だ。僕と目が合うとチセは瞬時に状況を察して僕のもとに駆け寄った。


「この子が僕の従者です」


「これはまたずいぶんとお若く見えますな」


「はい、実際とても若いです」


「チセと申します。ツレヒト様の専属医師をしております」


「医者ですか」


 会長の反応にも納得がいく。まだ10代の子供が医者などと言っても信じる者は誰もいないだろう。チセは幼いころからトクシンさんのもとで人生のほとんどを医術の体得のために尽くしているからこそなしえることなので、通常ではありえない。


「ここ最近ぼくたちが販売させてもらっている薬を作ったのも彼女です」


「なんとそれは、そのようなお方に・・・無礼をお許しください」


「いえいえ、まだまだ若輩者ですので、ツレヒト様と共に世界を回り見識を深めている最中です」

 確かトクシンさんの元には貴族も多くやってきたと聞いたことがあるきっと礼儀作法についてもその時に覚えたのだろう。


「ですので、本日はご主人様ともどもよろしくお願いします」


 チセに場を制されてしまい、言葉を失ったがすぐさま正気に戻り段取りを進めた。


「はい、ではご案内いたします。どうぞこちらへ」


 僕らはギルドの奥へと通された。

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