人的援助はいかがですか?
「いえいえ、こちらこそお忙しい中おしけてしまい、申し訳ございません」
「まさかこんなに早くお返事をいただけるとは、思ってもみませんでした」
「最初は無理かと諦めかけましたが、何とか算段が付きましたので」
「おお、それはそれは頼もしい、では今回の依頼は」
「ええ、お受けいたします」
「ツレヒト様~ありがとうございます。いや本当によかった。あともうすこし遅ければ私の責任問題になるところでした」
「それは・・・お役に立てたようでよかったです」
これでギルドの会長から僕に対する好感度はかなり上昇したはずだ。しかしいかに異世界とは言えこんな小太りで汗っかきなおじさん相手に恋愛ゲームのまねごとをしなければならないのは正直辛いので、もう金輪際遠慮したい。
「それで、出発はいつになさるおつもりですか」
「そうですね。作戦が決まったとはいえ準備が必要なので明後日にしようかと思っています」
「なるほど、それなら間に合いますね」
「なにがでしょうか」
「いえ、今回の依頼はこのギルドの存続にかかわるもの、それなので本来であれば以来の仲介以外は基本的には関与しない方針ですが、ツレヒト様が望まれるのであれば人員や道具など、できる限りのサポートをさせていただきます」
「それはありがたい」
正直チセから受け取った買い物リストには、大体必要な予算まで書かれており、それは今の僕らの懐の一割ほどの金額だった。それくらいならあまり大きなダメージにはならないが、節約できるのなら、節約しておいた方が今後のためだ。しかし僕が気になったのはそれではなかった。
「お心遣い感謝します。それで一つ気になったのですが、人員とは」
「ええ、そうですね。倒したイノシシの素材を運ぶためや、最悪突進してくるイノシシ相手に囮として使うこともできますが、いかがなさいますかな」
「そのような危険な役目を担うということは、ギルドの職員も大変ですね」
おそらくそんなことはないが、これはあくまでカマかけというやつだ
「いえいえ。私どもの職員にそのような危険なことをさせるわけにはまいりません。囮として使うのは獣人の奴隷です」
やはりそうか。今の会話の中で会長は自身が獣人の奴隷をギルドのために運用できる立場であると、正式に認めた。つまりは思った通りギルドの管理する施設の中に奴隷を売買するところあるいは収容するところがある。その予測が確信に変わった。
「ほう、なるほど、つまりは会長さんはそれほどたくさんの奴隷を有していると」
もう少しだけ踏み込んでみようと、重ねて質問したところ会長の表情が少しだけ曇った。
「私個人で持っているものではありません。あくまでギルドとして管理している奴隷です・・・そうですね、できることならあまり公言したくないのですが」
会長は汗をぬぐうのをやめ、目のまえの飲み物に口をつけた。




