悪魔の奴隷
「死ぬ前に俺の話を聞いてくれないか?」
「ああ、良いだろう。俺も気になっていたところだ。」
「ありがとう。俺達サソリの一族は悪魔族のヒエラルキー最底辺の一族。ただ、俺たち一族は体の中に毒を作ることができた。しかし、悪魔族は俺たちを毒の材料としか見ていない。俺達は無理やりとらえられ、毒を搾り取られた。苦しかった。耐えられなかった。隣で仲間たちの苦しみを聞き、仲間たちが死んでいくのが。俺はかっとなって悪魔族を殺した。そのことは直ぐに上にばれて俺の処刑が決まった。俺達は悪魔の奴隷。奴隷を一人殺そうが、奴らには関係がない。ただ俺は運が良かった。いや、これは運命なのかもしれない。処刑の前日俺たちが閉じ込められていた収容所は機能不全に陥った。看守たちは全滅し、残ったのは俺たちだけ。俺は嬉しかった。ただ、その喜びは絶望に変わった。突然仲間たちが全員殺されたんだ。俺は絶望した。解放されたのではなく新たな地獄へと突き落とされた。俺たち一族を殺したのは、十二星剣だった。俺は怒りのあまり、我をも、仲間が殺されたことも忘れてやつを殺した。そんな時、主が現れた。俺は主に『仲間になれ、そして自分が殺した十二星剣の分まで働け』と言われた。俺は抵抗できなかった。ただただ、やつの気迫に押され続けた。俺はまたも悪魔の奴隷になった。俺は悪魔の奴隷になる運命にとらわれていた。俺を開放してくれ。お前のような救世主を待っていた。』
「俺も非人族だから、気持ちは分かるが、容赦なく殺させてもらうぜ。あの世で幸せに暮らせよ。」
彼はこうして奴隷から解放された。絶望にあらがうことなく。それも一つの生き方なのかもしれない。




