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宿る闘志

 翌日、いよいよ出発の時が来た。

 「皆の者の無事を祈る。この世界の未来の為に心を込めて武運を祈る。」

 オーバンさんの一言から始まった。

 「皆さん、隊長のミライです。私はまだ若いですが、今回隊長に指名していただいたことを光栄に思います。皆さんの期待を裏切らないように、そして必ずや任務を成功させる為に全力を尽くします。どうかよろしくお願いします。私が皆さんを精霊族の国まで先導します。」

 ミライさんはすごい人だ。自分の国の存続の危機にも関わらず、俺たちに心から接してくれている。相当な手練れにしかできないことだ。

 

 俺達は東に向かって進んだ。一刻の猶予もない。周りは静寂に包まれていた。そんな中ある女性が口を開いた。

 「私、やっぱり帰らせていただきます。力になんかなれません。私がいても足手まといになるだけです。」

 「こらアロマ、これから一国の存亡をかけて戦うって時に何を言い出すんだ。少しは騎士としての自覚を持て。」

 「まぁまぁ、そう自己嫌悪せずに。」

 そう話しかけたのは、ミライさんだった。

 「誰だって、戦いは怖いものです。私もここにいる皆さんも怖いと思ったことはあるでしょう。でも、もっと怖い思いをしているのは、今も被害を受け続けている現地の人々です。彼ら、彼女らの気持ちを考えてみてください。私たちがやるしかない。これは義務なのです。そして、才能なのです。天から与えられた。私たちがやらなければいけない。少しだけ命を預けていただけませんか、この世界のために。」

 そうミライさんは言った。アロマという女はこれ以上何も言うことはなかった。ただ、彼女の目には闘志が宿り始めていた。もう少しで戦場だ!

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