Photon:34 宿命か…
そういってオリジナルはこういう話をした。
「この世界は別の世界とある場所でつながっている。その話はもしかしたら、この世界に来て、誰かから聞いたかもしれない。そこに行くためにはひたすら歩くしかない。」
それにずっこけそうになった。
「どうして?どこかに行けば必ずあるとかじゃないの。」
「確かに。本当ならそのほうがいい。でも、それしか方法がないんだ。どこに現れるのかわからないから、歩くしかない。でも、共通していることが一つだけある。」
「共通していること。」
「ああ。その扉は君たちじゃとても倒せないような猛獣がいるところに必ず現れる。」
「・・・つまり、その猛獣を倒さない限り外には出られないってこと。」
「その通りだ。」
オリジナルの言葉に愕然となった。自分に倒せないような敵を前にして、その敵をなぎ倒し、それから外に出ることができる。どこまで試練の連続なのだろう。
「だが、その猛獣は倒されるはずがない。能力を封じられない限り外に出ることはできないからだ。」
「そのモンスターはどんな能力を・・・。」
「分からない。あの猛獣だけは特殊だ。体の中にどのようなアビリティオリジナルが潜んでいるかわからない。僕たちみたいな人間は宿すことができて、1人だ。それ以上は基本ない。その1人で100を相手にするのと同じぐらい無謀なことだ。だから、君が元の世界に帰れるという保障すらない。」
僕は黙り込んだ。ずっとこの世界で生きていくというのも嫌だ。かと言ってどうすればいいのか・・・。
「でも、モンスターを倒せないのは99パーセント。もし1パーセントでモンスターを倒すことができたら、帰れる。帰るときに君はこの世界から通じるトンネルを通ることになる。そこで君はもとの世界に戻ることができる。だが、戻った後も問題だ。君はこの世界のことは決して人に言ってはならない。」
「・・・。」
「ここであったことはすべて君の記憶の中でしまうんだ。たとえどんなに親しい間柄でも口にしちゃいけない。それは君の記憶の崩壊も意味することになる。」
「記憶の崩壊・・・。」
「そうだ。そっちの世界で言う記憶喪失なんてもんじゃない。自分の名前。どうして生まれたのか。何をしていたのか。どこに住んでいたのか。そのすべてを忘れることになる。もちろん、手掛かりなんて何も残らない。」
「・・・。」
「それがこの世界に入ってきたものの宿命とでもいえるんだけどねぇ・・・。」
「この世界から帰った人は実際にいるの。」
「いない・・・。この世界から出た人は何人もいる。だけど、別の世界から来て、出れた人はまだいない。」
「・・・。」




