# 第八話 **「王都からの招待」**
# 第八話 **「王都からの招待」**
「王命である。」
朝早く、駐屯地へ一台の豪華な馬車が到着した。
兵士たちは慌てて整列する。
「なんだ?」
「王様が来たのか!?」
馬車から降りてきたのは、白い軍服を着た王国騎士だった。
「レオン・クロード隊長。」
「はい。」
騎士は一通の封筒を差し出した。
封には王家の金色の紋章が刻まれている。
「国王陛下より、王城への招待状です。」
兵士たちがどよめく。
「隊長が王様に!?」
「すげぇ!」
「出世したな!」
ガイルは腕を組みながら笑う。
「これで酒代が増えるか?」
「増えません。」
セリアが即座に突っ込む。
兵士たちは大笑いした。
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翌日。
レオン、セリア、ガイルの三人は王都へ向かった。
巨大な城壁。
石畳の大通り。
人であふれる市場。
レオンは思わず足を止める。
「すごい……。」
セリアが微笑む。
「初めてですか?」
「うん。」
「でも。」
レオンは街の片隅を見る。
そこには痩せ細った子どもが、パン屋の前で立ち尽くしていた。
「……。」
華やかな街の裏側にも、貧しさは残っていた。
「まだ、この国は変わってない。」
レオンは静かにつぶやいた。
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王城・謁見の間。
赤い絨毯の先には、一人の男が座っていた。
王国国王――**アレクシス**。
まだ四十代半ば。
厳しい表情の奥に、優しさを宿した瞳を持つ王だった。
「近くへ。」
レオンはひざまずく。
「レオン・クロードです。」
王はゆっくり立ち上がり、レオンの前まで歩いてきた。
そして――。
「よく国を守ってくれた。」
そう言って、肩に手を置いた。
「八〇〇人で一万人を退けた功績、見事であった。」
レオンは首を振る。
「私一人の力ではありません。」
「仲間のおかげです。」
王は微笑む。
「その答えを聞きたかった。」
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しかし、その空気を壊すように声が響く。
「陛下!」
豪華な衣装を着た貴族が前へ出た。
名は**マルクス侯爵**。
「平民を持ち上げすぎです。」
「たまたま勝っただけでしょう。」
レオンは黙って聞いていた。
「軍を率いる資格などありません。」
「ましてや、英雄扱いなど!」
周囲の貴族たちも頷く。
王は静かに尋ねた。
「では侯爵。」
「どうすればよいと思う?」
マルクスは不敵に笑う。
「簡単です。」
「実力を証明していただきましょう。」
彼はレオンを見つめる。
「三か月以内に、盗賊が支配する『黒狼の砦』を落としていただきたい。」
謁見の間が静まり返る。
黒狼の砦。
そこは歴代の将軍でさえ攻略できなかった難攻不落の要塞だった。
「無理だ……。」
誰かが小さくつぶやく。
しかし、レオンは一歩前へ出た。
「分かりました。」
「挑戦します。」
セリアが驚く。
「隊長!?」
レオンは笑った。
「俺たちは、無理だと言われるたびに前へ進んできた。」
「今回も同じだ。」
その言葉に、王は満足そうに頷いた。
「期待しているぞ、レオン。」
一方、マルクス侯爵は薄く笑う。
(帰っては来られまい。)
彼は密かに、黒狼の砦の盗賊たちと手を組んでいたのだった。
王都を出るレオンたちは、まだ知らない。
次の戦いが、これまでで最も危険な戦いになることを。
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## 次回予告
**第九話「黒狼の砦」**
難攻不落の砦。
待ち受ける五千人の盗賊団。
さらに、王国を裏切る貴族の陰謀がレオンたちを襲う!
「俺たちは、どんな壁だって仲間と一緒に乗り越える!」
新たな伝説が始まる――。




