表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/12

# 第四話 **「最初の仲間」**

# 第四話 **「最初の仲間」**


村を救った翌日。


レオンたちが駐屯地へ戻ると、門の前に二十人ほどの若者たちが並んでいた。


「隊長!」


「……え?」


一番前に立っていた青年が深く頭を下げる。


「昨日、助けていただいたリックです。」


レオンは思い出した。


炎の中から家族を助け出した、あの村の青年だ。


「どうしたの?」


「お願いがあります!」


リックは真っすぐレオンを見つめた。


「俺たちを、この部隊に入れてください!」


周りの若者たちも一斉に頭を下げる。


「国を守りたい!」


「俺も誰かを助けたい!」


「レオン隊長みたいになりたい!」


レオンは驚いて言葉を失った。


その時だった。


「却下です。」


後ろから冷静な声が響く。


セリアだった。


「セリア?」


「今の部隊は装備も食料も足りません。新兵を受け入れれば、全員が飢えます。」


若者たちは肩を落とした。


しかしレオンは静かに考え込む。


「……確かに、今は無理かもしれない。」


若者たちの表情が曇る。


「でも。」


レオンは笑った。


「夢を諦める必要はない。」


全員が顔を上げる。


「今は村を守ってほしい。」


「え?」


「家族を守り、畑を耕し、子どもたちを笑顔にする。それも立派な戦いだ。」


リックは拳を握り締めた。


「……はい!」


「もっと強くなったら迎えに行く。」


「その日まで待っていてくれ!」


「はい、隊長!」


若者たちは力強くうなずいた。


その様子を見ていた兵士たちも、どこか誇らしげだった。


---


その日の午後。


王都の会議室。


豪華な服をまとった貴族たちが円卓を囲んでいた。


「聞いたか?」


「例のゴミ部隊が盗賊を倒したそうだ。」


「たかが盗賊だ。」


「運が良かっただけだろう。」


誰も本気にはしていなかった。


しかし、一人だけ黙っている男がいた。


赤いマントを羽織った壮年の将軍。


**ヴァルド・グレイハルト。**


王国最強と呼ばれる男である。


「面白い。」


その一言に部屋が静まり返る。


「部下を命令ではなく、信頼で動かした隊長か……。」


ヴァルドは静かに笑った。


「一度、この目で見てみたい。」


しかし、その隣に座る太った貴族が鼻で笑う。


「平民の小僧ですよ。」


「そのうち失敗します。」


ヴァルドは窓の外を見つめた。


「そうかな。」


「本当に国を変える者は、いつも笑われるところから始まる。」


---


夕暮れ。


駐屯地では珍しく、兵士たちが自主的に訓練を始めていた。


「おい!」


「昨日は子どもを助けるのに走り負けた!」


「もっと鍛えるぞ!」


「俺も剣の振り方を教えてくれ!」


ガイルは腕を組みながら笑う。


「隊長。」


「なんだ?」


「お前、知らないうちに変え始めてるぞ。」


レオンは首をかしげた。


「何を?」


「俺たちをだよ。」


周囲を見ると、昨日まで怠けていた兵士たちが汗だくで剣を振り、互いに励まし合っている。


その光景にレオンは胸が熱くなった。


「……みんな。」


セリアも静かにその様子を見つめていた。


「不思議な人。」


「え?」


「普通の隊長なら、兵士を変えようとします。」


「でもあなたは違う。」


「兵士を信じた。」


「だから兵士が、自分から変わり始めたんです。」


レオンは少し照れくさそうに笑った。


「俺は難しいことは分からない。」


「でも、仲間なら信じたい。」


その言葉に、セリアは小さく微笑む。


「……その考え、嫌いじゃありません。」


夕焼けの空の下。


笑い声と剣を振るう音が響く。


「ゴミ部隊」と呼ばれた八〇〇人は、少しずつ「希望の軍団」へと生まれ変わろうとしていた。


しかしその頃――。


王国の北では、一万の兵を率いる敵将が進軍を始めていた。


「まずは、このレオンという男を潰せ。」


静かな殺意が、大地を包み始める。


---


## 次回予告


**第五話「一万の敵軍」**


敵は一万、こちらは八〇〇。


誰も勝てるとは思わない。


だがレオンは笑って言う。


「勝つ方法ならある。」


天才軍師セリアが描く奇策とは?


絶望を覆す戦いが、いよいよ始まる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ