# 第四話 **「最初の仲間」**
# 第四話 **「最初の仲間」**
村を救った翌日。
レオンたちが駐屯地へ戻ると、門の前に二十人ほどの若者たちが並んでいた。
「隊長!」
「……え?」
一番前に立っていた青年が深く頭を下げる。
「昨日、助けていただいたリックです。」
レオンは思い出した。
炎の中から家族を助け出した、あの村の青年だ。
「どうしたの?」
「お願いがあります!」
リックは真っすぐレオンを見つめた。
「俺たちを、この部隊に入れてください!」
周りの若者たちも一斉に頭を下げる。
「国を守りたい!」
「俺も誰かを助けたい!」
「レオン隊長みたいになりたい!」
レオンは驚いて言葉を失った。
その時だった。
「却下です。」
後ろから冷静な声が響く。
セリアだった。
「セリア?」
「今の部隊は装備も食料も足りません。新兵を受け入れれば、全員が飢えます。」
若者たちは肩を落とした。
しかしレオンは静かに考え込む。
「……確かに、今は無理かもしれない。」
若者たちの表情が曇る。
「でも。」
レオンは笑った。
「夢を諦める必要はない。」
全員が顔を上げる。
「今は村を守ってほしい。」
「え?」
「家族を守り、畑を耕し、子どもたちを笑顔にする。それも立派な戦いだ。」
リックは拳を握り締めた。
「……はい!」
「もっと強くなったら迎えに行く。」
「その日まで待っていてくれ!」
「はい、隊長!」
若者たちは力強くうなずいた。
その様子を見ていた兵士たちも、どこか誇らしげだった。
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その日の午後。
王都の会議室。
豪華な服をまとった貴族たちが円卓を囲んでいた。
「聞いたか?」
「例のゴミ部隊が盗賊を倒したそうだ。」
「たかが盗賊だ。」
「運が良かっただけだろう。」
誰も本気にはしていなかった。
しかし、一人だけ黙っている男がいた。
赤いマントを羽織った壮年の将軍。
**ヴァルド・グレイハルト。**
王国最強と呼ばれる男である。
「面白い。」
その一言に部屋が静まり返る。
「部下を命令ではなく、信頼で動かした隊長か……。」
ヴァルドは静かに笑った。
「一度、この目で見てみたい。」
しかし、その隣に座る太った貴族が鼻で笑う。
「平民の小僧ですよ。」
「そのうち失敗します。」
ヴァルドは窓の外を見つめた。
「そうかな。」
「本当に国を変える者は、いつも笑われるところから始まる。」
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夕暮れ。
駐屯地では珍しく、兵士たちが自主的に訓練を始めていた。
「おい!」
「昨日は子どもを助けるのに走り負けた!」
「もっと鍛えるぞ!」
「俺も剣の振り方を教えてくれ!」
ガイルは腕を組みながら笑う。
「隊長。」
「なんだ?」
「お前、知らないうちに変え始めてるぞ。」
レオンは首をかしげた。
「何を?」
「俺たちをだよ。」
周囲を見ると、昨日まで怠けていた兵士たちが汗だくで剣を振り、互いに励まし合っている。
その光景にレオンは胸が熱くなった。
「……みんな。」
セリアも静かにその様子を見つめていた。
「不思議な人。」
「え?」
「普通の隊長なら、兵士を変えようとします。」
「でもあなたは違う。」
「兵士を信じた。」
「だから兵士が、自分から変わり始めたんです。」
レオンは少し照れくさそうに笑った。
「俺は難しいことは分からない。」
「でも、仲間なら信じたい。」
その言葉に、セリアは小さく微笑む。
「……その考え、嫌いじゃありません。」
夕焼けの空の下。
笑い声と剣を振るう音が響く。
「ゴミ部隊」と呼ばれた八〇〇人は、少しずつ「希望の軍団」へと生まれ変わろうとしていた。
しかしその頃――。
王国の北では、一万の兵を率いる敵将が進軍を始めていた。
「まずは、このレオンという男を潰せ。」
静かな殺意が、大地を包み始める。
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## 次回予告
**第五話「一万の敵軍」**
敵は一万、こちらは八〇〇。
誰も勝てるとは思わない。
だがレオンは笑って言う。
「勝つ方法ならある。」
天才軍師セリアが描く奇策とは?
絶望を覆す戦いが、いよいよ始まる!




