# 第三話 **「八〇〇人、初陣!」**
# 第三話 **「八〇〇人、初陣!」**
「急げ!」
レオンの号令とともに、八〇〇人の兵士たちが駆け出した。
砂煙が舞い上がる。
その先には、黒い煙が空へと昇っていた。
「間に合ってくれ……!」
村へ到着したレオンたちの目に飛び込んできたのは、炎に包まれた家々だった。
「助けて!」
「誰か!」
「子どもがまだ中に!」
盗賊たちは高笑いしながら家財を奪い、逃げ惑う村人を剣で脅していた。
「ははは! 金になるものは全部持っていけ!」
「逆らう奴は斬れ!」
その光景を見たレオンは、剣を抜いた。
「……許さない。」
静かな怒りだった。
「セリア!」
「はい!」
「作戦は?」
セリアは村全体を見渡し、素早く指示を出す。
「第一隊は住民救助!」
「第二隊は火を消してください!」
「第三隊は盗賊の退路をふさぎます!」
「ガイル隊は正面突破!」
兵士たちは驚いた。
「もう作戦が決まったのか!?」
セリアは冷静に言う。
「考えるのが私の仕事です。」
レオンは大きくうなずいた。
「みんな、頼む!」
「おうっ!」
八〇〇人が一斉に動き出した。
まるでバラバラだった部隊が、一つの生き物になったようだった。
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「なんだ、お前ら!」
盗賊団の頭が叫ぶ。
「軍か!」
ガイルが大剣を振り上げる。
「軍じゃねぇ。」
ズドォン!!
地面が割れるほどの一撃で盗賊たちが吹き飛んだ。
「俺たちは、レオン隊だ!」
「うおおおおおっ!」
兵士たちの士気が一気に上がる。
一方、レオンは燃え盛る家へ飛び込んでいた。
「誰かいるか!」
「お兄ちゃん!」
奥から小さな声。
まだ幼い兄妹が震えていた。
「大丈夫だ!」
レオンは二人を抱きかかえる。
その瞬間、天井の柱が崩れ落ちた。
「隊長!」
外から兵士の叫び声が聞こえる。
間に合わない――。
その時。
ドンッ!
巨大な柱を片手で受け止めた男がいた。
「ガイル!」
「隊長、子どもを連れて行け。」
「でも!」
「隊長が迷ってどうする。」
ガイルは笑った。
「俺たちは、お前を信じてる。」
レオンは兄妹を抱え、炎の中を駆け抜けた。
外へ飛び出すと、村人たちが歓声を上げる。
「助かった!」
「ありがとうございます!」
兄妹の母親は涙を流しながらレオンの手を握った。
「本当に……本当にありがとうございます……!」
レオンは少し照れくさそうに笑う。
「礼なら、俺じゃありません。」
振り返ると、兵士たちが命がけで火を消し、村人を助け、盗賊たちを追い詰めていた。
「あそこにいる、みんなです。」
その言葉に、兵士たちは照れくさそうに頭をかいた。
「隊長、そういうこと言うなよ。」
「恥ずかしいじゃねぇか。」
セリアはその様子を見て、小さく微笑んだ。
(この人は……。)
(手柄を自分のものにしない。)
(だから、人がついてくるのね。)
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やがて盗賊団は壊滅した。
村には静けさが戻る。
老人がレオンの前へ歩み寄り、深く頭を下げた。
「若き隊長殿。」
「はい。」
「あなた方は、戦いに来たのではありませんな。」
レオンは首を横に振る。
「違います。」
「俺たちは……。」
夕日に照らされた八〇〇人の兵士たちを見つめながら、力強く言った。
「守るために来ました。」
その一言に、村中から大きな拍手が湧き起こった。
その日から、人々は彼らをこう呼ぶようになる。
**──『希望の八〇〇人』。**
まだ誰も知らない。
この小さな勝利が、やがて世界中を揺るがす伝説の始まりになることを。
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## 次回予告
**第四話「最初の仲間」**
救われた村の青年たちが、レオンのもとを訪れる。
「俺たちも、あなたと一緒に国を変えたい!」
しかし、兵士を増やすことに反対する貴族たち。
そして、レオンの活躍を快く思わない者たちが、静かに動き始めていた――。




