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まぁ、なんやかんやあり――
白耀聖騎士団の見学が始まった。
結局、見学できるやつは六人くらいしか残らなかった。
怪我して動けなくなった奴らは別室送りらしい。
こんなところまで来て、怪我して何も出来ないなんて可哀想な奴らだ。
残ったのは、どっかの銀髪エルフと、ほとんどが英雄コースの連中。
僕だけ場違い感が凄い。
まぁ、こういう時は空気みたいにしてればいい。
目立たないのだけは得意なのだ。
見学は騎士団長――アウレリア・フォン・アイゼンリート本人が案内していた。
まず最初に教えられたのは、騎士団の絶対ルールだった。
「民を守れ」
「王国に忠誠を誓え」
「正義を示せ」
などなど。
なんというか、非常に騎士っぽい。
(いや、僕たちグランセル王国の学生なんだけど……)
少しだけそう思った。
まぁ、口には出さない。
こういう宗教国家は面倒そうだから。
その後、また馬車に乗せられる。
どうやら王都へ戻るらしい。
聖導王国ルミナリアの王都――ルクスレイン。
名前だけ聞くと、めちゃくちゃ綺麗そうな街である。
まぁ実際、中心部は綺麗なのだが。
馬車の中で騎士団長が説明を始める。
「これから王都外縁部の警備区域へ向かう。スラム街と王都の境界地帯だ」
(お、嫌な予感)
「スラム街の住人が王都へ侵入しないよう、白耀聖騎士団が警備を担当している」
なるほど。
つまり門番である。
馬車の窓から外を見る。
やがて、遠くに巨大な壁が見えてきた。
高い。
めちゃくちゃ高い。
しかも、それがずっと続いている。
「あの壁の向こうがスラム街だ」
騎士団長が言った。
「時折、壁を越えて侵入してくる者がいる。その捕縛も我々の任務の一つだ」
(さーすが格差社会)
僕は心の中で呟いた。
綺麗な王都。
汚いスラム。
その間には巨大な壁。
なんとも分かりやすい世界だった。




