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しばらくして、また僕の試合が回ってきた。
せっかく感情に浸っていたのに。
まぁ、仕方ない。
賞金のため、今回も勝つしかない。
相手を見る。
民族っぽい装束に、ドクロの首飾り。
顔はタケノコみたいに尖っていた。
(制服着ろよ)
同時に、なんとなく察する。
死霊系。
「第二試合。レイン対ナム・タカーン、開始!」
相手が詠唱を始めるのと同時に、僕は一気に距離を詰めた。
死霊系を使う奴は、体が呪われて弱くなるのが相場だ。
なら近接で押す。
そのつもりだったが――
「我が霊よ、形を成せ」
速い。
地面が歪み、骨が浮き上がる。
スケルトンが三体、組み上がった。
観客席がどよめく。
序盤から全部出してきたらしい。
賭けに出た、って感じだ。
けど、
スケルトンはスケルトンだ。
一体目の腕を斬る。
そのまま踏み込み、二体目の首を落とす。
振り返しで三体目の脚を断つ。
バラバラに崩れた。
(このくらいなら問題ないな)
僕はそのまま相手に目を向ける。
すると、タケノコが瓶を叩き割った。
中から、黒い靄のようなものが溢れ出る。
(さっきので魔力はほとんど使ってるはずだろ)
乾いた音が響く。
同時に、叫ぶ。
「我が霊よ、あの者を食い尽くせ!」
観客がざわつく。
次の瞬間。
何かが入ってきた。
冷たい。
粘りつく。
体の内側に直接触れられるような、不快な感触。
「……っ」
一瞬だけ、息が詰まる。
やばい、と思った。
けど、
すぐに消えた。
弾かれたみたいに抜けていく。
その後に、焼けるような感覚だけが残った。
「……?」
僕はそのまま立っていた。
何も起きていない。
相手を見る。
タケノコの目が見開かれていた。
顔色が変わっている。
後ずさる。
そのまま、腰を抜かした。
「な、なんで……」
声が震えている。
(どうしたんだこいつ)
正直よく分からない。
けど、
僕は動ける。
相手は動けない。
それで十分だ。
僕はそのまま歩いて近づく。
距離を詰める。
剣を振る。
試合はそこで終わった。
その時。
ほんの一瞬だけ、
僕の目は、わずかに赤く染まっていた。




