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そりゃねぇよとっつぁん。対価と脅しは別物だよ。

遅くなりました。あ、本編ややこしいことにななってます!!流し読みでも全然分か…一═┳┻︻▄(´・ω・`)

「アハハハ、そんなに怯えないで下さいよ2人とも。まるで虐めているみたいじゃないですか。アハッ、でも今は何をしてもらうかは言えませんね。だって、ナターシャさんが居ないですから。僕たちは3人全員の誤解を解きましたからね、全員に対価を払ってもらいます。まあ、リリアンとロゼリさんがナターシャさんと決別していたなら救う気も関わる気もサラサラなかったのですが、お人好し2人はナターシャさんと仲良くなったのなら話は別です。ナターシャさんもこのことに巻き込…対価を払ってもらいましょう。」


今明らかに「巻き込みましょう。」と言いかけた王子。


一体どんな事を言われるのかその時の私には皆目見当もついていなかった。

次の日の放課後、指定された時間に皆昨日居たテラスに集まった。

王子、キールさん、ノア、リリアン、私、ナターシャだ。


「リリアンにロゼリさん、ナターシャさんも集まっていただきありがとうございます。」


「御託はいいからジョシュア早くしてよ。ナターシャも居なきゃダメなんて…一体何するの?それとも何か欲しいの?」

王子はもったいぶったように笑みを浮かべながら首を横に振る。


「僕は何かが欲しいわけじゃありません。いや…欲しいんですかね?あれは。ねえ、キール。」


「もったいぶってないで教えてやれよ。待てすらできないんだよこのアホロゼリとリリアン嬢は…しまいには暴れだすぞ?」

王子は「アハッ確かに。」と同意して言葉をつづけた。


「僕はね、ただ今回の見返りとして一週間後に控える生徒会役員選挙にリリアン、ロゼリさん、ナターシャさんの3人に立候補してほしいと思っているんですよ。」


「生徒会…役員選挙…」

そうリリアンが小さく呟いたということはリリアンもすっかり忘れていたのだろう。

生徒会役員選挙、私もどっかり忘れていた。確かこんなイベントがあったはずだ。

スチルもなく、甘いこともなくその後のストーリーにもそこまで関係してこないので記憶から抜け落ちていたが存在する。


今の生徒会は悪行がすぎる為リコールするのだ。そして、歴代初めてとなる一年生徒会長ジョシュア王子、副会長キール、会計だか書記にロゼリが入るのだ。薄すぎる印象の為こんな大事なことを忘れていた。それどころか、毎日がリアル過ぎて、この世界の大元が乙女ゲームのシナリオだということもすっかり忘れていた。


「元々この学校において教師というのは余り立場の無い物なのは知っているはずです。教師は全員優秀ですが、色々な制約のない平民の出ですから地位を気にする貴族連中などは基本教師の言うことを聞きません。ですから、自ずと地位を気にしない生徒たちも口さがない連中を恐れて教師を頼らなくなります。そして、次に権力の強い生徒会へ頼り、結果として生徒会へ権力が集まります。それをいいことに現生徒会は教師へ圧力をかけ特定の生徒への贔屓の斡旋、禁止されている未成年の飲酒や喫煙の見逃し、賭け事の見逃しなどの悪行を重ねています。これは全生徒に知れ渡っている事実です。」


王子の言っていることは本当だ。教師には余り利権がない。故に生徒会に権力が集中している。

ゲーム内でもそんな生徒会を打ち滅ぼし、教師の利権を取り戻す為に王子は生徒会長になると言っていたはずだ。


「ですから、私たちは悪しき生徒会に引導を渡してやりましょう。そして、教師たちへの利権を回復させましょう。この6人で新・生徒会になるのです。」

当然のことながらロゼリ、リリアン、ナターシャの3人は口が開かない。

いや、開けなかった。言っていることは正しい真っ当なのだ。

しかし、何故そのことを相談するではなく対価として半ば強制的に持ってきたのかが不明だったからだ。


「アハハ、別に立候補しなくてもいいんですよ?まあ、出なかった場合、新・生徒会長になった暁にはリリアンとロゼリさんが建てようとしている【TUEEクラブ】でしたっけ?あの案がいくら素晴らしくても通さないでおきます。」


「なっ…!?」

対価と言う言葉は強いが、絶対ではない気がした。

対価というのなら他でも払えるからだ。

しかし、立候補しなければ自分たちが今作ろうとしているクラブの案を通さないぞという言葉は脅しに近い。何故ならクラブを設立するというのがこの世界で初めて出来た小さな夢だからだ。


乙女ゲームの世界だと気づいたあの時から王子とくっつくという未来を当然の権利のように感じて過ごしてきたが学園入学後敢え無く玉砕し、何かないかと考えた末にリリアンと二人で「学園生活と言ったらやっぱりクラブ活動だよねー」なんて事を話してからはそれが夢になった。


それからの行動は早かった。適当に活動内容を決めて顧問も直情型の操りやすそうな奴に決めた。

お互い絶対クラブを作りたいという意思を持ち、クラブ設立に必要な3人目のナターシャという人材もようやく確保した。事が進むと思った矢先にこの脅しだ。


___そもそもその情報はどこから持ってきたのだろうか、私とリリアンとナターシャの3人しか知らないはずなのに…。


「わかりました…立候補だけならします。やることは真っ当ですしね。」

なんて建前を言ってみる。本当はクラブを設立したい一心だ。

その私の言葉に王子は嬉しそうに目を細めた。


「だってさ、ロゼリさんが立候補するならリリアンも勿論立候補してくれるよね?」


「…ぶっちゃけ真っ当でも私はめんどくさいし降りようと思ってたんだけど、クラブ設立にかかわるとあったらね。」

彼女は渋々と言ったように受け入れる。

リリアンも同じ気持ちだったようで嬉しかった。


「え、お、お2人がするならわたくしも!!」

彼女は本当に2人が居るならと言う感じだろう。ナターシャはとても素直ないい子だ。


ナターシャも立候補すると言ってしまったので、結局王子の思惑通り3人は生徒会役員選挙に出ることになってしまった。


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