12月6日(5) ドラゴン娘、目的地に到着する
お待たせしました。
11月18日 1/2
サッカーでも野球でも余裕でできるだだっ広い駐車場で車を降りて、お城か遊園地かと言いたくなる立派な門をくぐり、何処かの公園のような入り口前広場を抜けて、巨大な建物の中に入る。
壁面のあちこちに大きなガラス窓がはめられ、尚且つ多くの明り取りと吹き抜けによって日光が通された室内は、非常に明るい。
特に3階まで一直線に、大きな吹き抜けで繋げられたエントランスホールの解放感たるや、屋内とは思えないほどだ。
そしてその広いエントランスホールでも尚狭く感じるほどの、人、人、人―――
ガヤガヤ…―――
ザワザワ…―――
到着しました、アウトレットモール“Ruro”。
平日とは言え、流石はここらで唯一の大型商業施設、中々の人出である。
「はぁー、凄い人の数じゃのう」
「今日は平日だから、これも少ない方だけどな」
「これで少ないのか…」
何しろ他に遊びに行くようなとこ無いからなぁ。
カラオケとかゲーセン、パチンコぐらいならあるが、他の所謂レジャー施設の類は全然ないし、ショッピングが出来るような所もない。
スーパーと量販店の服屋ぐらいだ。
なので家族連れや若者が遊びに行くとなれば、真っ先にここが選択肢に上がる訳だ。
「入り口を見ててもしょうがないし、行こうか」
「う、うむ。 先ずは何処に行くんじゃ?」
「先に金を下ろしに行く。 その後は先ず服屋からだな」
「では最初は銀行か」
銀行は向こうにもあるのか…いや、当然か。
この世界でも今みたいな銀行は三百年くらい前には出来てたものだし、銀行のシステムの原型みたいなのは紀元前からある筈だ。
財産や通貨の概念が生まれたら、同時に間違いなく銀行のようなシステムも生まれるだろう。
「銀行、というかATMだな」
「? 何じゃそれは」
「預金の出し入れとか、簡単な遣り取りだけ出来る機械を置いた銀行の無人出張所、かな」
「そんな物があるのか。 しかし、無人? 大丈夫なのか?」
「それなりにデカい機械だし、そもそも頑丈で簡単には壊せない。 そんなに人目のつかない場所には置かないしな」
「成程のう」
言いながらATMコーナーに到着、各銀行・信金のATMがずらりと並んでいる。
「これがえーてぃーえむか、沢山あるのう」
「銀行ごとに全部別だからな」
俺が使うのは北海道の地元最大手北◯銀行だ。
大手だけあって並んでる人間も多いが、さっさと列の一番後ろに並ぶ。
人は多いが二台あるので消化も早い、順番は直ぐに来た。
(んー、十、いや、十五万くらい下ろしとくか。 女物の服やら下着やら、それなりの値段になるだろうしな)
手早く操作して十五万、諭吉さん十五枚を引き出す。
中々の大金だが、そう何度も掛かる訳じゃないしな。
額が額なので財布には入れず、備え付けてある封筒に入れて鞄の奥にしまう。
「…今の紙が、この国の貨幣なのか?」
「ん? ああ、そういや現金を見せる機会なんか無かったか」
ディーネが外に出るのはこれが初めて、家にいる間に金を使う事なんか無かったから、当たり前と言えば当たり前だ。
「日本に限らず、こっちの世界の殆どの国では紙で出来た“紙幣”と金属製の“硬貨”を併用してるんだ。 ざっくり言えば高額の場合は紙幣、低額なら硬貨だな」
「あんな紙に金としての価値があるのか?」
「…そっちの世界の貨幣は金貨とか銀貨とかか?」
「うむ、あとは銅貨と鉄貨じゃな」
成程、ディーネの世界ではまだ金銀の本位制度が中心なんだな。
日本だって本位制じゃなくなってからそんなに経ってないんだから、おかしくは無いか。
「この紙幣っていうのは正確に言えば“政府紙幣”という国が価値を保障した…長くなるから家に帰ってから説明してやるよ」
「うむ、分かった」
金銀本位制が当たり前の相手に“法定通貨”の説明するって大変そうだな、説明しきれっかな。
まぁ駄目だったらグー◯ル先生とウィキに頼ろう。
本位制とか貨幣の仕組みとか、良く分からないまま書いていますので、言い回しがおかしかったりするかもしれません。




