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ドラゴン娘とラノベ作家の現代生活  作者: 福耳 田助
2章:ドラゴン娘は現代生活を学ぶ
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12月6日(4) ドラゴン娘、愛玩動物に心奪われる

9月22日 2/2


 この話を書いていると、昔の金融会社のCMを思い出しました。

 チワワブームの火付け役になったあのCMです。

 調べてみると15年も前のCMでした。

 今の小中学生は勿論、下手をしたら高校生でも全く知らないんですね…。

 気になる人は「チワワ CM」で調べてみよう!


 ディーネの疑問質問に一つ一つ答えながら走る事十数分、それまで好機と興味の赴くままに質問を重ねていた彼女が、信号待ちの最中窓の外を向いたまま突然黙り込む。

 …まさか車酔いでもしたか?


「…コーヘー」

「どうした?」

「あの生き物は…?」


 言われて外を見れば、そこにいたのはどこぞのご婦人と散歩中の一匹の犬。

 因みに柴犬である。

 モコモコの冬毛が堪らない。


「あれは犬っていう、主にペット、愛玩用として飼われてる動物だ」

「イヌ…」


 何が気になったのか聞こうとしたタイミングで、犬から視線を逸らさずじっと見つめたまま、ぽつりと。


「…可愛い」

「…」


 どうやらモコモコの冬毛シバの愛らしさにノックアウトされたようだ。

 分かるけどさ。

 と言ってる間に信号は青へと変わり、車は動き出す。

 加速に合わせて犬の姿はあっという間に後ろの景色に流れ、直ぐに見えなくなる。


「ああー…」


 シートに座った体勢のまま、可能な限り首を後ろに向けていたディーネはひどく名残惜しそうな声を漏らしている。


「そんなに気に入ったのか?」

「…うむ。 我の世界では人の飼う動物と言えば家畜だけじゃ。 そもそも人に懐くような生き物自体がほとんど居らん。 野生の動物は人を避けるか襲うかじゃし、魔獣は人とは相容れぬ。 イヌに似た生き物で“ウォルフ”と言うのもおるが、あやつらは賢く誇り高い故、人に懐くなどという事はまずありえん」


 “ウォルフ”…狼か?

 狼はいるのに犬はいないのか。

 進化の過程で狼から枝分かれしたのが犬だから、その枝分かれが向こうでは起きなかったのかもな。

 まぁそれ以前に進化の仕組みが同じとも限らないし、そもそも進化自体が起きない世界の可能性も有るけど。

 昔の教会じゃないけど、この世の生きとし生ける者は全て神様がその姿でお創りになったんです、みたいな。


 つらつらと益体もない事を考えていると、


「はっ! コーヘー!」

「どうした?」

「愛玩動物という事はウチでも飼っても」

「ダメ」


 言うと思った。


「何故じゃ!」

「飼うのは良いけど今は駄目。 せめてお前がもう少しこっちに馴染んで落ち着いたらな。 それともこっちの事勉強しながら、動物の面倒まで看る余裕あるのか?」

「うぬぅ…」


 飼うこと自体は良い。

 実家では昔から飼っているし、俺も犬は好きだ。

 今まで飼ってなかったのは、一人暮らしなので俺が留守の時面倒を見る人間がいないからだ。

 元々単独行動の多い猫ならまだしも、集団行動の好きな犬を一頭で長時間留守番させるのは可哀そうだからな。

 ディーネが居ればその辺りの心配はないが、もし俺がいない間に何かあっても病院にも連れていけない、では流石に危ない。


 因みに俺は犬も猫もどっちも好きだ。

 世の中には犬派猫派等と言って別れる事もあるが、どっちも違ってどっちも可愛いのだ。


 閑話休題


「むうぅ…」

「そう不貞腐れるな。 一人で買い物に行けるぐらいになったら、飼っても良いから」

「! 本当か!?」

「俺だって犬は好きだからな」

「約束じゃぞ! 忘れるなよ!」

「はいはい」


 拗ねた顔から一転、ご機嫌である。

 チョロイ子だよ。

 これで現代勉強のやる気が増すなら良いか。




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