12月5日(2) ドラゴン娘はタンメンを啜り、異界の食事情に驚愕する
作品に日付を追加しました。
4月28日 1/3
「頂きます」
「イタダキマス」
タンメンを前に両手を合わせて挨拶。
最近はディーネのその動作も様になってきている。
それは兎も角。
ズズー
「はっふ…」
シャキ シャクシャク
熱い、美味い。
野菜の旨味と甘みがスープによく出てる。
野菜の炒め具合も丁度良かったな、良い歯応えだ。
ズルル ズルルルルッ ズズッ
「ふぅ…」
「おお、野菜で見えなかったが、これもラーメンじゃったのか。 しょーゆらーめんとはまた違うが、スープに野菜の甘みが溶け出て美味い!」
「タンメンて言うんだよ」
「たんめんか…。 しょうゆらーめんと言い油そばと言い、同じらーめんでありながらこうも違うとは、らーめんというのは奥が深いのう…」
何やら難解な命題に直面した哲学者のような顔で頷くディーネ。
いや、そんな真剣に考えるほどの事じゃ…。
…まぁ良いか、ラーメンが奥深いのは事実だし。
普通に出掛けられるようになったら、何処か名店にでも連れて行ってやろう。
「しかし何じゃろう、この前のらーめんとは麺の味がかなり違うの? 決して不味い訳では無いんじゃが、安っぽいというか何と言うか…」
「そりゃインスタントラーメンだからな」
「いん、すたんと?」
「袋麺とも言うが、ざっくり言うと麺もスープも纏めて小鍋一つで作れる、保存食のラーメンだ。 値段も安い」
「何…!? 保存食という事は、何時でもこの味が食べられるのか…!?」
「水と鍋さえあればな。 後は袋麺に対して、カップ麺というのもある」
「それも鍋だけで作れるのか?」
「カップ麺の場合はお湯だけで出来る。 使い捨ての容器に入った状態で売られていて、お湯を注いで蓋してちょっと待てば出来上がりだ」
「何と…」
何か凄まじい衝撃でも受けたかのような顔で固まったな。
確かに所謂インスタント麺は日本人の偉大な大発明だと思うが。
「ううむ、保存食でこれほどの味が出来るとは…。 我の世界の干し肉と堅パン一辺倒の保存食とは大違いじゃ。 てれびや本のような娯楽が普及している事といい、保存食にこれほどの手間と技術を投じている事といい、この国は豊かなんじゃのう」
日本が豊かなのは確かだけど、実感するポイント可笑しくね?
いや、食や娯楽に金と時間を掛けられる余裕がある、って意味では間違ってないのか?
一般庶民の生活にそれなり以上の余裕が無いと、そういう所は発展しないしな。
「それにしても(ハフハフ)安っぽいとは言うたが(ズルズル)これはこれで癖になる感じが(シャクシャク)…」
…そんな深い考えがあるようには見えねえなぁ。




