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ドラゴン娘とラノベ作家の現代生活  作者: 福耳 田助
2章:ドラゴン娘は現代生活を学ぶ
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12月4日(1) ドラゴン娘は意外に器用

4月14日 1/3


「うーむ」


 十二月初旬某日夜、我が家に異世界から来たドラゴン娘の同居人が出来てから二日が経過した現在、俺は冷蔵庫を前に唸り声をあげていた。


「食料が無い」


 理由はこれである。

 いや別に買う金が無いとかではない。

 単に買い込んでおいた分の食料が尽きただけだ。


「買い出しに行かないとなぁ…」


 俺の家は大都市圏からは外れたやや田舎なこの地方都市の、更に端っこにある。

 隣家よりも牧場が近く、一番近くのスーパーでもそれなりの距離がある為、ぶっちゃけまめに買い物に行くのはかなり面倒くさい。

 その為一週間から十日に一度、食料や日用品の買い出しは纏めて行っている。

 前回買い出しに行ったのは四日前、ディーネがこちらの世界へ来た前日だ。

 その時には一週間分のつもりで買い込んだのだが、四日目にしてすでに尽きてしまった。

 理由は言うまでも無く、一人増えたからである。

 俺一人で一週間分の量だったのだから、一人増えれば倍の速さでなくなるのは当たり前だ。

 ディーネは良く食べるし、俺もつられて食べちゃうし。


「買い出し、か…」


 買い出しに行くとなると、前から考えてた事(・・・・・・・・)を実行するには丁度良いな。

 と、そこにいいタイミングで、


「コーヘー、洗濯物取り込んでおいたぞ」


 取り込んだ洗濯物を抱えたディーネがやって来た。

 この二日、ディーネはこの世界、主に日本の常識や各種知識を勉強しながら、本人の希望で家事手伝いをして過ごしてきた。

 最初は洗濯機や掃除機に戸惑いもしたようだが、以前に聞いた通り似た物はあるようだし、使い方さえ分かればこちらの方が性能は良いと好評だ。

 料理の時にも思ったが、ディーネは以外に器用で物覚えも良い。

 むしろ性格的な物か、掃除に関しては俺よりまめで上手いくらいだ。

 正直最初に掃除を任せた時は、家具の一つや二つ壊される事も覚悟していたのだが、これは絶対に本人には言わないでおこう。


 余談だが下着は流石にそれぞれ自分で洗っている。

 ディーネは気にしないと言ったが、俺が気にするわ。

 

「手伝うよ」

「む? 大した量ではないから直ぐ終わるぞ?」

「ちょっと相談があるんだよ」

「…ふむ、ならさっさと終わらせるか」


 言ってテキパキと服を畳んでいくディーネ。

 まだ洗濯は二,三回目なのに中々手際が良い。

 と言うかこいつ、畳むの俺より上手いな。

 シャツの角とかすごいピシッとしてるし。

 掃除も完璧だし、家電の類も既に使いこなし始めてるし、実は意外と万能系キャラだったのだろうか。

 …腹ペコ系食いしんぼキャラだと思ってたのに。

 何か悔しい。


「これで最後じゃな」

「ああ、じゃあ先に座ってて良いぞ。 お茶持ってくるから」

「む、茶菓子はあるのか?」

「…チョコクッキーがあったな。 それも出してやるよ」

「ちょこくっきー、じゃと…? それは、昨日食べた“ちょこれーと”とやらを使った菓子か?」

「あー、チョコを載せた小麦粉の焼き菓子だな」

「おおお…! ちょこれーとだけでも天上の美味かと思うたのに、更にそれを使った菓子があると言うのか…! この世界は楽園か…?」

「安い楽園だな。 直ぐ持ってくるから取り敢えず座ってろ」

「うむ!」


 元気よく返事をしてちょこんと卓に着くディーネ。

 その背では尻尾が機嫌良さげに振られている。

 うん、やっぱディーネのキャラは食いしんぼ系だよな。




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