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ドラゴン娘とラノベ作家の現代生活  作者: 福耳 田助
1章:ドラゴン娘と同居する
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14.ドラゴン娘と今後の話をする


「気を取り直して先の話をしよう」

「…うむ」

「まず大前提として聞いておきたいんだけど、ディーネはやっぱり帰りたいんだよな?」

「む?うーむ、そう言われると…」


 あれ?


「帰りたくないのか?」

「帰りたくないという訳では無いのじゃが、帰れないなら仕方ない、という程度じゃの」

「…向こうに家族もいるんだろ?」

「父はもう亡くなっておるから、直接の身内は母だけじゃ。その母とももう百年近く顔を合わせておらん」


 スパン長ぇーな。

 数千年生きる生物は時間間隔のスケールが違う。


「仲悪いのか?」

「そういう訳では無い。さっき言うたが、竜族は子育ての時期と年を取った後以外は放浪生活をしておる。子が赤子の内は里で家族で暮らし、ある程度育つと娘は母と、息子なら父と二人で旅をするのじゃ。その旅の中で親は我が子に様々な知識と、精一杯の愛情を与え一人前に育て上げる。そうして一人立ち出来るまで育ったらそこで別れ、それぞれに一人で旅を続けるのじゃ」


 野生の虎みたいな生態だな。


「そんなんで良く絶滅もせず、子供作ってられるな。どうやって相手見つけるんだ?」

「旅先で気の合った同族と番う事もあるが、一番多いのは里に戻っての見合いじゃな。それに別に同族でなくとも良いしの」

「…他の種族相手でも子供は出来るのか」

「余程無理のある相手でもない限りは、大概の種族との間で子は作れる。まぁ寿命が全く違うから、本当に同族以外と番う者はあまりおらんが」


 それはそうだろう。

 人間の寿命はこちらと大差無い様だから、長くて百年。

 仮に人間と竜が夫婦になっても、一緒にいられるのはせいぜい数十年。

 竜の寿命は数千年というなら、伴侶と死別した後も何千年も生きなければならない事になる。

 竜は精神的には他種族と余り変わらないという話だから、それはかなり辛い筈だ。


「そういう生き方をする種族じゃから、数十年数百年身内に会わん事もざらにある。互いに愛情はあるし会えたなら嬉しいが、会えずとも元気でやっているならそれで良い。竜族にとっての家族とはそういう物じゃ」

「つまり今後数百年こっちの世界に居たとしても、竜族にとっては大した問題ではないと」

「うむ。ただ我としてもこのまま母と今生の別れ、というのは御免じゃからの。差し当たり手紙だけでも送れるよう研究してみるつもりじゃ」

「…その辺が無難な所か」


 いきなり生物を送るような魔法を研究するよりは現実的だろう。

 …魔法の研究が“現実的”、なんて違和感満載なんだ。


「ならその魔法が出来た時には手紙で向こうにもそれを伝えて、向こう側で例の魔法陣を調べてもらえば良いんじゃないか?」

「おお、それは良いの!」

「中長期的な目標としてはこんな所か。なら次はその間の生活をどうするかという事についてだな」


 素直に考えれば国とかに頼るべきなんだろうが、それは避けたい(・・・・)。

 となるとどうするべきか?

 …家に誘う?

 それはちょっとなぁ。

 いや別に家に置くのは良いんだけど、それを男の俺の方から言うのはどうなんだ?

 じゃあ家(うち)じゃなくて誰か知り合いの女の家に…いや駄目だ。

 俺の(少ない)女友達は皆実家暮らしだ。

 なら姉貴の家?…これも駄目だな。

 姉貴の家ってより姉貴の旦那の家だし、遊び盛りの子供が二人もいる所に押し付けるのは気が引ける。

 それ以前に先ず常識を教えないと…。


「のう、コーヘー」


 どうするべきかと俺がうんうん頭を悩ませていると、ディーネの方から呼びかけられる。


「どうした?何か希望でも有ったか?」


 これでディーネの方からここに置いてほしいって言ってくれれば、俺としては何も問題ないんだけど。


「其方は良い奴じゃの」




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