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第四話 休日DIY妖怪
若い頃の私は思っていた。
休日は、お洒落な店でランチをして、 映画を観て、 ショッピングでは手を繋いで歩くのだと。
雑誌みたいな夫婦。
そういう未来を想像していた。
現実は違う。
休日の朝六時。
ガラガラガラッ——!
奴は物置から工具箱を引きずり出す。
眠気でぼんやりする私をよそに、庭へ木材を運び始めた。
また始まった…。
休日DIY妖怪である。
ホームセンターで買ってきた大量の木材を並べ、朝から黙々と切り始める。
ギュイィィィン!!
電動工具の音が住宅街に響く。
「まだ早いからやめなさい!」
窓を開けて怒鳴ると、
「おう」
返事だけは良い。
そして止めない…。
聞く耳はない…。
昼過ぎになる頃には、部屋着のまま腹をぼよんぼよん揺らしながら汗だくで作業していた。
「昼ご飯出来たよー」
声をかけに庭へ出る。
すると、そこには立派な木製の踏み台が置かれていた。
「え、何これ」
「ん」
「作ったの?」
「おう」
ぐらつきもない。
妙に丁寧。
しかもサイズがぴったりだった。
「これ、台所の上の棚にちょうどいいかも!」
思わず声が弾む。
結婚三十年。
休日に出掛けることもなくDIY。
無駄にスキルが高くなる。




