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「醜い?」
私が首をかしげると、チェスター様の声は涙で湿った。
「やっぱり、君から見ても私は醜いんだな……!」
いやいやいやいや。私の言葉は、疑問系だったでしょうよ。
「ああ、美しい君に、この世のものとは思えないほど醜い私」
「あの、」
「君みたいに美しい人の隣に立つ資格もないのに、婚約なんて結んでしまって。君を不幸に──」
「あの、チェスター様!」
「!」
一際大きな声で呼ぶと、ようやくチェスター様は顔をあげた。私は、チェスター様と目を合わせてはっきりという。
「チェスター様は、とても綺麗ですよ。醜くなんてありません」
けれど。
「ああ、どうしよう。心まで美しいなんて。私は、私は……、」
そういって、口をパクパクさせてあと、チェスター様は真っ赤になってまた倒れた。
側にいた家令がそっと、ソファーにチェスター様を寝かせる。チェスター様は、うーん、うーん、と唸っている。
「あの、チェスター様のご容態は……」
「あなたに見つめられたことによる羞恥で倒れられただけなので、しばらくしたら目を覚ますと思います」
そうだった! チェスター様は女性に見つめられると羞恥で心が死んでしまうんだったわ! でも、チェスター様にはっきりと伝えるためには目をみて伝えた方がいいと思ったし……。
「あの、チェスター様はなぜ、ご自身のことを醜いと?」
あんなに綺麗なのだ。醜いなんて言葉とは無縁の姿をしていると思うけれど。
「それが、私どもにもわからないのです。チェスター様は、ある日を境に突然ご自身のことを醜いとおっしゃるようになって……」




