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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
二章

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第五十話 カアバはカバではない

カアバと荷台を買うことにしたのはいいが、どこで売っているのだろう。

市場には少なくとも居なかったと思う。


こういうときは年の功だ。何歳なのかわからないけどおそらく長生きな魔族に聞いてみよう。


「あの、車ってどこで買えますかね?」

「車?なんでそんなもの使うんだ?歩いて帰ればタダだぞ?」

「リムベルクまでの帰り道で他の人にあんな山を登らせたらだめなんですよ!」


ドラゴンは確実に希少種だ。山に登るたびに素材にしていたら絶滅してしまう。


「遠回りをしても安全な道を行くべきです!」

ソラも同調してくれる。


「じゃあ、なんで車が必要なんだよ。」

「車があったら早く、疲れずに移動できるじゃないですか。」

「あぁ、なるほど。」


やっとわかってくれたのか。


「でも、俺は車を売ってる場所なんて知らんぞ?」


おい、今までの会話は何だったんだよ。


でも、確かにこの街で一度もカバなんて見なかったからな。


ということで、最終手段の商業クランで聞いた結果、


「街の外に飼育場所がありますよ。」

とのことだった。

見当たらない理由は納得である。


カバは基本的に水辺にいるイメージではある。

だからなのか、川に飼育場所らしきものはあった。


10匹ぐらいいるんじゃないか?

前の世界では絶滅危惧種だったらしいけど。


この世界に移動させられたせいで数が少なくなっていたりするのだろうか?

そんなに多くは移動させられてはいなさそうだが。


どうやって買うんだろう。

飼育係みたいな人に話しかけてみる。


「あの、ここってカアバを買うことができますか?」

「そうですね。最低限の条件があれば可能です。」

「最低限の条件?」

「飼育場所、餌代とかの収入とかですね。」


飼育場所をどうしようか。リムベルクの方も考えないといけないからな。


「別に水辺でなくても大丈夫ですよ?リザードと基本的に同じ条件で飼育可能です。」


それなら大丈夫そうだ。

リムベルクの家には庭みたいなものはあったからそこで生活してもらおう。


「収入ってどうやって証明するんですか?」

「自己申告です。」


それ意味ないだろ。

まあ、買いに来ているだけで金持ちなのか?


「カアバを見せてもらうことはできますか?」

「もちろんです!いい人たちですよ!」


人じゃないと思うけどね。


だが、この世界に関する考えが少し甘かったかもしれない。

飼育場所に入って衝撃の光景を目にした。


「おっ!新しい人だね!何か目的があるのかい?」

「あんまりここに来る人なんていないからうれしいよ。」


へ?喋った?カバが?

飼育員さんに聞いてみる。


「しゃべれるんですか?」

「はい?喋れないカアバなんているんですか?」


この世界の常識は前の世界とは全く違うことを再認識した。

カアバとカバは全く違う生物なのかもしれない。

見た目はこんなに似ているのに。


人ではないけど、見た目で判断してはいけないことがわかった。


「兄ちゃんは俺らのことをどうしたいんだ?」

「荷台とかを引いてもらいたいんですけど。力とかスタミナがある方が助かります。」


「どのくらい運ぶかによるけど。俺らカアバはスタミナは多いほうじゃないな。」


うーん。困るなあ。リザードとかだけはなんとか回避したい。


「定期的に休めばいいんじゃないか?」


魔王さんが言ってくる。

それもそうか。

走ってもらうわけではないから、ゆっくりならスタミナもたくさんは消費しないだろう。


「というわけでどなたがいいんですか?」

飼育員さんが聞いてきた。


どれを選べばいいのかあまりわからない。

そう思っていたら、我らのペットたちと話しているカアバがいた。


仲良さそうだしこいつでよくね?

ということで


「決まりました。あの子にします。」

「わかりました。」


結果2万クレドで購入できた。

こたつと全く同じ値段だ。

少し可哀想に感じた。


名前でも決めたいけど、我が皆無のセンスで名付けられるのは可哀想。


だったので、ソラに一任することにした。

責任転嫁っていうのかもしれないが、気にしない。


「ハナとかどうでしょう?」


可愛くていいんじゃないだろうか。

オスということを除けば。


本人カアバは満足そうだったのでいいだろう。


「俺には命名権ないのか?」

魔王が聞いてきた。

「また今度ですね。」


なんか不満そうである。


どうでもいいことだけど、いちいち魔王って呼ぶのも面倒だな。


「だったら自分の名前を考えてください。」

「うん?」

「あなた、まだ名前がない状態じゃないですか。だから、偽名を考えてくれませんか?」


どんな痛い名前でも受け入れてあげることにしよう。自己責任だ。


「ノラでいい。」

「その心は?」

「2文字で呼びやすい、野良の魔王、ついでにソラからインスピレーションをもらった。」


悪くはないんだけど、……ねえ?

ノラになったら、「ラ」で終わる人物しか周りにいなくなってしまう。


言い間違いでもしてしまったら……


「ほ、他の候補は無いんですか?」

「あまり気に入らないのか?」


シュンとしてしまった。責任を少し感じる。


「名前がややこしくならないかなって思っただけなんですけど、別に大丈夫です。」

「そうか!名前は変じゃないんだな?なら良かった。」


名前に自信がなかったのだろうか?

本名はなんて言うんだろう。


「だったら、ノラじゃなくてノアにすることにしよう!」


まあ、それなら間違えないだろう。


「いい名前だと思いますよ。これからはノアさんと呼べばいいんですね!」


ソラが援護してくれた。

もう落ち込んではいなさそうだ。


門まで帰ってきた。

行きに比べてさらに注目される。

カアバが後ろからついてくる変な集団になっているからだな。

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