第四十九話 カアバ
そういえば、魔王っていくらくらい稼いでいるんだろう。
日本で言う天皇なのか内閣総理大臣なのかわからない立場だから、給与があるのかもわからない。
どちらかと言えば、給与をあげる側だからな。
「あの、ぶっちゃけ何クレド持ってるんですか?」
気になってしまったのでいつのまにか聞いてしまっていた。
「そんなの、億を超えたあたりから数えるのはやめてしまったから覚えてねえ。」
……おく?
聞かなかったことにしよう。
「まあ、今は1クレドたりとも持ってねえけどな。」
そ、そうですかい。
園内は何もなかった。
全部が取り除かれていて、水道なども一切存在していない。平らな地面があるだけだ。
大まかな配置のことを考えて、早くも外に出ることにした。
ちなみに幼稚園は門の近くにある。人語通りやすいところに配置して、収入も増やそうという企みもある。
門が近いので、門をじっくり見ることにした。
凱旋門ほどの大きさだ。つまりデカい。
よくこんなものを作ったな。相当お金がかかっただろうに。確かに1000万クレドはするかもしれない。
門を通行する人はさまざまだ。基本的に大人で、たまに保護者と一緒の子どもがいる。
みんな警備員みたいな人にお金を払っている。
あれが入国料なのか。
払った覚えがないやつだな。
まあ、権利持ってんだし許してくれるだろ。
門を通り過ぎていく人の中に、
The 異国人みたいな人がいた。
いっぱい荷物を持っている。
今や俺も割と偉い人だから話しかけることぐらい許される。見た目が変だという理由もある。
なので、話しかけてみることにした。
「あの〜、どちらからいらしたんですか?」
「え?私ですか?」
「はい、私ですね。」
我ながら嫌な人だ。
「どちらからというのは国名ですよね。私はハルゲンブルクからきました。」
おいコラ、ハルゲンブルクとか言われてわかるわけ無いだろ。質問が悪いのはわかるがつい、ね?
もう少し聞くと、ハルゲンブルク自由都市というのが正式名称で、ヴァルディア王国(今いる国)の隣国だそうだ。
「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」
「ファルーンといいます。」
また、覚えにくそうな名前だな。
心の中でそう思ったけど、ヒールとかよりもいいかもしれない。ごめんねヒール。
聞きたいことが一個あったので質問する。
「かなりの荷物ですけど、どうやって運んだんですか?」
そう、今からリムベルクに帰るとなるとまた、山登りをするかもしれない。
遠回りでいいから、らくできる方法があるなら知りたいのだ。
「私はリザードに車を引かせてます。」
……。はぁ〜〜。
もういいよ。
英語が苦手だった俺でもわかる。
リザードはトカゲのことだ。
この世界は爬虫類嫌いに対して冷たすぎる。
嫌がらせばっかだよ。
だが、救いはあった。ファルーンさんは更に話す。
「私の場合は荷物が少ないのでリザードですけど、荷物が多いならカアバとかでもいいんじゃないですか?」
「か、カアバ?」
聞いてみるとまあ、まんまカバのことだった。
カバがいるのかよ。猛獣だぞ?確かに足は早いらしいけど、凶暴な個体は人を殺すらしいし。
まあ、使われているということは安全なんだろう。
リザードなんかを使うのよりは絶対にいい。
「ありがとうございます!」
感謝を伝えて立ち去ろうとしたら、
「あの、商品を見るだけ見てもらえませんか?」
と言われた。
さすが、商売上手だな。帰りにくい。
確かに異国のものも気にもなるからせっかくなら見てみよう。
「何を売っているんですか?」
「面白いものですね。魔道具が多いと思います。」
魔道具?危険じゃないよね?
我がコンロみたいに勝手に燃えないよね?
「こちらとかどうですか?」
「この、ボウルは?」
見せられたのはなんの変哲もないボウルだった。
「これはですね、このボウルで卵をうまく割ると、なんと中から黄身が必ず3つ出てくるんです!」
じ、地味だけどめっちゃすごい。
単純計算で3倍お得なんだ!
これは買わない手はない!
「まあ、肝心の卵が高級食品なので誰も買わないんですけどね。」
高級とか関係ない!
「買います!!」
「ええっ!」
なんかドン引きされた。
卵は完全栄養食やぞ!なめんな!
そのボウルは2000クレドだった。
我がこたつをの10分の1の値段だ。
確かにボウルにしては異様に高いな。
買ったほうが得していると思っているからいいだろ。卵なんて何にでも使えるからね。
料理の幅が広がるぜ。
他にも、じゃんけんに絶対に勝てるグローブ
(1000クレド)とかもあった。変なのばっか。
また、どこかで会いそうな感じでファルーンさんとは別れてた。
次の目的地はカアバと、台車を買いに行くことにしよう。また、ペット枠が増えるのか。餌代は今のところ人間の食べ物しか与えてなかったけど、大丈夫かな?
犬にはあまり人間の食べ物は与えないほうがいいらしいけど。
ドッグフードなんてないから仕方がない。
ドッグフードも人間が試食しているらしいから、おそらく犬用の食べ物なんてないだろう。
(そんなことはない)
うちの奴らは肉食だからね。
魔道具のところは
某フリーレンさんのオマージュです。
すみません。




