第四十話 額面がおかしい
おじいちゃんがついてくることになったが、早く医者を探そう。
一刻でも早くソラを助けたい。
「医者ってどこにいるものですか?」
「医者は大体その都市の一番偉い人のために働くからのう。あと、医者は身分証がないと見てもらえんぞ。」
身分証?俺のは作れたとしてどうやってソラの身分証を作ればいいんだ?
でも、流石に人の命に関わることは見てもらえるだろ。
まずは、自分の身分証は作らないとな。
ということで街の商業クランに行くことにした。
もともと登録は済ませてあるが、他の都市でも使えるのかどうかを確認をしないと。
受付の人に話しかけた。
「あの、他の街で承認してもらった登録は使えますか?」
「いえ、その街ごとに5クレド必要ですね。」
なんてこったい。ぼったくりじゃえのか。
でも身分証ぐらいにはならないのか?
「なりませんね。」
さすがに酷すぎないか。
街ごとに5クレド必要ということだ。
街によってはそこそこの大金になるはずだ。
5クレドだからといって普通は簡単には払えない。
でも仕方がない。払わないとどうしようもないのだから。
結局、5クレドを払うことになった。
そういえば、ドラゴンソードを作ったけど、他の余った素材は売ることができるだろうか?
持っていても使わないし、二匹分もあるのだから一匹分は売ってもいいだろう。
「素材の買い取りをお願いします。結構量が多いんですけど、広い場所に移動できますか?」
少し驚いている。確かにいま何も持っていないからな。どこにあるのかが気になるのかもしれない。
すこし、迷っていたが、
「かしこまりました。ではバックヤードまでお越しください。」
ということで、ドラゴン売却タイムだ。良い値で売れるといいな。
インベントリから取り出す。
ドン!
ドラゴンの牙。
ドン!
ドラゴンの鱗。
ドドン!
ドラゴンの骨。
受付の人が固まっている。
「いやいやいやいや」
一気に近づいてくる。
「これ、本物ですか!?」
「はい、全部そうですね。」
受付の人は一つ一つ確認している。
震えてる。
「本物です…全部……」
顔が変わる。
「いくらで買い取りですか?」
こっちがそれを聞きたいのだが。
「相場が分からないので」
「……ちょっと待ってください。」
奥に引っ込んでいった。
数分後。
別の人が出てきた。
明らかに偉い人のようだ。
「こちらの素材を売りたいと?」
「はい」
「全てですか?」
「はい、全部でいいです」
全部売るのは怖いから本当は取っておいてるんだけどね。
その判断は正しい気がする。
「では……こちらでどうでしょう」
紙を渡される。額面を見る。
「……は?」
桁がおかしい。
「いやいやいや」
思わず声が出る。
「これ、冗談ですよね?」
「いえ、本気です」
めっちゃ真顔で見てくるじゃん。
「むしろ安いくらいです」
いやそれはないだろ。
価値が高いのは分かった。
だが、いくらなんでも
2000万クレド
はおかしいのではないか?
今まで頑張って稼いだお金がすごく小さく見えてしまう。
交渉する必要もない気がする。
「じゃあ、それで」
即決した。
「ありがとうございます!」
やけに丁寧だな。
お金を受け取る……
はずだがどうやって払うんだ?
「あの、どうやって払えばいいですか?」
あちらも思っているようだ。
「どうやって他の人にはどうやって払っていますか?」
「大抵の方は十万クレド札なんですが、二百枚ともなるとこちらが持っていないんです。」
千クレド札でさえあまり使わないからな。逆にどんなときに使うんだよ、十万クレド札は。
「しかも、十万クレド札を受け取る方は基本的にお貴族様などですから。」
納得。だが、どうしよう。受け取る方法がないのは困る。
そうだ!価値のあるもので、価値が変わらないものを買おう。前の世界だと金とかだったけど、この世界だと何だろう。
「何か、買えるものはありませんか?お金を使って受け取りたいのですが。」
「でしたら、土地を買いませんか?2000万クレドだと、グランマルクほとんどの場所を買うことができますが。」
全部、まさかの全部だってよ。
リムベルクでも広いと思っていた土地よりもさらに大きいグランマルクの一部のどこでも俺のもんだってよ。
「さ、さすがに考える時間をいただけませんか?」
「そうですね。買えない土地もあるでしょうから調べます。」
というわけで、1000万クレドを使って、グランマルクに入るときに使う門の権利を手に入れた。
入国、国じゃないから入街で取る手数料が俺のものだそう。
……俺は払った覚えないけどね。
お金は自動で入ってくるらしい。
毎月おおよそ20万クレドとのこと。大都市だから入ってくる額もおおきい。
にしてもとんでもない額になった。
まだお金を受け取っていないからレベルアップは来ていないが十分ぐらい鳴り止まなかったりして。
「素材でもらえる金額ってこんなもんなんですか?」
「ドラゴン素材は別格じゃからの」
おじいちゃんが言う。
倒すのにも苦労したし納得。




