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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
二章

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第三十九話 到着

明日に向けて早めに寝よう。


そう思っていたのが、なんか、変だ。

立ち上がった瞬間、体がやけに軽い。


「……?」


ジャンプしてみた。


「うおっ!?」


バレーボールの選手並みに飛んだぞ、


「え、ちょ、待て待て」


もう一回。

少し軽くジャンプする。

1mぐらい飛んだ。


「いや軽くやってこれかよ」


おかしい。

明らかに力が上がっている。

ドラゴン肉の影響か?


そのとき。

スキル更新


なんか来た。

表示を確認する。


【竜因子吸収 Lv1】

【身体能力補正:上昇(微)】


やっぱりそうなのか。

食ったやつの影響が出てるっぽいな。

てか、上昇が微なのかよ。


ちょっと加減が難しいな……

これは慣れが必要だ。


ーーレシピの更新があります


「ん?そういえばそんなのがあったような」


山でドラゴンの素材を取ってその後急いで逃げたから忘れていた。

レシピを開く。


すると、

今まで見たことのない項目が増えている。


【ドラゴンソード】


ドラゴン……ソード?

なんかもう、名前が強そう。

詳細を開く。


【素材:竜骨/竜牙/竜筋/竜血(少量)】


全部、持ってる。

解体したやつだ。

作れるのか。


作っていいのかな。世界崩壊レベルのやつじゃないよな。

やってみるか。


インベントリ内で組み合わさっていく。

骨が軸になる。

筋が巻き付く。

牙が刃になる。

血がそれらを繋ぐ。


数秒。


インベントリの中に残ったのは、一本の剣だった。

赤黒くて、妙に存在感がある。

なんかかっこいい!


持ってみると、軽いなこれ。

見た目より明らかに扱いやすい。


「いいもの作ったのう」


おじいちゃんがいつの間にか後ろにいた。

二回目だから慣れたのか驚かなかった。


「それ、相当な業物じゃぞ」


そうだろうね。ドラゴンソードだもん。名前が強いもん。


「まあ、強いならいいか」


世界を滅ぼさないことを願おう。

これで戦力は一気に上がったはずだ。


でも寝られないのは辛いな。ドラゴン肉そんなにいっぱい食べるじゃなかった。


そんなことを心の中で思った。口に出したらまた特訓させられそうだったからね。


翌朝、グランマルクまで出発した俺達は途中で数回狩りをした。一日程度でドラゴン肉の効果は薄まらなかった。


「次郎、狩りに行くか」

「ワン!」


まだ力があり余ってる。

ドラゴンソード、試してみたいしな。


森に入る。


ガサッ。


来た!

構える。

飛び出してきたのは、さっきより一回り大きい鹿みたいなやつ。


ドラゴンソードを構える。

間合いに入った。


「速っ!?」


自分でびっくりするくらい速い。

振ると、

スッ。


「……え?」


ギコギコはしなかった。スーッといった。

いつの間にか鹿モドキは何もできずに倒れていた。


次郎が駆け寄る。


「ワン!」

「ありがとな、今回は俺がやったけどな」


撫でる。

そのまま解体。

肉を回収。


レベル変動はない。

強くなってる実感はある。


元気なので、今日のうちにグランマルクにつくかもしれない。

そう思って聞いてみた。


「あの、あとどのくらいでグランマルクに着きますかね?」

「あと二時間ぐらいじゃろ。」


え?そんなに早く?今日のうちとは言ったが、半分以上冗談だったのに。


ガルドさんからの情報だと二週間はかかると思っていたんだけどな。一週間も経っていない。

近道は実はかなり効果があったのかも。


ありがとう、おじいちゃん。


その後、本当に二時間で街が見えてきた。圧倒的にリムベルクよりも大きい。スケールが違う。

ここなら医者もいる気がする。


その後十分ほど歩いて門までたどり着いた。


「でっか……」


思わず声が出た。


グランマルクの城門は、近くで見るとずっと巨大だった。石造りの壁が高くそびえ、その前には長い列ができている。


「入るだけで一苦労そうですね」

「まあ、都会じゃからの」


おじいちゃんは相変わらず気楽そうだ。

列に並ぶ。


門番が一人一人確認している。

遂に俺のところまで門番がやってきた。


「身分証は?」

「持ってません」


門番の眉がピクッと動く。


「では目的は?」

「観光と、あと医者に用があって」


自分で言っておいてアレだが、発言がすべて怪しさ満点だな。

門番は少し考えたあと、視線を下に落とす。

動物が二匹。片方はおじいちゃんが連れているが。


「……その魔物は?」

「仲間です」

「……は?」


当然の反応だな。だってドラゴンなんだもの。

これ、街に入れないかもしれない。

門番が一歩前に出る。


「詳しく話を、」

「通してやれ」


後ろから声。

振り向く。

話したのはおじいちゃんだった。


一瞬で門番の顔色が変わる。


「……は、はい!」


え?

さっきまでの態度はどこ行ったんだよ。

このおじいちゃんそんなに有名な人なのか。


「失礼しました!どうぞお通りください!」


一気に敬語。


「行くぞい」

「あ、はい」


そのまま通される。

二人で(と二匹で)門をくぐった。


「……すげえ」


広い。

人が多い。

建物が高い。

店も多い。


「都会って感じですね」

「そうじゃな」


そういえば、そろそろおじいちゃんとお別れになるのか。お礼を言っておこう。


「ありがとうございました。近道と剣術まで教えてもらって。」

「いやいや、気にするでない。これからもよろしく頼む。」


……?

これからも?


「お迎えの人がすぐに来るんじゃないですか?」

「お主が用事を果たすまで逃げ回っておるわ。」


どゆこと?


「面白いからもうちょっとお主と旅をするぞい。」


え〜?なぜゆえに?

いつまで一緒にいるつもりなんだこの人。

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