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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
二章

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第三十五話 デンジャラスなじいさん

諸事情で遅れました。すんません

「はなせ、コノヤロー!」


数人の男たちの前におじいちゃんは捕まってしまった。てかアグレッシブだな、おじいちゃん。

すると、男の一人が俺に話しかけてきた。


「突然すみません。実はですね、この方はとてもお偉い方でして、仕事を放りだして逃げてしまったのですよ。」


お偉い方って、曖昧な表現だな。


「何をされている方なんですか?」


ちょっと答えに詰まっている。いうべきなのか迷っているのだろうか。


「剣術などを教えていらっしゃります。」


なるほど、とは流石にならない。

本当かどうか怪しいものだ。

なにか証拠が欲しい。


「グランマルクには道場の一つがございます。」


だからグランマルクまで向かっていたのか。辻褄は合うかもしれない。


「ですので、この方をお譲りしていただきたく、」

「断る。」


今の俺じゃないからね。おじいちゃんだからね。


「ワシはこいつと旅をするって決めたんじゃ!」

「そんなわがまま言わないでくださいよ。」


まさに修羅場というのかもしれない。


「ならばこうしましょう。二人で旅をしてください。ですが、グランマルクまでです。それ以降は帰ってもらいますからね!」


え?俺も早く行きたいから連れて行ってほしいんだけど。


それでは、とだけ言って男たちは去っていった。


ここからグランマルクまでかなりあるはずなんだけどな。もう行っちゃったよ。


でも、おじいちゃん剣術の先生だったのか。

旅の途中で教えてもらおう。


「あの!剣術を教えてもらえませんか?」

「うん?剣術?」

「はい、もっと強くなりたいんです。」


どっかの主人公みたいなことを言ってしまった。


「まあ、別にいいんじゃが、でもなあ。」


迷っているようだ。確かに他の人がお金を払っているのに自分だけ無料で教えてもらえるものではない。


「お金は払いますので。」

「別にお金はいいんじゃが。剣術かい?そんなに得意ではないんじゃが。」


おいおい、話が噛み合ってないぞ。本当に道場やってんのか?


「あの、本当に教えているんですか?」

「え、ああ、もちろん。」


本格的に怪しいぞ。


「ま、まあ、そこまで言うのなら仕方がない。お金はいいらんぞ。教えてやる。」

「ありがとうございます!」


無料で「他称」、剣術の先生に教えてもらえるのだからいいことだ。


今日は早めに寝て、明日から習おう。


「じゃあ、剣を持ってみろ。」

「え?」

「剣術を教えてほしいんじゃろ?」


それはそうだが、今日はかなり歩いたし、休みたいのだが。


「あの、今日は疲れていますし寝ませんか?」

「わしは元気じゃぞ?」


そういう意味じゃない!察しろよ!


「とりあえず持ってみろ。教えてやるから。」


え〜!渋々剣を持つ。


「お前さん、こんなナマクラでいいのかい?」


ナマクラって確かにそこら辺の鉄から作ったけど、そこそこの強度はあるはずだろ。


「これ以外剣がないんです。」

「ほれ、これ貸してやるから。」


と言って渡されたのは見てわかるくらい禍々しい剣だった。


「こ、これですか?」

「これが本物の剣じゃよ。」


これが本物なら世界中の剣がナマクラということになる。


詳細鑑定をかけてみるか。


魔剣


なんでこんなもん持ってんだよ!


「じ、冗談ですよね?使ったら世界が滅びそうなんですけど。」

「も、もちろん冗談じゃよ。でなければそんなもの渡すわけ無いじゃろ。」


冗談レベルが世界崩壊レベルだよ。振ったら恐ろしいことになるって。


でも、コレだと剣術が習えないな。

そうだ!レシピ逆算で竹刀が作れるかもしれない。


……できた!どこに竹があったのか知らないけど助かったな。


「あの、これ使いませんか?」

「使うのはこれでいいんじゃな?」


なんであんたが疑問形なんだよ。教えるとき竹刀だろ。


「じゃあ、朝まで特訓じゃ!」


あっ!剣がないですねってことで寝ることができたかもしれなかったのに。

やってしまった。

後悔先に立たずとはこのことだ。


結局朝まで特訓させられた。

剣の持ち方から振り方、投げ方まで教わった。

投げることなんてあるんだな。


言語化はうまい方だった。なんとなく感覚で掴んでそうだったから人は雰囲気によらないものだ。


剣なんてとりあえず振っていればいいと思っていたから大進歩なのかもしれない。


剣道も一切習ったことがないから、かなりましになったかもしれない。

でも、六時間も竹刀を握っていたから手に豆ができてしまった。


明日からは手が痛くなるだろうな。


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