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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
二章

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第三十四話 変なオジイチャン

おじいちゃんとグランマルクへ行くことになった。

が、門から出てきて数分でおじいちゃんが忘れ物をしてきたという。


幸先が心配だ。


「ちなみに何を忘れたんですか?」

「いや、わしにもよくわからんのじゃ。」


おい!この人ボケてるんじゃないですか?

グランマルクまでボケを直しに行くんですか?


戻ってきたのはおじいちゃんと最初に会った酒場だった。


「お〜、よしよし、ごめんな。忘れてしまって。」


忘れ物はまさかの犬だった。

動物を忘れるとはどういうことなんだよ。


しかも連れて行く気か?更に負担が増えてしまった。でも、ちょっとまてよ。この犬どこかで見たことが。


「お前はまさか、次郎じゃないか?」

「お前さん、こいつを知っているのかい?」


知っているも何もこいつは俺が昔飼っていた犬だ!

二年ほど前にふと消えていたんだ。

いや、さすがにそんなはずは。


「この生物の名前は次郎というのかい?

「いや、生物というか犬の名前が次郎というわけで。」

「いぬ?こいつは犬というのか?」


え?いや、犬は犬だろ。本格的にボケているのか?


「長年生きているがこんな生き物を見るのは初めてじゃ。」


認知症待ったなしだろ。犬という動物を忘れることなんて普通ない。

でも、そういえば俺はこの世界で人間以外の生物を見たことがないかもしれない。


まさか、人間以外の生物がいないのか?

いや、スライムはいたな。

ただそれだけだ。


「あの、猫も知らないんですか?」

「ぬこ?なんじゃそれ?」


う〜む。これは本当に知らなさそう。

魔物がいる代わりに犬や猫などの動物はいなくなってしまったのかもしれない。


ならば、この犬は元の世界からやってきたのかもしれない。じゃあ、こいつは次郎で間違いない。


なんでここに?しかも二年間も生き延びることができたのか?


「この犬を最初に見つけたのはどのくらい前でしたか?」

「大体二ヶ月くらいまえじゃの。」


この世界の二ヶ月が元の世界の二年なのか?

いや、次郎が二年間生き延びた可能性もなくはない。


あとでじっくり考えよう。


街を出てしばらくして、


「こっちじゃ」


おじいちゃんが指さした方向は、どう見ても地図と違う。


「いや、そっちは違うと思いますけど」

「大丈夫、大丈夫。近道じゃよ」


絶対嘘だろ。

とは思いつつも、強く言えないままついていく。


案の定、道はどんどん荒れていく。


「……これ、完全に外れてますよね」

「そうかのう?」


とぼけてるのか、本気なのか分からない。

その時、次郎が急に吠えた。


「ワンワン!」

「どうした?」


直後、茂みが揺れた。

飛び出してきたのは魔物だ。


一体じゃない。二、三匹、いや、もっといる。

おじいちゃんを庇いながらいかないと。


「おじいちゃん、下がっててください!」


連続で捌くが、数が多い。


「あっ!」


一瞬、視界の端でおじいちゃんがよろけた。

危ない、と思った瞬間。


次の瞬間、目の前の魔物が消えた。


「!?」


周りを見る。


「……今、何が?」

「おお、すまんのう。足が滑ってしもうた」


おじいちゃんが何事もなかったように立っている。


「本当にそれだけですか?」

「それだけじゃよ?」

「あな絶対に強いですよね。」


にこにこしている。

分からん。

これ以上考えても仕方ない。


その日の夜。

野営をすることになった。

普通なら、この辺りは魔物が出てもおかしくない。

だが、気配がない。


おじいちゃんはすでに横になっている。

しかも、ぐっすりだ。

この状況で寝れるのか。肝っ玉がでかいなこの人。


昼のことといい冒険者でもあるからかなり強いのかも。もしかしたら伝説の冒険者だったりして。

そんなことないか。


次郎が隣に来る。


ふと、思いつく。


「ちょっと見るか」


詳細鑑定を使う。

対はおじいちゃん。


【解析中】

【警告:解析対象の情報が不安定です】


もう一度。


【解析不能】


今までこんなことはなかった。

深く考えるのはやめた。

この爺さん怖いな。


翌日。


歩き出してしばらくして、


「腹減ったのう」


おじいちゃんが言った。


「そろそろ少し休憩しますかね。」


昨日買っていた食事を渡した。

おじいちゃんはじっと見る。


「これはどうやって食べるんじゃ?」

「え?」


一瞬、理解できなかった。

ただのパンである。

もしかして、少なかったのかな?


「いや、そのままですけど、もう少し食べますか?」

「ほう……」


おじいちゃんはゆっくり咀嚼している。


「おいしいのう!」

「いや、普通ですよね?」


普通のパンの味である。何言ってんだこの人。


「昔はこんな味ではなかった気がするんじゃが」


そうなのかな?


次郎がパンを欲しそうに見てくる。

少しちぎってやる。

ぱくっと食べる。


「お前は普通だな。」


次郎を見ていると安心するな。


急に後ろから気配がした。


「っ!」


すぐに振り向く。

そこにいたのは、数人の男たち。

一人の男が口を開いた。


「探しましたぞ!」


視線はおじいちゃんに向いている。


「お前、何者だ?」


男に問いかける。

答えない。


ただ、おじいちゃんを見ている。

おじいちゃんは、ゆっくりと立ち上がった。


「なんじゃ?騒がしいのう。って、げっ!なんでお前らが!」

「逃げないでください!」


なんか面倒なことに巻き込まれてしまったようだ。

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