人との変化
ゆっくりとクロードさんの部屋の扉を閉じた後、私は隣の部屋の扉を開いた。
あの時気を失っていた少年はベッドの上に座っていた。
目の色が違う…
ルビーのような瞳は、翡翠色の美しい瞳に変わっていた。
「こんにちは、私のこと、わかるかな?」
近づいて、聞いてみると、少年は自分の瞳を隠した。
「見ないで…」
震えてる。自分の瞳の色にトラウマがあるのかも。
「ごめんなさい。挨拶だけするわね。私の名前はセレネディア ルナ リュンヌ。大公家の末娘よ。」
少年に教えると、彼は布団の中に隠れてしまった。
「来ないで…」
怯えてる…
あんな酷いところに居たらそりゃあ人間不信になっちゃうよね。
「ごめん、もうでるね。」
パタン、と扉を閉めると、私は隣の隣のパパの執務室に向かった。
目を擦り、笑顔を浮かべると、私は廊下を少し走った。
パパにこの子のこと聞かなくちゃ。
パタン、と扉を閉めると、私は隣の隣のパパの執務室に向かった。
「パパ!」
思いっきり扉を開くと、さっきまで寝ていたクロードさんとパパが深刻な顔で話し合っていた。
「ディア、ノックしてね。」
少し怖い笑顔を浮かべて、パパはいつもの優しい声で注意した。
「ごめんなさーい。クロードさん、こ、こんにちは!」
パパの方をずっと見ているクロードさんに挨拶をすると、さっきとは違う、光のない目で私の心を見透かすようにじっと見つめてきた。
「お久しぶりです。ディア嬢。」
やっぱりまだ敬語。
朝のことは忘れちゃったのかも。
「ディア、ちょうどもうすぐで昼食の時間なんだし、一緒に食堂に向かってなさい。」
パパナイス!
私はクロードさんの手を掴み、パパの部屋から出ていった。
「あとでねー!クロードさん、行きましょう!」
るんるんと食堂に向かっていると、急にクロードさんが立ち止まってしまった。
私も慌てて止まると、クロードさんは振り向き、さっきとは違う、戸惑ったような顔で聞いてきた。
「なんで…部屋に入ってきたのですか。」
声には、少し怒りが混じってる。
怒らせちゃったかな。
「ごめんなさい。ちょうど隣の部屋に行く途中で、挨拶したかったの。」
ごめんね。と、もう一度言うと、クロードさんは前を向き、食堂へ向かっていった。
手が震えてる。
相当怒ってるのかな。
『時間を操る者がその心配はないと言っております』
『民の上に立つ者が彼は大丈夫と言っております』
また人が増えてる。
そっか、あなたたちが言うならそうだよね。
頭をブンブンと振った後、私は前を向いて、クロードさんのところに走っていった。




