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ライオス視点 僕の妹

「ディア、大好きだよ。」

隣で泣きつかれた可愛い妹の頭を撫でながらぼそっと呟く。

この子は、たまに大人のようなことを言う。

やはり、『あれ』のせいだろうか。

「母上ならわかるかもな。」

眠りながら泣いている妹の涙をそっと拭いた後、僕は空をじーっと眺めた。

今日は、月が綺麗だな。

ーーーーー

「月の姫?」

「そう、月の少女。リュンヌ家の初代大公夫人がそうだった。」

今でもあの日を覚えている。

父上から母上の死の真相と、セレネディアが大人びた発言をする理由を。

『初代リュンヌ大公は、月から降りてきた少女と恋をした。その少女は月のお姫様らしい。2人は仲睦まじく暮らし、子供が生まれた。これがリュンヌ大公家の始まりだ。そして、今代で初めての女の子がリュンヌ大公家に生まれた。その子はスクスクと育ったが、5歳になった日、突然姿を消した。慌てた僕とローズは、至る所を探した。しかし、どこにもいなかった。

何日も寝ずに探し、2日が経ったある日、近くの森から大量の月の光が放出されているのを部下が発見した。急いで向かうと、ディアの月の力が暴走していた。それを止めようとしたローズは、ディアから溢れ出ている月の力を吸い取ろうとして、死んでしまった。あの日のディアの顔は忘れられない。全てを悟ったかのような、絶望した顔で、呆然と立っていた。そして、その日からディアはたまに15歳のような発言をするようになった。暴走したのが理由なのかはわからないが、あの日が理由なのは確かだろう。…もうあのような事件は起こしたくない。僕とライオスでディアを守らなければならない。』

父上と、ディアを絶対に守るという約束をしたのに、やっぱり、お兄ちゃん失格だ。

…でも。

ディアの言う言葉は本当に僕のことを救ってくれる。

父上がディアの記憶を消してくれて良かった。

今のディアが真実を知ったら…

考えたくもない。

さっきのディアの表情だって。

まるで、姉のような表情だった。

自分が一番怖いのに、僕たちを安心させようとしているような笑顔。

「兄様頑張るからね。」


ーーーーーーーー


「わっ!」

慌てて起きると、私はベッドの上で眠っていた。

隣には兄様。良かった、泣き止んでる。

そういえば、あの男の子は?

「テア。」

「おはようございます、お嬢様。」

「あの男の子はどこ?」

ちゃんと治療受けてるかな。

「医者に診てもらい、今はクロード様の隣の部屋で寝ております。」

クロード様って、確かパパのお姉様の息子よね。

挨拶ついでに寄っておこう。

パパにその子の体調を任されてるし。

「案内して。ついでにクロードさんに挨拶しに行くから。」

「わかりました。」

てあの得意技高速着替えが炸裂した後、私は眠っている兄様の上に毛布をかけて、部屋を出た。

「ここがクロードさんのお部屋?」

まさかパパの執務室の隣だったなんて。

「はい。私は外で待っていますので、何かあったらいつも通り呼んでください。」

心強い侍女の顔を見て、私は頷いた。

「クロードさん、今空いてますでしょうか?」

扉をノックするが、返事が来ない。

寝てるのかな。

失礼かもしれないけど、部屋の中に入ってみるか。

「クロードさん。」

そっと扉を開けると、クロードさんはベッドの上で眠っていた。

「ディア、嬢?」

あ、気づかれてしまったと内心思いながらも、私はぺこっとお辞儀をして、一歩下がった。

「ごめんなさい、クロードさん。ちょうど通りかかったから挨拶をしたくて。もう部屋を出るので安心してください。」

急いで扉の方を見ると、クロードさんに服の裾を掴まれた。

「また、きてくださいね。」

青い瞳が前とは違って光輝いた。

生きてるって目をしてる。

すぐに眠ってしまったクロードさんを見て、私は微笑んだ。

「はい。」


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