↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃カス課金プレイヤーがチート知識で神職『リミットブレイカー』になるまで  作者: なんくるないさ~
第二章 アルカノ魔法国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/67

2-19 相手に思わせる為には、すごい力が伴うらしい



おれは一歩一歩、確実に間合いを詰める。


「ひっ……、く、くるな!」


武器を失い、尻餅を付いたバカ殿は、無様に地面を這いずり回りながら後退していく。


全人類の頂点、天才、そんなプライドはもうどこにも残っていない。


目の前にあるのは、己の理解を遥かに超えた『怪物』への、純粋な恐怖だけだ。



よし、もう戦う意思は無さそうだな。


―――じゃあ、後処理の開始だ。



おれ達は、今後こいつとはもう2度と関わりたくない。

しかし、当然校舎でバッタリ会う事もあるだろう。


ならどうすればいいか?


会ったとしても、相手がおれ達と関わりたくないと思わせればいいのだ。


――――――圧倒的な恐怖で。



おれは槍をアイテムボックスへしまい、外套を取り出すと、それで自分の体を包み込む。


バカ殿を含め、周りからは「何だ何だ」「何をしているんだ」と声が聞こえる。


おれは観客達から姿をかくした状態で、転職の指輪を使い、武道家(グラップラー)へと転職を開始した。


転職後、包み込んでいた外套をファサッと翻すように剥ぎ取り、そのままアイテムボックスへとしまうと、おれはまた再び、この間に立ち上がっていたバカ殿を目掛けて歩き出す。



「ひ、ひぃ!く、来るな!―――来るな!」


と叫びながら、腰が引けちまっているバカ殿へ、視線が途切れる一瞬のスキを付いて肉薄すると、そのままヤツの鳩尾へ掌打を放つ。


「ぐふぇ!」と、くの字に曲がったところへ、間髪入れずに、掌打した手をそのまま上にかち上げ、ヤツの顎を撃ち抜く。


ヨロヨロと2歩後退したバカ殿へ、おれも合わせて歩みを進め、右上空からヤツの左鎖骨を目掛けて、おもいっきり振りかぶった肘を叩きつける。


1回。「グッッッ!」。ヨロけて離れた分近づき、


2回。「ガハッッ!」。今度はその場に蹲ったので、


3回。「バキィ!」「グギャァァァ!!」


ヤツのVITも中々のもんだ。

おれの貧弱なSTRだと3発もかかっちまったぜ。



「―――ひ、ひぃぃぃ!!」と悲鳴を上げて、今度はおれの反対へ逃げようと、きびすを返したので、おれはヤツの右足を手前に足払いし、足が伸びきったところで、ヤツの膝目掛けておれの踵で思いっきり踏み抜いた。


「グハァ!」と叫ぶ声と共に、無事に膝が砕けた音を聞きながら、それでも残った片足と片手で、這いつくばって逃げようとしているバカ殿の前へ回り込み、顔面を上に蹴り上げ、打ち上がって剥き出しになった喉元へ、渾身の突きを入れる。


「グッッッッッッ!!」と声にならない声を喉から発しながら、吹き飛ぶバカ殿へ、再びゆっくり歩みを進める。


クグもった声で、後ろへ這いずっているバカ殿の左側へ回り、顔面へ横蹴りを放ち吹き飛ばす。


うつ伏せになったバカ殿は、まだおれから逃げようとするので、今度は右側から蹴りを放ち、反対方向へ吹き飛ばす。


おれはバカ殿のおおよそのHPを確認したがら、瀕死になるまでこの作業を続けた。



―――とうとう動けず、空を見上げる形で動かなくなったので、おれはヤツの右肩を踏み、地面に固定した状態で、涙と鼻水にまみれ、悲壮を浮かべるヤツの顔を目掛け、右拳を腰に当てて構えを取る。


「だから、泣くんじゃねぇって言ったろ?みっともねえ。―――それじゃあ……また……来世でな」


そして、最後に武道家(グラップラー)のスキル、『正拳突き』を発動させた。


「ドッッコン!!」


耳が劈(つんざ)く音と共に、バカ殿の左横の地面へ叩き込まれた拳は、舞台の地面を割り、拳大に陥没していた。


バカ殿を確認すると、泡娘ヨロシクな気絶をしていた。




「―――そ、それまで!!」


すこしの静寂の後、審判が号令を掛け、決闘(デュエル)は終了した。


瞬間、爆発的な歓声がそこら中を駆け巡りおれの体がビリビリと震える。


おそらくレポートや書類などであろう、ものすごい量の紙吹雪が空を舞っていた。


これ後で泣くんじゃねぇ?大丈夫?



ハラハラと試合を見守っていた近衛騎士は、瀕死の状態で気絶したバカ殿を見て、試合終了と共に「殿下ーーーー!!!!」と駆け寄った……りはせず、こちらを向いてサムズアップしていた。


その目からは涙が溢れ、黒く濁っていた瞳に光が戻っていた。


おれも同士(とも)へ手を上げ応え、目で「おかえり」と言ってやる。




――――――ふぅ。


沸き上がる大歓声の中、おれは空を見上げて深いため息をつく。8回ほど。


まぁ、ここまでは予定通り順調に終わったぁ。


さぁ、問題はここからだぁ。


あぁ、最難関クエストよりも感じるこの重い緊張感(プレッシャーァ)。


はぁ、………相手せずには終わらないぃ。


なぁ、もうそっちを見るのも億劫なんだがぁ……。


わぁ、Sランクボスを相手にするより足が震えてらぁ。


やぁ、そこの完全武装(花嫁衣装)のお嬢(ラスボス)さん。



あんなパフォーマンス(バカ皇子への虐待)をしなくても………もう、すでに……おれは、お前と関わりたくないと、思ってるよ…………。



――――――圧倒的な恐怖で………。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。