表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公爵姉妹は幸せです  作者: 京栞


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/84

#82

月曜日の挽回として二話更新しております!

こちらは二話目、久しぶりの姉妹合流&新キャラ登場です!

(sideリリアーネ)

 お姉さまが公爵邸に帰って来たのは、当初の想定よりも早く、私たちがユリウスを捕らえて一週間後のことだった。

 エルヴィンと爺やからの報告を手紙で受け取ったお姉さまは、すぐにユリウスの蟄居とエルヴィンの釈放を命じ、エルヴィンが自由に動けるようにしてくれた。


 私も本当は黒幕を探るために動きたかったのだけど、事情を全部エルヴィンから聞いた爺やは私が勝手に動くことを許してくれず、大人しく部屋で遊んでいるか、精々庭の散策くらいしか許されなかった。

 ビリーやアノンに関しても、監視を付けていたそうで私の代わりに情報を集めようとすればたちまち部屋に戻されるという徹底ぶりだった。


 ともかく、久しぶりに会うお姉さまは、心なしか疲れているような表情だったけれど、私の姿を認めると満面の笑みを浮かべ、飛び込んでいった私を抱きとめる。


「お姉さま! お帰りなさい‼」

「ただいま、リリ! 元気そうで良かったわ。危ない真似はしていない?」


 私の頬を撫でながら出たその言葉に思わず視線を逸らしてしまう。

 自分でそこまで危険な真似をしたつもりはなかったのだけど、エルヴィンやミディも含め、全員で爺やから何時間も説教を受けたのだ。

 私に対しては自分の身を大切に、という程度のものだったけれど、エルヴィンは嫌われる覚悟をしてでも関わらせてはならなかったと私の目の前で怒られていたし、ミディに関しては鍛え直しが必要だと言って今もしごかれている。


「え、えーと……」


 目線を合わせられない私を見てお姉さまは目を細めた。


「……後で詳しく聞こうかしら」

「お、お姉さまは無事で何よりです。お一人で帰っていらしたんですか?」


 何とか話を逸らそうとすると、今度はお姉さまが少し気まずげな表情をする。

 その視線の先を見ると、長身の騎士がつかつかと速足で歩いてくるのが見えた。

 私の記憶にはない騎士だ。


「向こうの支援も必要だし、そうしたかったのだけれど。クラウスが護衛くらいは連れて行ってくれというから、数人だけ連れ帰って来たわ」


「マーガレット閣下! あれほど先に行くのはお止めくださいと……失礼しました、ご歓談中でしたか」


 プラチナブロンドのポニーテール騎士服の映えるその騎士の声は、意外なことに女性の声だった。

 並の成人男性よりも高いことや堂々としたその振る舞い方で意識が逸れてしまっていたけれど、よく見れば確かにその顔立ちは凛々しくも女性そのものだ。


 彼女は諫めるようにお姉さまに声をかけたが、抱きしめられている私と目が合うとすぐに一歩下がって礼をする。

 お姉さまもどこか童話の王子様然とした振る舞いをするときがあるけれど、この人のそれはお姉さまよりももっとずっと自然で、男性的にも見える。


 お姉さまは騎士の言葉に首を横に振り、構わないと示す。

 私から腕を離すと、彼女のことを指し示して紹介してくれる。


「いいえ、丁度お前のことも紹介しておこうと思っていたところ。……リリ、アニー・ルニエッタ隊長よ。ブルーメの騎士には女性騎士もいるけれど、隊長職になっているのは今はアニーだけなの。アニー、リリアーネよ。私の宝物だからくれぐれも大切にしてちょうだい」

「お初にお目にかかります、姫君。私はアニー・ルニエッタと申します。今は五番隊の隊長職をお預かりしておりますが、麗しき百合姫にお会い出来たこと、大変光栄です」


 ルニエッタ卿はお姉さまの紹介を受けると、私に跪き、手の甲に口づけをした。

 正に騎士様! といった感じで、私も思わず顔が赤くなる。

 お姉さまは私の様子に苦笑しながらも、止めはせずに話を続ける。


「アニーの隊はしばらく北部領の支援として各地を回らせていたのだけれど、今回の件を機に手元の警備を強化しようと思って。丁度リリには定まった護衛がいなかったでしょう? アニーは私との付き合いも長いし、リリも女性の護衛の方が良いかと思って彼女に頼むことにしたの」


 その言葉に私は驚き思わず尋ねる。


「えっ、隊長の方なのに良いんですか? 元々の業務もそうですし、部下の方もいるんですよね?」


 ブルーメ騎士団は王都の騎士団より規模は小さいが、それでも数百人単位で在職している騎士団の十数人もいない隊長職である。

 公爵本人ならいざ知らず、公爵令嬢に付けて良い役職ではないはずだ。


 私の言葉に一瞬目を丸くしたルニエッタ卿は、すぐに柔らかな微笑で答える。


「ご配慮痛み入ります姫君。私の隊は元々単独行動の多い隊でもありますので問題ありません。それに主人の大切なお方の護衛を任せていただけるというのは騎士冥利に尽きる光栄でございますから」

お読みいただきありがとうございます。


次回更新予定 8/14

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ