#43
本日も日付ギリギリで申し訳ないです!
キリの良さ優先で短めになってます。
私がビリーたちと遊んでいると、不意に扉の外からノックと共に声がかけられる。
自分が部屋にいると落ち着かないかもしれないと自主的に部屋の前で待機をしていたミディの声だ。
ミディは意外な訪問者の名前を告げる。
「ご歓談中失礼します。お嬢様、ユリウス卿がいらっしゃいました。お通ししても大丈夫でしょうか?」
「え、ユリウスが? ええとちょっと待って」
このタイミングでユリウスが来たと言うなら恐らくはお披露目の延期に関する話だろう。
普段はエルヴィンに任せて、ほとんどこちらを訪れないユリウスが訪ねてくるのは、エルヴィンが忙しいからだろうか?
いずれにせよ、滅多に来ない人が訪れたのだからそちらを優先するべきだろう。
ちらりとビリーを見ると心得たというように頷き、さっと広げていたおもちゃを片付け始める。
空気を察したようにアノンやメルたちも片づけを手伝っている。
「俺等は聞かない方が良いよな? 寝室に入っても大丈夫ならそっちに下がってようか?」
「うん、ごめんね。そうしてもらえる?」
私の部屋が応接間と寝室でに分割された作りになっていることは既に部屋の探検を皆でした後なので把握済みだ。
ビリーの提案に私は頷き、謝る。
ビリーは首を横に首を振り、気にすることは無いと告げる。
「いや、保護してもらってる身だしな。こいつらがいるんじゃ落ち着いて話もできないだろうし。そろそろ疲れてきただろうから休憩させてもらうわ」
そう言いながら、ビリーがネラを抱き上げてアノンたちと寝室の方へ移動したのを確認し、私は扉の方へ向かって入室の許可を出す。
すぐに扉が開き、ユリウスが入ってくる。
この状況では仕事も山積みらしく抱えている書類の束もいつもより分厚い。
ただでさえ鋭い眼光は、多忙さにより拍車がかかって、今なら視線だけで人を射止められそうだ。
一緒に入って来たミディはすっと私の後ろに控える。
話にも同席するつもりなのだろう。
話しは付いているのか、ユリウスもそれを気に留める様子はない。
「待たせてしまってごめんなさい、ユリウス」
「来客中に失礼します、リリアーネお嬢様」
「いいえ、ユリウス。お姉さまが戻ってくるまでは皆もこちらに滞在させてもらえることになったし、彼らとはいつでも時間は取れますから」
ユリウスの謝罪に対してフォローを入れると、ユリウスはあっさりと頷く。
「そうですか」
少し出ばなをくじかれたような気分になりながらも話題を投げかける。
「ユリウスが来るなんて、珍しいですね? いつもはエルヴィンが来るじゃないですか」
ユリウスは私の問いには答えずに要件を告げだす。
淡々と告げる彼の声は感情を押し殺しているようにも、そもそも感情が無いようにさえ感じられる。
必要事項を淡々と告げていく様はまるで人形だ。
「……既にお察しかと思いますが、西部辺境及び北部国境における反乱により閣下が出征なさることとなりました。付きましてはお嬢様には申し訳ありませんが、準備を進めていたお披露目についても延期ということになります。反乱が収まり次第、改めて閣下と日程を確認の上、再度準備をすることになります」
「それは構いません。準備なんかしている場合ではないでしょうし」
戦時中に行ったところで非常識だと批判されるだけだし、そもそも主役の片側を担う保護者が出征中に出来ることなど少ないだろう。
事情が事情なので、全てが終えてから準備をしたとて責められるはずがない。
「リリアーネお嬢様におかれましては再度閣下から出立の前にお話があるかと思われますが閣下の不在時の領政については私が、この屋敷の管理についてはゼルス執事長が担われることになります。閣下が不在の間はお嬢様の外出については基本的にお控えいただき、我々の指示を聞いていただくことになります。代わりにリリアーネお嬢様の庇護下にある孤児たちも屋敷内で保護し遊び相手になさることが許可されております」
これについても特に異論はないので黙って頷く。
その後もユリウスは、今後の予定についての変更点を淡々と話すと、最後に何でもないように付け加えた言葉が私を驚愕させる。
「ついでに言っておきますがエルヴィン・シュトゥルムのことはお忘れになった方が良いかと」
「え?」
「彼は公爵家を裏切ったとして現在拘束されております。……お嬢様も疑われるような行動は避けた方が賢明かと。では失礼します」
お読みいただきありがとうございます。
次回更新予定 5/13
5/13追記 すみません! 間に合いそうにないので15日(金)に2話まとめて更新とさせてください!
本当にごめんなさい!




