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社畜の俺は愛され王子に転生したので魔王国を救います  作者: NAar


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第36話 自己紹介タイム②

良くないぞ!良くない良くない!

名前を知れて浮かれている場合ではない


この空気、どうにかせねば!


「ユーリス様と仰るんですね!冒険者だなんてとてもかっこいいです!」

いやしかし、名前に神々しさを感じる…推しができるとなんでも楽しくなるって本当だな


転生前は勇者に憧れが過ぎたが、転生後は見事に魔王の息子におんぎゃあしたので、見事に詰んだ。

なんだったら勇者という名前がむしろ良くない立場ってどういうことだ?


皆が探している勇者一行とは違う。


…きっとちがうと信じてる


「坊ちゃん」

「ルシアンちゃん」


俺が悶々としていると横から呼ばれた

何故か笑顔なのに圧を感じるな


「…私、以前は第1部隊で特攻隊長も務めておりましたので実践経験はもちろん、探索も得意ですので冒険者も出来ますが?」


「私もよ。研究室室長の前は第一線で戦いながら地形の解読、ダンジョン内の薬草を採取してそこに生息する魔物の生態系を調べることができるわあ」


「うん?なんか凄いね」


「「それだけ(ですか)?!」」


バルドとヴァイスがすごいのは分かっているしな。

今更感が強い

非戦闘員の俺からしたら羨ましいしか無いが?




「ん?第1部隊?じゃあ、あんたたちもレクスを知ってんのか?」


「「レクス?」」


ドンゴはまだレジャーシートの外にはいるが、少し落ち着いてきたのか第1部隊という単語に思い当たることがあったらしく、まさかレクスの名前が出てくるとは!


「そうだったわぁ!この2人を連れてきたのはレクスを知ってたからだったのよお」


おい!早く言えよ!

普通にお茶してたんだけど!?


「レクス…存じておりますよ。貴方はレクスをどうして知っているんです?」

「俺たち商人なんだけどよ。護衛付けるときはいつも頼んでたんだよ!最近見ねえから心配してたんだ」

「そうそう!その話を聞こうとしたら襲われたのよねん」

身体をくねらせてパンッと両手を合わせた

「ヴァイス…」

「げ!怒らないでバルドちゃん!!」


「それは後にして!」

「…かしこまりました。」


横目でジロリと圧をかけられたので防御体制に入るが主人に止めてもらえたのもつかの間、おしおきが先延ばしになっただけだった


「え?後?無理無理無理無理!」

「ヴァイスうるさい!とりあえず、ドンゴさん。レクスって何をしてたか知ってます?」


ぎゃあぎゃあと騒ぐ男達に構ってる場合ではない


「ん?護衛だろ?」

「そう、なのですけど。どんな人の護衛してたとか。なんか、気づいたこととか…」


「んー。同じ第1部隊でそこの隊長なんだろ?確か雇われてるって言ってたな」



「「「…ん?」」」


「なんかすんげえ強いやつなんだって?」


「「「ん?」」」


第2部隊の隊長で、この間ヴァイスたちにボコられましたが?


ドンゴが話す言葉にツッコミたいところだが((とりあえず聞きましょう。))ということで3人で目を合わせて頷いた


「えー、なんだっけか。たしかバルゼルム…」

「それは国の名前」

「いや、バ、バー…なんとかってやつに雇われてたとか言ってたな」


思い出せそうで思い出せないでいる、こちらとしてはもどかしいが様子をみるしかないか



「そいつの名前はバゼルではなかったか?」

「ち、ちょっとおユーリス?!」


まさか、目の前のドンゴではなくこっちから情報がくるとは思わなくてとてもびっくりした。


「おや?ユーリス様はレクスの雇い主様をご存知で?」

「…あぁ。俺たちはそいつに用があるからな」

「先程は、この辺を散策していると仰っておりましたが…そのバゼルとかいう者がこの近くに?」


ちょっと待った。

誰か時を止めてくれ

レクスの雇い主がバゼルとかいうやつでそれに用があるユーリス様はもしかするともしかしするんじゃないか?


良くないフラグは折らなくてはならない


が、何も思いつかない俺の小さい脳みそ!

6歳の若い脳みそでは全く思いつかない!


「ルシアンちゃん汗なんかかいちゃって、どうしたのん?」

やばい。冷や汗が出てきた

脳が良くない感じの空気を読み始めてる


「いや、なんというか目的が同じって運命感じるなあと思ったら汗が」


何を言っているんだ俺は!


「「運命?」」

「坊ちゃん。私は貴方様が生まれた瞬間から運命を思っておりますが?」

「ルシアンちゃん、良くないわあ。それを感じる相手は私だけて良いでしょお?」

「ヴァイス、貴方に感じる運命などこの世に存在しませんよ。気の所為です。」

「ひどい!!」


さっきから2人ともどうしたの?

話が逸れることに越したことはないから良いんだけど


「バゼル?あー、たしかそうだったかもな。俺よりもこの寝てる奴の方が詳しいと思うぜ。そういやその依頼書の履歴が書いてある紙を取りに行ったときに襲われたな」


「え?」

えーっと、ちょっと待って?

ドンゴさん達がレクスのことを知っていて、そこに魔王国のヴァイスが接触したことを酒場で見ていたやつがいて。雇い主のことがバレそうになったからそれで襲われた?

ということは、ドンゴさんたちは見張られている?




「坊ちゃん」

「うん。ドンゴさん達は今後も襲われる可能性があるね」

「えぇ?!なんで?!俺たち何かしたのか?」

「いえ、正確には私達が接触してしまった所為で危険人物になってしまったというのが正しいです」


「危険人物?!」

普通の商人だったのに、たった半日で狙われる立場になってしまったらそりゃ驚くよね

俺が同じ立場だったら展開についていけそうもない



「ちょっと待て。なんでそれで襲われるんだ?レクスという人物は何者だ?」


「ユーリス様、ヴァイスはそれを確認しにきたのです。レクスは第1部隊?に所属している隊長です。……が、ユーリス様がバゼルという人物に心当たりがあるようでしたので、その内容次第ではまた別の顔があるかもしれませんね。レクスとの関わりがありそうですので」



「…」


なんだかまた空気が重い。



杵と臼の材料取りに来ただけなんだけどな…

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