表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

004 9ミリ拳銃や5.56ミリ小銃では・・・

 スライム発見の報は『屯田2号』にも伝えられたが・・・


「スライムだって・・・ まるでファンタジー小説みたいだな・・・ もしかして正体不明の知的生命体ってゴブリンだったりしてな?」


「船長、バカ言っていないで現実を見て下さい。 名前は兎も角、殆ど何でも吸収できてエネルギーに変換するんですよ、ある意味生きたリアクター?ジェネレーター?ですよ。 エネルギー界に革命が起きる? かもしれない大発見だとは思いませんか?」


「まぁ、金にはなりそうだな・・・ しかし、そっち系は利権が複雑だし、手を出したくないな~」


 その船長の言葉にルーナ通信士は、

「私がしっかりサポートするので大丈夫、任せてください!」 (小声で、何でしたら私生活のサポートも・・・)


 強く推してくるその様子に若干引きながらも、首を縦に振る船長・・・ 何処まで話が通じているのやら・・・



 だが、その後の発見でシャレにならない事態に・・・

 調査班からエネルギー結晶体を持つ複数種類の生物の発見報告が・・・


「え~と何々、角を持つ兎の様な生物を発見、『ホーンラビット』と名付けました? 石像の様な鰐を見つけました? 名前を『ゴーレム』にするか悩みましたが『ロックリザード』にしました・・・

 上陸班の連中、正気か? いっその事エネルギー結晶体は『魔石』とでも名付けたらどうだ?」


「・・・船長、ガンバ!」


「ありがとよ、ルーナの気遣いが身に染みるよ・・・ ってなるか! 何笑いながら言ってる。」


 それでも見つかった物はしょうがないと、三浦船長は戦闘になった場合に備えて、護衛班に各種生物の脅威判定と有効な攻撃手段の確立を指示した。


 そしてその結果・・・


「ふむ、エネルギー結晶体を持つ生物は生命力が強く、9ミリ拳銃や5.56ミリ小銃での対処は困難、特にスライムが相手では対処はほぼ不可能と思われるか・・・

 そして、レールガンであれば威力は問題無いが、照準と発射に時間がかかる為、動きの速い小型生物相手だと命中させるのは極めて難しいと・・・

 しかし、レーザーや高電圧は有効であるか・・・ まぁ対処法があるのはいいが、少し困ったな・・・」 (9ミリだと威力が高そうに思えますが、拳銃弾は小銃の弾に比べ弾を打ち出す炸薬が少なく、弾の形状が小銃弾のように尖っていない事から、貫通力が低く威力もいまいちです。 しかし、近距離もしくは狭い場所での戦闘では小銃より取り回しがしやすく、有用な兵器です。)


「何がです? 対処できるなら問題無いのでは?」


「ルーナ、地上戦の経験は?」


「いえ、ありません。 軍に居た時は哨戒機のオペレーターでしたから・・・」


「そうか、簡単に言うとレーザー系のエネルギー兵器を地上で使うと、大気が邪魔をして威力は下がるし射程も短い。 それでも威力を上げようとすると大型化するしかなく、携帯火器と言うにはデカすぎるし、エネルギーカートリッジ1つあたりの発射弾数も少ない。 特に雨が降ったら殆ど使い物にならないしな。」


「えぇ~ ダメダメじゃないですか。 そうだ、7.62ミリ小銃や12.7ミリ重機関銃ならどうですかね、威力も上がるしいけるのでは?」


「私もそう思うが・・・ 無いんだ。 持ってきていない。」


「ええ~ 何でですか? 標準的な装備なんじゃないですか?」


「船の貨物スペースには限りがある。 弾のサイズが小さいほうが数を多く運べるからね。 基地の防御機関砲も20ミリや30ミリよりも小さい15ミリ砲だろ?」


「言われてみれば・・・ 戦闘ボットも大型の物は少ししか持ってきてないですしね。」


「そうなんだよ。 大型戦闘ボットならジェネレーター出力にも余裕があるし、レーザー兵器も大型の物が標準装備なのでとても有用なのだが・・・ 予備機を入れても5機しかないんだよ・・・」


「それは・・・ 確かに困りましたね。」


「だろう? それに今後、大型の敵性生物が出て来るかもだし、もしワイバーンやドラゴンが居たらどうする。 そうなったら基地の15ミリ機関砲じゃ豆鉄砲と変わらん。 125ミリ戦車砲クラスの大口径砲が必要だ。」


「そうなると、無理してでも資源を採取して現地で大砲と弾を生産するしかないですかね? でも相手が大きければレールガンが有効なのでは?」


「しかし、それが本当に有効なのか判断が難しい。 この船が戦艦だったら軌道上から重レーザー砲を打ち込むことも出来たのだが、元輸送艦のこの船には防御用の小型レーザー砲しかないしな・・・ 安全面を考えたら1度本国に戻って増援を出してもらうのが良いとは思うんだが・・・」


「ええ~ それは止めましょうよ。 おいしい所全部持って行かれちゃいます。」


「仕方がない。 やれる事からやるとするか・・・」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ