ブラックの極意
翌日、綿子は脱退の旨を伝え無事に受理された。
その足でトガニーの元に向かったのである。
「こんにちはトガニーさん
来たよ!」
「おー綿子
わいも「キッチントガニー」開店したで
仲間に声かけたらついてきてくれるって言われて嬉しかったわ」
連合立ち上げも上手くいき上機嫌なトガニー。
外見こそ普通の建物だが、中にはテーブルが並べられており、奥にはキッチンらしい空間が見えている。
「それでここのルールってあるの?」
「特にないで
わい、そういうの面倒やから作ってないねん
そうだ、仲間紹介するわ
今いるのは「芋煮える」って言ってホール担当や。」
「初めまして。大天使の芋煮えるです
よろしくお願いします」
「初めまして。渡辺綿子です
好きな食べ物は角煮です」
今までにない常識溢れる自己紹介を終えた二人。
「芋煮えるさんはホール担当なんですか?」
「いいえ。私は大天使です」
しかし、ここでも話が噛み合わない。
綿子はいつも通りに話を進める。
「ほえー
芋煮えるさんって普段何してるんですか?」
「ここの食材は私のものです
許可なく食べたら許しませんよ」
「ほえー」
ここでトガニーが割って入る。
「芋ちゃんには働いてもらう代わりに賄い出してるんよ
ここでは基本アメは自分で稼ぎながら給料は賄いのみやで」
案外ブラックである。
「私はどこを担当なんですか?」
「綿子はわいが経営してた豚を狩って持ってきてほしいんよ
食材はいくらあってもたりひんからな
代わりに上手い飯ご馳走したる」
「アメじゃないんですか!?」
「せやで?
持ってきた材料はパワーアップ出来る食材なんや。
誰も見向きはしなかったが、アメ稼げへん初心者にはオススメやで?」
「そうなんだ!角煮も作ってくれる!?」
「レシピ分かればなぁ
綿子は知ってるレシピ教えてくれたら、わいの財布からアメだすからたくさん教えてや」
「うひょー!
たくさん教えます!約束ですよ!?」
「ちょっと待ってください
料理長、私にはアメくれないんですか?」
「芋ちゃんは賄いとつまみ食いしてるでしょ!
つまみ食い止めたらアメちゃんあげるからやめてくれる?」
「私の生き甲斐奪うなんて・・・鬼畜です」
不貞腐れる大天使。
こうして綿子はキッチントガニーと契約を結ぶのであった。




