愛を育む巣の中で
綿子が触手と遊んでる間に伯爵は別の触手を相手にしていた。
「いくら切っても埒があきませんわ・・・!」
次々と襲いかかってくる触手を切り捨てているが一向に終わる気配がない。
(甘く見てましたわ・・・!
あの気色悪い本体に届かないことには終わらないですわね)
そこで伯爵は賭けにでた。
持ってる剣を触手本体に向け投げて殺そうとしたのだった。
だが、触手は読んでいたかのように綿子を盾にして剣を払いおとしたのである。
「あぎゃっ・・・!」
気色悪い触手と気色悪い声。
幸運なことに連れてきたロコが綿子を守ったのである。
日頃愛でてた賜物である。
「なっ・・・裏切ったのですか生け贄ぇぇぇぇ!」
動けない綿子が裏切れる要素がないのは分かっていても最後の手段を封じられた伯爵は悲鳴のよう叫ぶのである。
チャンスの後にピンチあり。
邪魔が入ったことで動きを止めた伯爵は触手に絡めとられてしまった。
「イノチ・・・クリたん?クリたんんんんんん!」
「ひぇっ・・・お、お待ちなさい!子爵!」
触手が伯爵に触れたことで子爵だった頃の僅かな記憶が蘇ってしまった。
「ぐふふ
クリたんは俺の嫁。クリたんは俺の・・・嫁!」
興奮する触手が伯爵の元に集まってきた。
同時に綿子は解放されていた。
相手にされないかのように投げ捨てられ放置されたのである。
ピンチの後にチャンスあり。
(これはチャンス!
逃げなきゃ・・・!)
食べられる直前だった綿子は伯爵を犠牲にして全力で洞窟から逃げ出したのである。
ぼっちの皮をかぶったぼっち連合に着いた綿子は奥田・K・ブルーレットに伯爵が宝石を持ち逃げして行方をくらましたこと。
洞窟では危険な触手がいるので近付かない方が良いと言うことを伝え、難を逃れ伯爵に責任を押し付けたのである。
当然ブルーレッドは怒り狂ったが、綿子は報告だけしてそそくさと立ち去るのであった。
(外のクエストはやっぱり危険だから街の中でこなそう・・・)
・・・そう心に誓ったのである。




