第72話 三十利用を決めても、朝の列まで増やさないでください
第三便所。
第一週。
通常運用。
30利用で。
新しい通常外部受付は終了。
そのルールを。
町の人も。
覚え始めました。
そして翌朝。
今度は。
開く前から。
人が並びました。
「昨日、30利用で終わったって聞いた」
第三便所。
朝。
外部利用開始。
まだ。
少し前。
入口。
六人。
もう。
待っている。
◇
「だから早く来た」
先頭。
荷運び人。
その後ろ。
市場仕事の男。
職人。
旅人。
女。
若い使い走り。
◇
オグ。
入口を見る。
「まだ6時前だぞ」
「分かってる」
「じゃあ何で並ぶ」
「昨日みたいに終わったら困るからだ」
◇
直人。
列を見る。
30利用。
新規外部受付を。
止める。
そのルール。
利用数を。
消した。
わけではない。
◇
遅く来れば。
使えないかもしれない。
なら。
早く来る。
当然。
だった。
◇
その時。
宿の扉。
開く。
大きな荷物。
持った。
宿泊客。
二人。
出てくる。
「すみません」
列。
入口前。
少し。
詰まる。
◇
宿泊客。
荷物。
持ち替える。
「通れないんだが」
「あ」
外部利用者。
慌てて。
避ける。
◇
今度は。
宿へ入ろうとした。
朝の納品人。
列。
回り込む。
◇
オグ。
額。
押さえる。
「便所の列で宿の入口塞いでどうする」
◇
直人は。
すぐ。
人数を減らそうとは。
言わなかった。
まず。
何が起きたか。
整理。
◇
外部利用。
開始前。
六人。
第三便所。
入口前へ。
集中。
理由。
前日の。
30利用到達。
受付終了。
◇
フィル。
記録。
第三日朝。
外部利用開始前待機――6人。
宿入口通行阻害あり。
◇
「番号札を配る?」
オグが言う。
「早い奴から一番、二番って」
直人。
首を振る。
「今はやりません」
「何で?」
「開く前に札を配ったら」
列。
見る。
「明日は、もっと早く来ます」
◇
今日。
6時前。
明日。
もっと前。
その次。
さらに。
前。
◇
早く来た人が。
有利になる仕組みを。
強くすれば。
列。
前へ。
伸びる。
◇
「じゃあ早く開ける?」
オグ。
「それも同じです」
「なんで」
「早く開けば、次はその時間より前に来ます」
◇
利用開始。
6時。
そこ。
動かさない。
◇
ただ。
待つ場所。
変える。
◇
「ロッカ」
「呼んだ?」
朝。
点検に来ていた。
ロッカ。
入口。
見る。
「なるほど」
◇
「入口を空けたいです」
「どこまで?」
「宿へ入る人と出る人が、荷物を持って通れる幅」
◇
ロッカ。
地面。
見る。
入口。
右。
壁沿い。
空き。
ある。
◇
短い。
木杭。
二本。
細い縄。
一本。
◇
入口。
真正面。
ではなく。
横。
待機位置。
作る。
◇
先頭。
便所扉から。
少し。
離す。
宿入口。
完全に。
空ける。
◇
「ここから並んでください」
オグ。
六人。
移動。
◇
荷運び人。
「順番は変わらない?」
「変えません」
オグ。
「今並んでた順で」
◇
列。
横へ。
ずれる。
宿泊客。
通れる。
納品。
通れる。
◇
直人。
「もう一つ」
フィル。
「何です?」
「この列は、通常外部利用だけです」
◇
宿泊客。
酒場利用客。
緊急利用。
同じ列へ。
並ばせない。
◇
昨日まで。
決めた。
通常優先。
緊急時。
別ルール。
そこ。
変えない。
◇
フィル。
札。
書く。
外部通常利用 待機位置
その下。
宿泊客・酒場利用客・緊急利用は管理者へ
◇
先頭の男。
「俺たちが先に並んでても、宿の客は先?」
「通常時のルール通りです」
男。
少し。
不満そう。
「それじゃ並んでる意味が」
「外部利用者同士の順番は守ります」
◇
そこ。
分ける。
外部利用者。
一番。
二番。
三番。
その順。
勝手に。
崩さない。
でも。
宿泊客。
酒場客。
緊急。
別。
◇
6時。
オグ。
札。
表。
利用できます。
◇
外部利用。
一利用目。
先頭。
小銅貨。
一枚。
入る。
◇
二利用目。
三利用目。
◇
列。
まだ。
三人。
◇
その時。
宿泊客。
一人。
階段。
降りてくる。
「使える?」
「はい」
◇
外部列。
二番目だった男。
見る。
でも。
昨日。
入口札。
読んでいる。
「宿の客が先なんだろ」
「通常時は」
オグ。
「分かってる」
◇
宿泊客。
利用。
◇
その後。
外部列。
続き。
◇
フィル。
記録。
総利用。
4利用。
外部。
3利用。
宿泊。
1利用。
◇
列。
減る。
と思った。
◇
でも。
新しい人。
二人。
来る。
◇
さらに。
一人。
◇
オグ。
「減らないぞ」
◇
直人。
列。
見る。
原因。
30利用。
だけではない。
◇
朝。
市場。
開く前。
職人。
仕事へ。
入る前。
荷運び。
始まる前。
人が。
動く時間。
◇
もともと。
朝。
需要。
ある。
そこへ。
昨日の。
受付終了。
情報。
重なった。
◇
「第二便所は?」
直人が聞く。
フィル。
「確認します」
◇
使い。
走る。
少しして。
戻る。
◇
第二便所――通常利用可。
◇
第三便所。
待機。
現在。
六人。
◇
「第二便所、今使えます」
オグが。
列へ。
声をかける。
「急ぐ人は、そっちも空いてるぞ」
◇
一人。
「料金は?」
「第二便所の通常料金です」
「ここと同じ?」
「同じじゃない」
◇
男。
少し。
迷う。
「じゃあ待つ」
◇
別。
若い職人。
「俺は仕事あるから行く」
列。
抜ける。
◇
直人。
ここ。
見る。
第二便所。
空いている。
でも。
全員。
移る。
わけではない。
◇
近さ。
料金。
道。
慣れ。
人。
それぞれ。
◇
「案内だけにします」
フィル。
「はい」
「強制で第二便所へ回さない」
「はい」
◇
第三便所。
使える。
なら。
代替。
ではない。
第二便所は。
別の。
通常施設。
◇
朝。
八利用。
九利用。
十利用。
◇
待機列。
最大。
七人。
◇
宿入口。
通行。
問題なし。
緊急利用。
なし。
割り込み。
なし。
◇
でも。
フィル。
記録板。
見る。
「朝だけで10利用です」
オグ。
「昨日より早い」
◇
30利用。
受付終了。
その数字。
変えていない。
◇
だから。
このまま。
利用速度。
続けば。
昼。
早い時間。
30利用。
届く。
可能性。
◇
「上限を増やす?」
オグ。
「まだです」
「昨日36利用まで使えたぞ」
「36利用できたことと」
直人。
「今日、通常外部受付を増やしていいことは別です」
◇
昨日。
30利用以降。
宿泊客。
酒場客。
緊急利用。
続いた。
警戒線。
未到達。
◇
でも。
一日。
だけ。
◇
清掃負担。
汲み取り周期。
朝への集中。
まだ。
見始めた。
ばかり。
◇
「第一週」
直人。
「まだ三日目です」
◇
数字。
動かす。
より。
まず。
何が起きるか。
見る。
◇
昼前。
18利用。
◇
昨日と。
違う。
朝。
多い。
◇
20利用。
近い。
フィル。
回収槽。
準備。
◇
二十利用目。
外部利用者。
利用。
◇
「20利用」
◇
中間確認。
回収槽。
水位。
余裕。
接続。
異常なし。
通気口。
異常なし。
◇
20利用――継続可。
◇
オグ。
「じゃああと10利用」
「通常外部受付については」
◇
そこへ。
宿泊客。
二人。
続けて。
利用。
◇
総利用。
22利用。
◇
外部利用。
まだ。
20未満。
◇
オグ。
「あ」
「どうしました?」
「外の人があと10人使えるわけじゃない」
「そうです」
◇
30利用。
数えるのは。
当日の。
総利用。
◇
宿泊客。
酒場客。
外部利用者。
全部。
含む。
◇
オグ。
「朝並んだ奴ら」
列。
見る。
「外部だけで30利用できると思ってないか?」
◇
直人。
止まる。
◇
入口札。
第一週は、当日の総利用が30利用に達した時点で新規外部受付を終了します。
◇
書いてある。
でも。
毎回。
そこまで。
読むとは。
限らない。
◇
列。
最後。
男。
「今日はあと何人?」
オグ。
答えようとして。
止まる。
◇
「何人とは言えない」
「なんで?」
「宿の客も使うから」
「じゃあ並んでても、30になったら終わり?」
◇
空気。
変わる。
◇
待っている。
外部利用者。
四人。
◇
総利用。
22利用。
あと。
8利用。
◇
でも。
その8利用。
全部。
外部利用。
とは。
限らない。
◇
「そういうことです」
直人が答える。
◇
列。
ざわつく。
「じゃあ朝から並んでも使えないことあるのか」
「あります」
「それ先に言ってくれ」
◇
直人。
入口札を見る。
書いてある。
でも。
伝わっていない。
◇
書いた。
と。
伝わった。
違う。
◇
昨日。
残り水。
案内。
同じ。
経験。
ある。
◇
「札、直します」
◇
フィル。
新しい。
短い札。
◇
外部利用の受付数は固定ではありません。
宿泊客・酒場客を含む総利用30で、通常外部受付を終了します。
◇
オグ。
「これなら?」
列の男。
読む。
「……分かった」
「待つ?」
「俺は待つ」
別の男。
「第二便所行く」
◇
自分で。
選ぶ。
◇
午後。
総利用。
24。
25。
26。
◇
酒場。
昼客。
二人。
◇
28利用。
◇
外部待機。
三人。
◇
フィル。
「あと2利用です」
◇
その時。
宿泊客。
一人。
便所へ。
◇
29利用。
◇
外部待機。
三人。
◇
先頭。
入る。
◇
30利用目。
◇
ごう。
◇
扉。
開く。
◇
フィル。
線。
引く。
30利用。
◇
オグ。
入口札。
切り替える。
本日の通常外部受付は終了しました。
緊急の場合は管理者へ。
◇
残った。
外部利用者。
二人。
◇
一人。
顔。
曇る。
「朝から並んでたわけじゃないけど……」
もう一人。
札を見る。
「第二便所は?」
「通常利用できます」
◇
二人。
そちらへ。
向かう。
◇
揉めない。
◇
朝。
説明。
変えた。
それだけ。
でも。
違う。
◇
夕方。
宿泊客。
酒場客。
利用。
続く。
◇
総利用。
35利用。
◇
設備。
異常なし。
警戒線。
未到達。
◇
フィル。
第三日。
日報。
◇
開場前待機――6人。
最大待機――7人。
宿入口通行阻害――初動時あり、待機位置変更後なし。
20利用時中間確認――継続可。
30利用時――新規通常外部受付終了。
最終総利用――35利用。
設備異常――0。
◇
その下。
追加。
◇
30利用制限により、外部利用の朝集中傾向あり。
◇
オグ。
「30利用、失敗?」
「まだです」
「朝並んだぞ」
「それは問題です」
「じゃあ失敗だろ」
◇
直人。
首。
振る。
「負荷を抑える目的は果たしています」
「でも列ができた」
「はい」
◇
一つ。
守れば。
別のところへ。
負担。
動く。
◇
利用数を。
抑えた。
結果。
待つ時間。
朝。
増えた。
◇
「だから」
直人。
日報を見る。
「一週間分を見て決めます」
◇
「30利用を増やすか?」
「それも」
「時間を変える?」
「それも」
「第二便所へもっと流す?」
「それも候補です」
◇
でも。
まだ。
三日。
◇
決めない。
◇
翌朝。
第三便所。
外。
◇
待っている人。
昨日。
六人。
◇
今日。
四人。
◇
オグ。
「減った」
◇
そのうち。
一人。
言う。
「第二便所の方が朝は空いてるって聞いた」
◇
人。
自分で。
動き始めている。
◇
直人。
少し。
安心。
◇
その時。
フィル。
第二便所から。
歩いてくる。
顔。
少し。
難しい。
「直人さん」
「どうしました?」
◇
「第二便所」
一拍。
「昨日、いつもより清掃水がかなり増えています」
◇
第三便所。
列。
減った。
◇
でも。
人が。
消えた。
わけではない。
◇
負担。
今度は。
第二便所へ。
動き始めていた。
30利用の受付制限を知った外部利用者が、今度は朝へ集中しました。
そこで今回は、
開場時間を早めない
開場前の番号札を配らない
宿入口を塞がない待機位置を作る
という形で、早朝化をさらに促さない運用にしています。
また、30利用は外部利用だけの30ではなく、宿泊客・酒場客を含めた当日の総利用です。
この点が利用者へ十分伝わっていなかったため、
外部利用の受付数は固定ではない
ことも入口で明示しました。
第三便所の列は少し落ち着き始めました。
ただし、その利用者が消えたわけではありません。
次は、第三便所の負担を抑えた結果、第二便所側で増え始めた清掃水と利用負荷を確認します。




