第二十五撃
二人の間を何人もの人が通り過ぎてゆく。おそらく五人ほど通り過ぎたあたりで友麻は、
「あのな、ごめ……」
「あらかじめ言っておくけど」
スージーがさえぎった。
「わたしは言葉なんかで都合良く心動かされる人間じゃない」
こちらを睨みつつしかしながら髪の毛をせわしなくいじっている。言っているその間にもくちびるがわずかに震えていたのが見て取れた。
(無理をさせているのはあたしのせいか)
いまにも泣き出しそうなのは怒るという行為自体がストレスなのだろう。そうさせてしまったことに責任を感じてしまうが、たやすく謝罪を受け入れてもらえる雰囲気ではない。
さらに目の前を三人ほど通り過ぎた。二人の間に関係性を見出したらしく通るのをためらった人間も何人か見た。
「じゃあ」
ゆっくりと口を開いた。
「どうすれば許してもらえるんだ」
責めるような口調になってしまったのは、追いつめられているような気にさせられたからだろうか。言葉にしてから後悔する。
スージーは口の端をひきつらせて、
「この場で裸になってよ。
そしたら、許してあげる」
言われ、ジャージのジッパーを下ろした。
ジャージの上を脱いで片手に持ち、ジャージの下に手をかける。
「やめてっ!」
距離を詰めてスージーが飛びついてきた。周囲の人々が何事かと思ったのか振り向いてくる。
「わたしのこと友達じゃないっていってるくせに、どうしてそんなことができるのっ?
それとも、いやがらせなの!」
半泣きで肩を掴んで揺さぶってくる。
「そんなこと、あたしにもわかんねえ……、わかんねえよ」
自身にもその感情が理解できなかったが、なぜかためらわずごく自然に脱ぐ決断ができたのである。




