3対3
しばしの休戦期間。
俺は両軍の承諾を得て集まってもらった。
「今回は戦いの新しいルールを提案しに来た」
「ほう」
「今までにないやり方ですかな?」
俺は紙を広げ、わかりやすい様に説明する。
「各軍、5人選抜してもらって、3対3のバトルをする。そして多く生き残った方の勝ちだ」
「ほう、面白いですな」
「これはヨーイチさんのいた世界のルールで?」
「あぁ、そうだ。魔法で範囲を決めて、敵を探し出して倒す。サバイバルと戦いを混ぜたようなもんだ」
「神の仰せのままに」
「同じく」
その瞬間、会議室が淡く光る。
「神様からお許しがでた、ってことでいいのかな?」
「そのようで」
「では、次回の開戦予定日に、早速やりましょう。参加者は誰でも?」
「もちろん。その選抜からもうすでに戦いは始まってるんだ」
二人とも少し楽しげな顔をしている。
初めての試みだろうからな。
その後、戦闘機や広範囲魔法の使用が可能なのか、など細かいルールを決めて解散となった。
「という訳で、新ルールで戦争をすることになった」
「神からのお許しが出たのですね」
「あぁ、俺もセテウスもヘルメスも確認したよ」
「じゃあ、早速選抜しましょうよ!」
「戦力的には俺、イースティア、ウェスティアさん、ヒミカ、ハヤテの五人で大丈夫だ。問題は相性だな」
俺は誰とやっても勝てる自身がある。
イースティア、ウェスティアさんは空を飛べないから、機動力が下がる。殲滅戦では負けないだろうが、サバイバルとなると弱いかも知れない。
一対一に持ち込めれば、負けはないだろう。
ヒミカとハヤテは地上でも十分な機動力を確保でる。サバイバルとも相性は悪くない。
ただ、ヒミカはアーマーを着ているため電撃に弱く、ハヤテは悪魔族なため、破邪の魔法や聖素には弱い。
他の援軍は一切ない。
決められた範囲内のどこに敵がいて、どこでバトルしてるかも分からない。
引き分けで終わる可能性もあるわけだ。
期間は一試合一ヶ月。
「よく俺を選んでくれたな、ヨウ!」
「わたしも、嬉しいです!」
ハヤテもヒミカもやる気満々だ。
「よし、全員揃ったな」
作戦会議だ!
「恐らくヘルメス王は出てこないわ」
と、シェルティ。この前も一騎駆けしていたし、てっきり出てくるものかと。
「ヘルメスが単騎で出ているのは、味方を鼓舞するため。本人の戦闘力は大したことないわ」
「そうなると、騎士団長かの。奴は肉体のみでマギロスの一個師団と対等にわかりあった猛者じゃ。セテウスともほぼ互角と言って良い」
アレグリアも間に入ってくる。
「そんな奴がいたのか……」
「そうすると一番厄介なのが出たきそうですね」
「厄介な奴?」
「マギロス王、デウスじゃ」
「!」
その存在をすっかり忘れていた。
まさに魔王じゃん!
「こればかりはヨーイチに任せるしかないわね」
「しかし、対戦相手もランダムで決められるんだ。最悪、弱い相手に俺が当たる可能性もある」
「……。なんでそんなルールにしたのよ」
「そうしないと、公平じゃないだろ?」
多分そうしないと神様からお許しが出ないと思うしね。
「取り敢えず一週間後に、選抜メンバーを含めて、三国で顔合わせだ。よろしく頼むよ」
後日。
顔合わせの日には、見慣れない顔ばかりがそろったが、知った顔は二人。
デウス王とセテウスだ。
ヘルメスはやはり参加しないらしく、今回は引率という形で5人のメンバーを連れて来ていた。
「お久しぶりですな、ヨーイチ殿」
「お久しぶり。できればこんな所で会いたくは無かったな」
なんてったって敵の総大将だからな。
普段は温厚で紳士的だが、その戦い方は正に魔王と言ったものらしい。
「はて、うちの息子と娘が見えないようですが、いかがなさいました?」
もちろんカオスちゃんとヴァルスのことだ。
「今は猛特訓中でして……」
「なるほど、なるほど」
どこに行ったかまでは聞いてこない。
目星は付いているのだろう。
「では顔合わせと行きますか」
竜魔人連合国は、俺、イースティア、ウェスティアさん、ヒミカ、ハヤテの5人
マギロスからは、デウス王、セテウス、副団長のモンタナ、左舷隊長のソロモン、右舷隊長のマーシャル。
ヒュムロスからは、団長のタナトス、副団長のシステマ、殿隊長のハーケン、千人隊長のカタール、切り込み隊長のガシン。
この中からランダムで三人が選ばれ、決められたエリアで戦い、最後まで立っていた者の勝ちだ。
「じゃあ、メンバーを決めるぞ」
公平を期したクジで決める。
と、その時。ソネットがつぶやく。
「クジでは、我が軍は不利です」
ソネットの言った事は嘘になる。
我が軍が不利、が嘘になるということは、このくじ引きでは俺たちの軍の有利になる。
使い方は難しいが、正しく使えば勝てない戦も勝てるようになる。
よし、これで一番相性の良い相手と戦えるはずだ。




