聖竜も?
聖竜もパワーアップすることができるのか?
それを検証するために、ウェスティアさんとアレグリアを連れて、イースティアの所にやってきた。
「聖竜に試練与えるなんて初めてや。上手くいくん?」
「やってみなけりゃ分からない」
「行き当たりばったりやなぁ。まあええわウチの力が必要なら、いくらでも付き合うで」
イースティアの腹に3人で寝転んで、ウェスティアさんの夢の中へと入っていく。
「ここは……。宇宙空間?」
「はい。私たち聖竜と4精霊、それにこの星の神様が作り上げたのです」
なるほど。まだ星を作る前ということか。
「ここから、星を作るには、大神様の許可が必要なのですが、その試練がまず、大神様と戦い、一定の戦果をあげることでした」
人の姿をしたウェスティアさんもいく分か若い。
それはイースティアにもいえた。
「ここに星を作りたいとな? どのような星を作りたいのだ? 人も魔物も、平和に暮らせる星を目指します」
「まぁ、難しいのは分かっとるわ。でも、この星雲にはそういう星はない。だからやりがいがあるんや」
そこからは地獄のようだった。
まずは大神の眷属と戦うことから始まった。
まだ生まれたばかりのウェスティアさんやイースティア、神様は大変な苦戦を強いられる。
それでも徐々に力をつけて、眷属は撃退することができた。
次に本命の大神だ。
「ワシに少しでもダメージを与えることができたら、お主らに星を作る権利を与えよう」
大神は動かない。
ウェスティアさんたちは渾身の攻撃を繰り出すが、本当にダメージを与えられない。
そして、大神の腕一振りで全員が吹き飛び、大怪我を負わされる。
それが癒えたら、修行をしてまた挑む。
神と2人の聖竜と、4精霊。俺が知るコイツラはとんでもない力を有している。
なのに毛ほどの傷も与えられない。
そしてさらに事態は悪化する。
バトルで生じた次元の裂け目から、悪魔が飛び出してきた。
大神相手でも手に余るのに、悪魔とも戦わなければならない。
でも、その代わり着実に力を付けていった。
悪魔を全て片付ける頃には、大幅に強くなっていた。
そしてついに大神にダメージを与えることができた。
「よくぞやってのけた」
つけられたのは、頬にかすめた一撃だけ。ほんの少し地が滲んだ程度。
それでも大神は満足気だった。
「ここに、星を作ることを許そう。しかし、生半なものではないと知れ」
「はい」
ウェスティアさんたちは、星雲から塵を集めて星の核を作っていく。
それは途方もない作業で、100年ちかくかかった。
そしてその星で暮らし始めた神と2人の聖竜と4精霊。
少しずつ木々や海ができてくる。
生き物も増えていき、人間や魔物が生まれた。
これで仲良く暮らして行ってくれる。
そう思った矢先、人間と魔物、魔族が戦争を始めた。
種族同士の戦いは熾烈を極め、どちらも絶滅寸前にまで減ってしまった。
だからこそ、聖竜2人はこの世界に干渉することにした。
セントラル大陸でのみ、しかも無理に死者を出さないことをルールにして、それを破るものには、大きな罰が与えられ、人も魔族もそれを順守した。
そのルールを守らせるため、神はこの星で人柱?(神柱?)
人や魔族に試練を与え、大神に頼み込んで、力のある異世界人を送って貰って、戦争を終わらせるよう頼んだ。
それでも戦争は終わらない。
「そんな事を何百年も続けて来ました。そこにヨーイチさんとシェルティさんが来てくれたんです」
何百年いや、星作りから考えると何千年もこんなことを繰り返していたのか。
「申し訳ないが、これのどこに試練を挟む余地があるんだ?」
「もし、聖竜としての力が強ければ、今までの異世界人でこの世界が救われていたのかも知れぬ」
なるほど。聖竜として力不足だった訳だ。
「なら、なぜ聖竜界のもっとつよいりゅうに頼まなかったんだ?」
聖竜界にはウェスティアさん、イースティアより強い竜は沢山いた。
「それは、教えるのに不向きだったからです。力は強くても、試練を与えることに関しては私たち2人が適任でした」
「そうか、そういう理由があったのか」
「今の私なら、昔の戦争なら終わらせることができると思います」
そして過去の、まだルールすら定められていなかった世界に介入する。
その時はまだ神として世界を司っていた神と、イースティアの力も借りて、最強の戦士を作り上げた。
「この戦士なら……!」
今までの戦士とは実力が違っていた。
そしてついに、世界に平和をもたらした。
「私にもっと力があれば、こんな簡単に戦争を終わらせることができたなんて……」
しかも今まではイースティアとは共闘してこなかった。
それが世界を救うことができなかった理由だったのかも知れない。
「ウェスティアよ、ワシの力をお主に託そう」
その時、神がウェスティアに触れる。
「こ、これは……」
ウェスティアさんと神が触れ合った瞬間、その力がウェスティアさんに注がれるのがわかった。
「私の力が大幅に上昇したのがわかりました。これなら、みんなの力をもっと引き上げる試練を与えることができると思います」
もちろん、聖竜として戦争に参加した際にも戦力として大いに活躍してくれるだろう。
「ふむ。案外簡単じゃったの」
あの光景を見て簡単だと。アレグリアは一体何者なんだ……?
「では戻るかのう」
こうして、俺たちはウェスティアさんの夢から出ることにした。
それからというもの、試練の質は上がり、さらに個々としての能力は上がっていった。
「連携も取れるようになって、さらに皆が強くなって、いいこと尽くめだな」
「次はウチの番や!」
イースティアも試練受けたいって言ってたな。
「アレグリア、またお願いできるか?」
「疲れるから連続してやりたくはないが、仕方なかろう。ウェスティアの所にいくぞ」
こうしてイースティアと3人でウェスティアさんの所へ向かうのだった。




