表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一見無能ですが、実は最強なんです  作者: 葛葉龍玄


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/43

新しい仲間

 頭領の足元で大爆発を起こした水の鞭と爆発の魔石。

「やったか!?」

「……。危ねえなぁ」

 頭領はどこから取り出したのか、人型のロボットのようなものに乗っていた。

「おれが人間相手にパーワードアーマーまで出す羽目になるとはな」

 ダメだ、このままでは勝てない。

 他の盗賊たちもパーワードアーマーに乗り込み、応戦していた。

 まともに戦えているのはカオスちゃんくらいだ。

 ウェスティアさんとシェルティがなんとか二人がかりで踏ん張っている。

 ヤバいぞ。

 ってか、なんでこんなすごい盗賊団が一人の少女を攫ったんだ!?

「もうやけだ!」

 精霊の力を理由もわからず、適当に乱発する。

 すると。

 巨大な積乱雲が発生し、雷がなる。

 風で上昇した水分が、上空で雲となり、小さな土の粒がこすれ合い静電気を発生させ、偶然にも雷を生成したのだ。

「これ、やばくね?」

「みんな、こっちに集まって!」

 シェルティに呼ばれて、仲間がみんな集まってくる。

 カオスちゃんとシェルティで協力な結界を張った次の瞬間、雷が落ちた。

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 パーワードアーマーといえど、所詮は機械。

 電気には弱いだろう。

 あちこちで悲鳴があがる。

 しばらくして、空が晴れた後、声は聞こえなくなっていた。

「し、死ぬかと思った……」

 これで完全に沈黙したみたいだ。

 その間に全員素っ裸にして、無害化する。

「デモンズ、町の警備隊の所に行って、全員しょっ引くように、誰か派遣するようお願いして」 

 収納石に納めたまま、忘れてたな。

 戦力になるし、出しときゃよかった。

「ちっ、オレかよ。まぁ、逆らえないから行くけどな」

 こうしてデモンズに援軍は任せて、俺たちはさらわれた少女を探す。

 一番奥の牢屋に少女はいた。

「大丈夫か?」 

「あなた達は?」

「助けに来た」

「でも盗賊団は相当強くて……!」

「全員倒したよ。安心して」

「すごい……」

 いや、扱いきれなくて、精霊たちを暴走させただけなんだけどな。

「俺たちは一応、国の警備隊が来るまでここにいなきゃいけない。先に帰るか?」

「そう、ですね。先に帰ります。ただ、用事が終わったらうちに来てくださいね! 必ずお礼しますから!」

「わかった。楽しみにさせてもらうよ」

 俺たちは別れてから、警備隊が来るまで盗賊団を見張り続けた。

「でもなんでこんな奴らがあんなすごい装備持ってたのかしら?」

 シェルティの疑問ももっともだ。

 こんな大規模な盗賊になるまで、なぜ国として排除しなかったのか。

「考えてもわかりませんね。パーワードスーツにパーワードアーマー。一介の盗賊が持っている戦力ではありません」

「でも実際に持ってたろ? しかも、そんな装備持っておきながら、やることが少女一人誘拐するだけだ。もしかしたら、あの娘になにか秘密があるのかもしれない」

「僕もそう思うなぁ。なんとなく、気品と気質もったかんじがしたよ」

 気品と気質ね……。曖昧でよくわからないけど、王族であるカオスちゃんしか感じられないなにか特別なものがあるのかも知れない。

「お待たせしました! 盗賊はどこですか!?」

 現れたのは、パーワードアーマーに乗った6人の警備隊らしき人たち。

「ここで伸びてるよ」

 警備隊たちは、押収した装備を確認して、感嘆の声をあげる。

「こんな型見たことないぞ」

「既存のパーツを使ってここまで、高出力を出せるなんて……」

「一体誰が作ったんだ?」

「そんなこと言ったら、これらのパーツを用意したのは誰だ? 新旧織り交ぜて、矛盾がないように仕上げるなんて、神業だ」

 あのパーワードアーマーは相当すごい魔改造品だったらしい。

「ってことは、もしかしたら、あの女の子が?」

「まぁ、そのために攫われた、とか考えるならありそうね」

 俺たちは警備隊たちに後を任せると、急いで宿場町に戻った。

 

「お帰りなさい!」

 先程の少女と、その家族らしき人たちが出迎えてくれる。

「たくさん料理を用意しました! ぜひご堪能ください!」

 この宿場町の頭取だという一家は、少女を救い出した俺たちを英雄のように扱う。

「所で、あのパーワードスーツやアーマーのことなんだけと……」

 俺がいうと、周囲の空気が一変した。

「あれは……」

 党首である老婆が言い淀む。

「いや、わかってる。この子は、さらわれて無理やりパーワードスーツやアーマーを作らされてたんだろ? そのことについてとやかく言うつもりはないよ。命の危機だからね」

 それを聞いた一同は安心したように胸をなで下ろした。

「もう一つ気になったのが、そのパーツをどこから仕入れてきて、どうやって改造したか、なんだ」

 再び沈黙が降りる。

「それは私の口から……」

 少女が口を開く。

 なんでも、少女はこの宿場町のご令嬢として育ち、商人として相当の目利きの修行を積んだらしい。

 どんな細かな傷やマイナスポイントも見逃さず、安値で買い取る。

 逆に、良いものは値を吊り上げて高値で売る。

 これが、カオスちゃんの言っていた気品だろう。

 それだけに留まらず、パーワードスーツやアーマーを改造、新築するのも得意らしく、独特のセンスで一昔前のパーツを用いても、新作のパーワードアーマーにも負けないアイテムを作り出していたらしい。

 コレがカオスちゃんが言っていた気質。職人気質のことだろう。

「そこまでお見通しとは恐れ入りました」

「だからと言って俺たちは、彼女をどうこうするつもりはない。盗賊に無理やりやらされて、従わなければ殺されてたかもしれないんだ」

「でも、私は数少ない情報で、その結論に達したあなた達に感服しました」

 少女は深々と頭を下げる。

 俺はこの時に決めた。

 この少女は、これからの旅に必ず役に立つと。

「コレを見て欲しい」

 俺は巨大なメタルブラストの宝石を見せた。

「これは……っ!」

 都会の宝石商でも、10万レギオンと言われたこの宝石。

「君ならいくらで売れる?」

「10万レギオンなんてもったいない! 50万レギオンで売れます!」

「逆にこの宝石を買い取る(・・・・)としたら、いくらで買い取る?」

「私の限界としては5万レギオンです。少し宝石に陰りがあるのと、採掘した際に傷ついた箇所が数点見当たるからです」

「それなのに50万レギオンで売れる理由は?」

「販売ルートです。いい方は悪いですが、大きさだけ見て、宝石の質まで見る人はなかなかいません。特に貴族などには。そう言った販売ルートを開拓すれば、50万レギオンはくだりません」

 なるほど。やはり俺の思った通りだ。

 彼女は素晴らしい商才の持ち主だ。

 この力は後々役にたつ。

「ちなみに、あの盗賊団が、その丈に見合わない装備をしていたことに関しては?」

「……。すみません。命が惜しく、安いパーツを買い、それを私が改造して新たに組み合わせました」

「しょうがない。俺でもそうしてた」

 ほっ、と胸をなで下ろす少女。

「ところで、コレだけの功績残した俺たちにたいする褒賞はコレだけか?」

 強気にでる。なんとしても欲しい。

「他に何をお望みですか?」

「君に俺たちの仲間になって欲しい」

「……。わかりました。仲間になります! 私の名前はヒミカ。よろしくお願いします!」

 お、意外とすんなりいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ