クエストなのか?
「いやぁ、見事だったな! まさかあんな方法で竜倒すなんて、オレには思いつかないぜ!」
バンバンと俺の肩を叩くハヤテ
「だから、たまたまだって」
俺は笑って答えるが、ハヤテたち3人はそれを謙遜だと思っていた。
「なんか、こうして話してると、ヨウさんがリーダーなの、わかる気がします!」
ハーピーのエリシアがそういう。まぁ、言われて嫌な気はしないどころか、素直に嬉しい。
「ヨウさんはたまに凄いことをするのです。デウス王にも勝ちましたし」
「はっ!? 魔王デウスにか!?」
なぜか誇らしげなウェスティアさん
「そうだよ! 王も正々堂々と戦って負けたって言ってたよ」
「はぁ、凄いなぁ……」
「いや、俺の与えたダメージなんて一瞬で回復してたし、そのまま続けてたら負けてたよ」
「ヨウさんは自己肯定感が低いんですかね?」
とハンナさん。いや、運よく大ダメージを与えられただけで、実力ではないのが事実だ。
「いや、みなさんのおかげでなんとかなりました。しかも淺竜とはいえ竜。その爪や角はかなり高値で取引されているのです」
じゃあ、ということで俺たちは手分けして、高値になる部位を解体し始めた。
かなりの量になったが、馬車は吸い込むように収納していく。
「私の持ってるなんでも入る冒険者御用達の袋のもっと大きいバージョンですね」
ウェスティアさんが教えてくれる。
「なるほど。これも魔法だったのか……」
ドラ◯エとかだとなんの説明もないまま、初期に持っていたから、その類だと思っていた。
「少しスピードをあげますね」
行者はそう言って馬に鞭を入れる。
早ければ明日の昼にはモノリスの町に着くらしい。
その前に他のメンバーと合流できればいいな、くらいらしい。
こうして淺竜の肉を食べながら、野営をすることになった。
「おぉ! 結構賑わってるな」
モノリスの町はかなり大都市だった。
南には港町と主要な穀倉地帯、畑が連なり、魔都から南の町や村々を潤しているらしい。
そして、その港町と魔都を繋ぐ窓口的な役割を果たしているのが、モノリスの町だ。
「商隊の隊長の所へ行きましょう。あなた方にはぜひお礼がしたい」
行者の一人が申し出た。
「もちろん、ハヤテ様たちも」
「オレたちもいいのか? 倒したのはヨウだぜ?」
「ハヤテが目を潰してくれたからこそ、あの作戦が功を奏したんだ。立派な功績者だろ」
こうして2つのパーティーは商隊長の所へ行くことになった。
「おぉ、あなた方が最後尾を護衛し、淺竜すら倒してくれたという方々ですな!」
歓待を受けた俺たちは、少しいい気分になる。
その日は淺竜の肉でわ全商隊が集まって大宴会が繰り広げられた。
翌日。
ハヤテたちはまだ他のクエストがあるらしく、ここでお別れになった。
「オレはヨウたちが気に入った。なにかあったら力になるから、ぜひ声をかけてくれ」
「わかった。頼らせてもらうよ」
そう言って握手を交わし、俺たちは別れた。
なんとなくまた会えそうな気がした。
「俺たちもギルドに行くか」
ギルドに向かうと、クエストは一つしか残ってなかった。
「あらら」
シェルティが声をあげる。
「この町くらいデカいとクエストも豊富だが、それ以上に冒険者が多いんだ。いいクエストが欲しいなら、朝早くから来るこったな」
マジかぁ。
しかも残ったクエストがペット探しとか……。
「お兄ちゃん、このクエスト受けよう」
カオスちゃんが真顔でそんな事を言った。
「なんで? こんなんやっても経験にならないだろ?」
「依頼主が、モノリスの町周辺を取り仕切る領主なんだー。顔つなぎするに越したことはないよ!」
とカオスちゃんは真顔でいう。
「確かに、この方は私を熱心に信仰してくださって、聖地に巡礼してくれたこともあります」
ウェスティアさんまで。
「お目が高いな。メルビン伯爵の事を詳しく知ってる冒険者なんざ、一握りだぜ。大体貴族とかお偉いさんに知られてるからな」
ということは、知る人ぞ知る、ということなのだろう。
「じゃあ、このクエストを受けるよ」
「あいよ。メルビン伯爵には話を通しとくから、直接邸宅に向かってくれ」
メルビン伯爵かぁ。どんな人なんだろうか。
「結構民に慕われてる、名主だよ」
カオスちゃんが答えてくれる。心でも読めるのか?
ちょっと怖い。
「ヨーイチの場合顔に出るからね」
またも笑いながら人の方をバシバシ叩くシェルティ。
「そういえば、爆熱の魔法石って、どうすれば回復するんだ?」
「鎧の胸のスロットにハメておけば回復しますよ。セントライドは常に魔力を帯びる性質があるので」
すごいな。
あの爆熱呪文が使い放題か。
頼もしい魔石と共に、メルビン伯爵の家へ向かった。




