22・すれ違いとニアミス
「元のように仲良くは出来ないの?」
もう種族特性だと解ったのだし、今なら仲良く出来るのではないかと思う。
「無理! トリスティの話をするだけで鳥肌と震えが止まらないから!」
あー、トリスティの隠密性は凄いよね、僕も何処に居るのかわからない。
見られてるとは思うんだけど、視線すらも隠そうと思えば隠せてしまえるみたいだし……。
「ヴェルドがつれなくするから悪い」
ステファニーは食後のお茶を優雅に飲んでいる。
ステファニーはトリスティ擁護派のようだ。
「は、初めはそうだったかも知れないけど、い、今は………純粋に怖い。
後、エルフってだけで無性に腹が立つ」
まだ成長期の事根にもってるじゃん。
トリスティは斜め後ろの席から食事をしつつ3人の会話を聞いていた。
(私の話をしてる…、アイザック君に手紙を頼んで良かった。
ヴェルドは恥ずかしがり屋なんだから、だからソッと見守っててあげるの。
私ももうじゃれついてる子供じゃない、出来れば彼女としてヴェルドの友達に紹介してほしいな、……なーんて、手紙で要求してしまった。
ちょっと大胆だったかな? 恥ずかしい!)
トリスティは一人の世界に浸って身悶えているが、ヴェルドもアディーもステファニーも誰も彼女には気付いていない。
恐るべき気配遮断能力。
そしてトリスティの中ではヴェルドといい感じに付き合っている事になっている。
ステファニーはトリスティがヴェルドを異性として好きな事を知っている。
邪険にされてもめげずに何とか出来ないか頑張って迷走した挙げ句に今の状態になった事も…。
また、ヴェルドが身長が伸びなくて悩んでいた事も、成長期の悔しさからかエルフという種族特性に苛立ちをぶつけている事も知っている。
2人の雇用主の娘として一線を置かれてた寂しさも、幼さ故にすれ違う2人の仲を取り持つ事が出来なかった事も苦い思いだった。
だが、学園の中なら何か出来るかも知れないと思っている。
2人の友として肩を並べられれば良いと思う。




