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23・やっぱり巻き込まれる

「アイザック・ワーグナーとは君だな?」


 授業を終えて教本をかたしていると見知らぬ男子生徒から声をかけられた。


「ええ、僕ですが何かご用ですか?」


「僕の名はケイン・アストリタン。 Bクラスの薬学専攻生だ! 君は最近トリスティ嬢と仲が良いらしいな?」


 仲が良いと言うほど会ってはいないのだけど…、どう答えたものだろう?

 ヴェルド宛の手紙を一回託されただけなのに…。


「トリスティさんには手紙を…」


「“さん”!!? 手紙ぃ!!?」


 おっと、こちらの返事を食いぎみに反応してきた。

 さん呼びはNGなのか?


「えーと、トリスティ…嬢? から友人宛の手紙を一回託されただけなのですが……」


「“さん”呼びだとっ!! あのトリスティ嬢とそんなに親密な関係なのか? というか手紙だとっ! トリスティ嬢はアイザック・ワーグナーの事がす……、いやこの先は怖くて言えん。 しかしここ数日トリスティ嬢がアイザック・ワーグナーを熱い眼差しで見つめていたのは掴んでいる、まさか…いや、そんな……、だが………」


「あれー? 聞いてます?

 僕の話聞いてますかー? おーーーい」


 熱い眼差しって、ここ数日のイラッとする観察されていた視線ですよね。

 何か可笑しな思考のループに陥ってるっぽいぞ、まだ帰って来なそうなので教本の整理をして帰り支度を再開するか。


「……………」


 帰り支度は直ぐに終わってしまった。

 ケインはまだ思考のループから帰ってこない、放置して帰宅したら駄目なんだろうか?


「……………………」


 うーん、今日の夕飯は何だろう? 早く帰りたいなー。


「アイザック・ワーグナー! トリスティ嬢をかけて僕と決闘しろ!!」


 再起動したと思ったら、ズビシ!っと僕を指差してキメ顔のケイン。


「ええぇぇぇーーーーー!!」


 何がどうしてそうなった!

 僕にメリットがない!

 トリスティさんをかける意味がわからない!


 ヴェルドー、ヴェールドー!!

 とばっちりですよ、君のとばっちりですよー!!

 って、もう帰ってしまって居ないんだけどね。

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