20・ストーカー
昼休憩に入った時、また視線を感じた。
手紙を渡したか気になったのかな?
索敵魔法で周囲を探るも何処に居るのか分からなかった。
隠匿の魔法でも使っているのだろうか?
キョロキョロと周囲を探っているとヴェルドがガタガタ震えて袖を掴んできた。
「居るの? 居るんだろ?」
「多分? 視線を感じるんだけど何処からかはわからないんだよね」
「アディーだけに視線とか、前より上達してやがる」
おっと、ヴェルドにしては乱暴な言葉が漏れている。
何時もぽやぽやした感じでおっとり気味なヴェルドなのに新たな一面だ。
怯えてるヴェルドに水を渡して席に残し、僕とステファニーでバイキング形式の昼食をトレイに乗せていく。
スティラに鶏が居るのかわからないけど鳥肉と言ったら鴨肉を指している。
メインの肉は豚肉ではなく羊肉、牛乳ではなくヤギの乳といった感じだ。
野生の大きい猪、ビックボアならいるが食用にするには狂暴なので牧畜には的さない。
牛も同じでビックホーンという角が太くて長い狂暴なものがいる、これから乳を取るなんて自殺行為だ。
サラダと鴨のロースト、羊肉の薄塩スープ、パンとヤギのミルクを持ってヴェルドの待つ席に戻った。
「ヴェルドも同じで大丈夫だよね? 落ち着いた?」
「有り難う、アディー。 多分、大丈夫?」
「ヴェルド、怯えすぎだ。 トーリィは昔のように仲良くしたいだけだと思うぞ?」
ビクビクしていたヴェルドに肩を竦めてステファニーが言う、ステファニーの言い方だとトリスティって子は悪い子では無いっぽい?
昔ヴェルドと何かあったのかな?
「僕が聞いてもいいのかな? トリスティって子はヴェルドと喧嘩でもしたの?」
「いや……、一方的にヴェルドが悪い」
ステファニーがバッサリとヴェルドに非があると言いきった。
「どういうこと?」
「それはな、ヴェルドがドワーフという種族特性で背があまり伸びないのと、トーリィ…、トリスティがハーフエルフだというのに関係がある」
なんと、トリスティさんはハーフエルフだった。
地球で読んだファンタジー物でドワーフとエルフが仲が悪いとあったがそういうことなのかな?




