14・森での迷子
「あ、これアーロだ」
アーロは肉厚の葉を半分にするとネバッとした粘着性がある。
粘着力のある方を傷に貼ると地球で言う絆創膏みたいな役割をしてくれる葉だ。
長い物は包帯の変わりにもなる。
採取用の短剣でアーロを半分に割り、浅い擦り傷に貼る。
ちょっと染みるけど我慢だ。
「結構落ちたなぁ~。 こういう時、動かないのがいいんだけど、それは安全な地球での話だしなぁ」
そう、落ちたんだ。
木の上の宿り木の枝を切り落としてる時に眩暈の様に視界がブラックアウトして気が付いたら仰向けに倒れていた。
しかし不思議な事に崖っぽい場所が無く、周囲を見渡しても樹ばっかりなんだよね、僕何処から落ちたんだろう?
ステファニーやヴェルド、ナタリーやサーシャは何処に居るのかな?
「うーん、此処に長く居ると良くない気がする」
大分離れているが大きな動物の気配が複数する。
それに何処かに身体が引かれてる気がする、フワッとした言い方だけど、こう、引っ張られてる感じ?
「行った方がいいのかな?」
一応、予備にアーロを切ってマジックバッグに入れておく。
マジックバッグにはお昼ご飯、備えの軽食、水蜥蜴の皮で作られた水筒、回復薬の丸薬が2つ、小瓶に入った魔法回復薬が2つ、両刃のショートソードが一本、予備の短剣が1つ、今入れたアーロで全部だ。
学園の課外授業だからそんなに物が入ってないんだよね。
1日、2日位なら何とか出来るな。
…あ、コルンの実見つけた。 地球で言うリンゴだがスティラの野生のは酸味が強くて少し渋い。
今後食べ物が見つかるか分からないから少し取っていこう。
採取用のナイフをしまい、ショートソードを腰に履いて引かれる方に歩いて行く。
妖怪アンテナでもあるのかな、なんだろうこのチリチリした静電気みたいな感じ。 呼ばれているような気がする。
索敵魔法を使いつつ慎重に進む。
途中で獣の気配が近付いてきたので樹に登ってやり過ごす。
気配を消して樹の幹に張り付いてると大きな牙を持つ猪、ビックボアがのっしのっしと下を通って行った。
戦わないよ? だって、一人で無双とか無理だもん。 魔力量多くてもまだ11歳だよ、仲間を呼ばれたり違う獣が来たら詰むじゃない。 無理無理無理。
どうしたら皆と合流できるかな、捜しているよね。




