表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/65

Episode:43

 で、抜いた情報を頼りに個人の端末までたどってみると、それなり当たりだった。

 網は張ったまま、この魔視鏡の中を漁る。


「……これはいける、かな?」

 思わず独り言。魔視鏡の中に、このテロ集団に関係する会話の記録が、ごっそり残ってる。

 ほんとにそのままで何の細工もされてないから、速攻で解析してみた。

 って……。


 この魔視鏡の持ち主は、大したことない。

 でも交信相手のひとり、マニアなんだろうか? ともかくかなりの情報通だ。

 危機感も何もない持ち主だから、記録から即座に、事情通の魔視鏡が特定できた。

 即刻ターゲットを変えて、通信網の海から探しだす。上手い具合に、接続中だ。


「ふふん、それなり頑張ってるんだ? でもこれじゃまだまだ甘いね」

 思わず魔視鏡に突っ込み入れたりして。

 この新しいターゲット、いろいろ気は遣っているけど、まだまだ。この程度の防御じゃ上級者にかかったら、簡単に中へもぐりこまれる。

 ボクもまぁ、軍に潜り込む程度の技術はあったりするから、あっさり命令権をゲットした。


「♪♪♪〜」

 市販製の防護壁なんてあっという間、ハミングしながらこの魔視鏡の中身を見ていく。

 結果は大当たり。

 会話記録に、まとめてみたらしい日程、さらに主要人物らしい名前まで残ってる。


――せめて消しとこうね。ヤバいことしてるんだから。


 とりあえずそれっぽいのをこっちへ写して、接続切ってから、中身を見てみることにする。

「うーん、これ売ったら儲かるかな〜。あ、違った。『白い森』探すんだった」

 とりあえず記録の中をざっと検索して、分類してみる。

 無関係のものも紛れ込んでいてちょっとめんどくさかったけれど、どうにか関係するものを抜き出した。


「けっこう緻密だなぁ……あれ?」

 一つのファイルを開いたところで、思わず手が止まる。

「ロデスティオ……?」

 慌ててこのキーワードで再検索してみた。ピックアップされた記録を片っ端からあたっていく。


 結果は――これもありがち。

 ようはクーデターを起こそうとしているこのグループと、ロデスティオとが組んだらしい。

 で、彼らがアヴァン国内で事件を起して注意を引き付けている間に、ロデスティオ軍があの難所の谷を超えて、侵攻しようってことだった。


――それで「殿下?」とやらを。

 こうなると、あんまり時間がなさそうだ。

 もう一回通信網に接続して、こんどはロデスティオ軍の魔視鏡をあたってみる。


「あ〜、もうちょっと、ちょくちょく来とくんだった!」

 去年シュマーの一件が片付いて以来、前みたいに遊びに来なくなってたのが災いしてる。

 あたりまえだけど他国へ侵攻しようっていうんだから、それなりに作戦としては大掛かり。それに気づかなかったのは、完全に怠慢ってやつ。


 腹いせに軍の内部をあちこち渡り歩いてみて、だいたいのところを手に入れた。

 ふぅん、なるほどね……。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ