挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
力の行方 ルーフェイア・シリーズ08 作者:こっこ

Chapter:04 策略

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

38/65

Episode:38

「さぁ、会場へ戻りましょう。案内しますよ」
 ほぼ間違いないと見て、ドレスの裾に手をかける。
「うわ、先輩いきなり、何してんです!」
 後輩が悲鳴に近い声をあげた。

「丸見えですよ!」
「――?」

 ドレスの下、太腿につけておいた短剣を取ろうと裾をたくしあげただけなのに、何を騒いでいるのか分からない。それとも、隠しておいた短剣が丸見えになったのが、悪かったのだろうか?
 なぜか男たちも、動きが止まって隙だらけだった。
 その男たちに、問いかける。

「アヴァンの紋章は?」
「え? 猛き火竜がどうかしましたか?」
 後輩たちにも緊張が走った。

 さっきの問いは、合言葉だ。警備役は「青い竜」と答えることになっているが、何も知らない潜入者なら、正直に実際の紋章を答えてしまう。アヴァンの紋章が広く知られているのを、逆手に取った方法だ
 そしてこの男たちは今、本当の紋章のほうを答えた。

「さぁ、そんなオモチャはこちらへ。危ないですよ」
 まだ分かっていない男たちに、切りかかる。
「エレニア、シーモア、殿下を!」
「はい!」
 二人が駆け出し、男たちが舌打ちしたその時。

「――伏せろっ!」
 爆発音に、とっさにそう叫んだ。私以下全員が大地へと伏せる。
 轟音があたりを揺るがし、爆風が身体の上を駆け抜けて行く。
 木々の葉がざわつき、ちぎれて宙に舞った。

「全員、無事か?」
 おさまったところですぐに起き上がり、確認する。
「はい、大丈夫です」
 言葉どおり、幸い誰にも怪我はなかった。庭園の割と奥、木立のほうまで来ていたのがよかったらしい。

「捕虜を取りそこなったな……」
 辺りを見回して、その言葉が口を突いた。
 最初からタイミングが分かっていたのだろう、男たちは逃げ出したあとだ。そして私が切りつけた相手は、殺されていた。

「ナティエス、報告を頼む。他は私と来てくれ。殿下が心配だ」
「はい!」
 後輩たちの返事を背に、庭園の奥へと走り出す。ミルの姿が見えないのが気がかりだったが、とりあえず後回しだろう。
 その行く手、木立の間から、突然光が射した。

「魔法?」
 閃く稲妻に、エレニアがいぶかしげな声を出す。
「ルーフェイアだろう、行くぞ」
 侵入者がこんな目立つことを、するわけはない。だとすれば戦闘になったか、あの子が合図で放ったかだ。

 だが私たちが現場につくよりも早く、嫌な音が聞こえてきた。
 かすかだったが間違いない。車の駆動音だ。
――間に合わなかったか。
 背筋を冷たいものが伝う。




Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ