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永遠の約束 永遠の旅 -とわのやくそく とわのたび-  作者: 風翔 響
第1部:エレメンタニア
71/109

6-13

 その後、門の前に全員が立つと門がゆっくりと開いて行き、人が通れる程のスペースまで開くと止まった。アイリス達は荷物を引きずりながら門を通り、通った後の門がしまったのを確認してから屋敷の玄関前に立っていた侍女達の案内のもと、屋敷へと入って行こうとしたところで一瞬、引きずられていた荷物が眩い光を放った。そして、スカートの裾を気にしながら立ち上がった少女は辺りを見渡した。


「へぇ~。門の中ってこんな感じなんだぁ~」

『だね~。中と和が混ざって、本当にファンタジーって感じだね』

「「・・・・・・」」

「なっ、お前はいったい!?」


 ギーベストと侍女達は周一と呼ばれていた荷物が突如見知らぬ黒髪ロングの少女のリンネへと変化した事に驚きを隠せず咄嗟に距離をとって警戒をする。

 リンネを知っている2人はどういう反応をしていいか困ってしまった結果、無言・無表情になっている。


「えっ、私?私はリンネだよ?」

「誰だっ!!?」

「あー、うん。そうなるかな。ギーベストさん。この人、シュウイチさんだよ」

「はぁ!?いや、あいつは男」

「その・・・説明するの面倒なんで男にも女にもなれるって考えといてくれればいいかなって」

「そうですね。ただ、話をするならこっちの方がしやすいと思いますよ」


 遠い目をしながらギーベストに言う2人。


「言っている意味が解らんが・・・はっ!それがシューイチの能力なのか!?」

「だから私はリンネだって」

『リンリン。ややこしくなるからここは黙ってよーよ』

「えー、だってぇ~」

「それで、なんでリンネになったのかな?」


『「・・・それ、聞いちゃうの?」』

「「えっ?」」


 理解できてない2人に、ため息を吐く2人。


「イリス」

『はーい』


 返事をしたイリスは別ウィンドウを表示した。そこには周一モデルの服を着たマネキンが映し出され、そしてある一点を拡大させる。それは下半身の股関部分。そしてその棒と玉2つを簡易表記したモデルを出した後、それらを爆発させた。

 それを見たギーベストは無意識にそっと股間を押さえていた。


「ねっ」

「「ごめんなさい」」


 これが理由だよと言っているような笑顔に2人はすぐに謝った。




 そしてしばらくの間、幻想的だった外観と同様に綺麗な通路を歩いて行くと先行していた侍女達が足を止め、そして手を側の部屋の戸へと差し伸ばした。


「こちらで陛下がお待ちです。くれぐれもご無礼の無い様、お願い致します」


 くれぐれも?

 その言葉に何か意味があるのかと思った。だがその答えはなんとなくでわかった。案内が終わった侍女達はすぐにその場を後に、というよりもこの場から離れるように去って行き、戸の反対側を見ると玄関で見た綺麗な庭の光景とは全く逆。塀や庭の所々にヒビや凹みがあった。

 つまりは陛下の機嫌を損ねればあの爪痕を直にくらう事になると言う訳だ。


「シューイチ。一応俺からも言っておくが、陛下の前では言葉には気をつけろよ」

「私そんなに馬鹿じゃないから1度言われれば解るって。それと、私はリン・・・」

『ギャッ!!』


 戸を開けると何かがリンネの側を横切り、庭の方で爆発の様な音と衝撃と風がリンネ達の背中に当たる。


「よう、人間の男。さっきはよくもこの私を馬鹿にしてくれ・・って誰だっ!?」

「あ、ああっ・・・イリスうううううっ!!」

『『リ、リンリン。ワタシ、イマノデコワレチャッタヨ』』

「えっ?あ、あれ?えっ!?」


 慌て泣き崩れたリンネの側にはウィンドウと共に縦に真っ二つになったイリスの姿があった。その所為か雑音と混じる声が二重に聞こえる。部屋の奥で王座っている耳長の小さき少女は見知らぬ少女が泣き崩れている光景に戸惑いを隠せない。


「そ、そんなっ!?ウソでしょ・・・」

『『アイリス。ワタシダッテコウナッチャッタラ、ネ?』』

「い、いや・・・駄目だよイリス!死んじゃ駄目っ!!」

『『ソンナ・・ムリイワナイデ』』

「えっ?何この状況、私が悪いの?ねぇ?ねぇっ!?」


 泣きそうになっているアイリスとクーラを見て、焦りだした耳長少女は両隣にいる側使いの長身と低身の侍女2人に交互に聞いている。


「アイリス。起こってしまった事は取り返しが付かないんだよ」

「そんな・・・いつもみたいに・・・うっ・・」

「アイリス・・・」

「あわ、あわわわわわっ・・・・」


 お通夜モードの雰囲気に耳長少女はどう声をかけていいか戸惑っている。


「だから・・・」

『『ソウ、ダカラ』』

「うん」


「「「えっ?」」」


「「『『早く、お話しよう』』」ティーテ様っ」


 そして、ケロッと表情と感情が元通りになった少女達に茶番だと気付かなかった者達の声が屋敷に響いたのは言うまでもない。

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