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永遠の約束 永遠の旅 -とわのやくそく とわのたび-  作者: 風翔 響
第1部:エレメンタニア
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6-10

 土の国フォレフォスの中央。ゲームで言う世界樹とでも呼ばれてそうな程、途轍もないデカさの大樹。それを覆うように屋敷が建っているのか、それとも屋敷をあの大樹が貫いているのか。下からでは検討が突かなかった。


「近くで見るとまたすげーでけーな」


 周一がそんな感想を思わずこぼすとギーベストが「当然だ」と応えた。


「あれは世界樹フォレス。この国が出来る前からあり、我が国の守り神。あの樹があるからこそ我々は安心して暮らせるのだ」


 マジで世界樹だった。


『・・・ねぇ。あれってもしかしてさっきの壁にあった樹と同じ樹なの?』


 イリスがそんな事を口にする。おいおい。そんなファンタジーじみた事が


「そうだよっ。良く解ったねイリス」


 その問いに答えたアイリス。・・・おいおい。マジでファンタジーかよ。


「だけどそれだけじゃないんだよ。ティーテ様はあの樹を使って国のみんなの声を聞けるんだよ。声まで出せるのはさっき知ったけどね」

「はっはっは。それが出来るのは陛下ぐらいだ。我々がフォレスで伝えられるのは信号だけだ。問題が発生したときの緊急の知らせぐらいしか出来ない」

「もしかしてあの時触れていたのは・・・」

「ああ。見ていたのか。そうだ。あれでお前達が来た事を陛下に伝えたのだ。場合によってはすぐに対応してもためにもな」


 クーラの問いに感心したかのような顔をして答えるギーベスト。


「にしても・・・門まで立派なことで」

「当たり前だ。陛下の住む屋敷が平凡ではナメられてしまうからな」


 門の前に着いたが特に門番なども存在せず、ただご立派な塀と門が佇んでいた。


『どうやって入るの?』

「そりゃ声かけて開けてもらうしかないんじゃないのか。あれみたいに」


 周一の言うアレ。それは門の前で今にも何かをやらかしそうな雰囲気の人物達。人間が3人立っていた。


「おいっ!この門を開けろ!!お前のとこの亜人共が俺達に武器を作る気は無いとかほざきやがったぞ!!」

「そうだそうだっ!こっちは金をしっかり払う用意が出来てる客だ。礼儀良く対応しやがれっ!!」

「そうよ!人間差別なんかしてるんじゃないわよ!第一、私達は関係ないじゃない!!それをしたやつらが悪いんでしょ!!」


 そんなクレーマーに近い喋りをする連中。


「・・・あいつら。あれほど騒ぎを起こすなと」


 ギーベストはあの人間達に見覚えがあるのか険しい顔をした。険しい理由も理解できる。何故なら人間達のクレームの声に街の人々が注目し、とばっちりが来ないかと警戒心を高めていたからだ。


「ギーベスト」

「・・・なんだ」

「俺は俺に関係ない面倒事が嫌いでね。だから俺はそのまま無視して屋敷に入ってもいいと思ってる」

「なに?」


 人でなしとも言える発言にギーベストの機嫌が更に悪くなる。そしてその発言には問題しかない事にアイリスとクーラも思わず周一に振り向いてしまう。だがそんなことは気にせず話を続ける周一。


「だから、俺に何とかして欲しいなら俺に依頼しろ」

「依頼だと?」

「ああ。俺は誰かの利益とか世界のためだとか、そういうのは興味も無い。どんな奴だって最後は結果しか見ない。結果が悪ければその課程が原因だと文句を言い、良い結果が残せても他に影響が出てしまえばまたその課程に文句を言う。なんでもっとこうしなかったのか。予測が出来ただろ。とか言ってな」

「・・・・・・」

「だから、俺に手にして欲しい結果を依頼しろ。その内容が俺に出来る内容ならそれ相応の対価で引き受ける。無理な内容や依頼するのが嫌ならお前達で解決しろよ。だって俺達にはそもそも関係の無いトラブルだ」

「シュウイチさん・・・」

「・・・でしたら何であの時港区にいたのですか?」


 クーラに疑問が過ぎった。確かに、関係ないのであればあの時あの場に周一はいないはず。なのにあの炎の街中、港区の人々を助けに駆け回っていた。明らかに発言に矛盾がある。


「飯を食わせて貰った恩。って言えばヒーローみたいな平凡な答えだろうが。理由はマリーとの約束を守るためってだけだ」

「約束?」

「ああ。あいつの店にまた来てと言われてたからな。あいつの両親にもな」

「・・・それだけですか?」

『ますたーは冗談以外じゃ絶対に嘘はつかないよ。だってそれが私との約束だから』


 クーラの問いかけにイリスが割って入る。それに誰もが板状の少女に目を向ける。


「お前は俺にヘーキで嘘つくけどな」

『ふっふーん。それは女の子の特権なんですっ』

「さいですか」

『さいなのです』


 そんなやり取りで笑みを見せる2人。


「・・・ってことでどーすんだ?ギーベスト」

「・・・奴らの取り押えが出来るのなら頼みたい。だが血を流すのは駄目だ。外でなら問題ないが内側でそれをやると街の連中に人間は殺してもいいと心の何処かで思わせることになる。だが、本当に出来るのか?」

「内容次第だって言ったろ・・・にしても血は無しねぇ。ってかそもそもこの国のルールをいまいち把握してないんだが」

「あっ、ごめん。言ってなかったね」


 アイリスが思い出したかのように謝った。

 そして3人から簡単に聞いた人間に対するこの国のルールは3つ。


 1つは、国内の武具の所持を禁止。この理由は聞かなくても解る。ただ、俺とアイリスは剣を能力っぽい力で隠し持っている訳なのだが・・・。これは黙ってれば大丈夫か?


 2つは、魔法・能力の使用禁止。やむ終えない自己防衛の場合は例外らしいが血が駄目って言われたから現状、護身術程度でしか抑える方法がない。


 3つは、フォレフォスの住人に対して迷惑行為・暴言・暴行をしない。・・・つまりあいつらが今犯しているルール違反という訳だ。


 これらを犯せば強制国外追放。再度の入国を一切禁ずるとの事。


「なるほどな。んで報酬は?」

「すぐには思いつかん。後でもいいか?」

『もぉ~仕方ないなぁ~。今回はイリスちゃんサービスでタダって事にしてあげる』

「イリス・・・報酬があるから依頼に対してやる気が出るんだぞ」

『ポーション10個と数百ギルしか貰えなかったあのクエストにますたーはやる気が出てたの?』

「うっ・・・」


 確かに。それあれば依頼人のお前でも十分出来ただろと言いたくなったあの面倒なクエストにはイラッとさせられた覚えがある。


「ったく、わーったよ。ギーベスト。イリスに感謝しろよな」


 周一はそう言って、不貞腐れながら門前の人間達の所まで向かって行った。

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