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土の国フォレフォス。そこは土壁で覆われた島国。土壁の外にあるのは水の国イシュエールとの交易の為の船着場と国内に入るための関所のような大きな門があるだけだ。
「ん?何だあれは・・・こっちに向かってくるぞっ!!?」
耳長の美男子が海の向こう、その上空にある緑色の光に気付いてもう1人の小さき門番に注意を促す。
「ん?あれは・・・前にも似たような事があったな」
そう言いながら小さき門番は持っていた杖を向かって来る緑色の玉に備えて構え、黄色の魔方陣を展開する。
「【アースウォール】!」
小さき門番が唱えた魔法に応え、向かってくる緑の玉の前に分厚い土壁が出来上がってゆく。そして土壁が完成すると同時に緑の玉が土壁に衝突した。だが、見た目程の威力は無かった。緑の玉は衝突した途端破裂するように辺りに強風が吹いただけに終わり、分厚い土壁に傷1つ付ける事は無かった。
「ふぎゃっ!?」
「ふぐぅっ!?」
「あべしっ!!?」
そしてその後、2人の若き女の声と少し遅れて男の声が聞こえた。その声を確認するため、小さき門番は分厚い土壁を消す。するとそこには絡み合って地面に倒れている少女2人と少し離れた場所で倒れいる青年がいた。
「・・・やはり貴女でしたか。アイリス様」
「あ、あはは。お久しぶりです、ギーベストさん」
クーラと絡み合った状態で挨拶を交わすアイリス。声をかけたギーベストと呼ばれた小さき門番は頭を抱えながらため息を大きく吐いた。
「そちらの・・・人間達は?」
ギーベストがアイリスに聞こうとする前に耳長美男子の門番が斧を構えて周一に近付こうとしていたのを手で遮る様に止め、確認をする。
「あ、えーっと」
『あああああああああああああああああああああああっっ!!?』
アイリスが説明をしようとした途端に周一の方から少女の声が響く。
『何やってんのますたあ!!?あれ見てよっ!!どう見てもラッキースケベのチャンスだったでしょっ!?』
「いやなあ?あのありえない衝撃に耐えるだけでも結構精一杯だったんだぞ。そんな状況に陥れるのなんてラノベ主人公ぐらいだろ」
『リンリンだったら?』
「はっ!?三つど萌えっ!?」
『うん。漢字も意味も違うけどね。言いたい事は解るよ』
美少女3人がパンツが見えるか見えないかぐらいの際どい絡みで倒れている姿を想像した周一は握り拳を作り、地面に叩きつける。
「クソッ!!何故そうなると予測できなかった!?予測出来ていれば男達の為の夢のタペストリー化待った無しだったというのにっ!!」
『えっ?そこまで想像してたの?さ、さっすがぁ・・・』
「おいそこ。引いてんじゃねえ・・ん?がはっ!?」
そんなやり取りをしている間にアイリスとクーラは立ち上がり、身だしなみを整え、魔力を込めた拳を作りながら周一に近付き、その拳を同時に振り下ろした。
「ふうっ。さあ、ギーベストさん。静かにさせたので、ゆっくり話せる場所に移しましょうっ」
「あ、ああ。だがその男は」
「「移しましょうっ」」
「・・・解りました」
少女達の笑顔に気圧されたギーベストは耳長美男子の門番に先に行ってこの事を伝える様にと相槌をして行かせる。そしてギーベストが先行するその後を追う様にアイリスとクーラは反応が亡くなっている男の足を片足ずつ持って引きずって行った。




