4-11
風の精霊シルフィーの神殿から神殿内の転移陣を使って城に戻ってからしばらくして、ブリズ城にある浴槽に浸かる3人の裸体の姿。それに宙に浮かぶモニターに映る恥部を謎の湯気によって隠された銀髪少女の姿。
「まったく、何故こっちの風呂なのだ」
不満げな言葉を口にする魔王ルシファー。
「俺的には美少女の裸が拝めるならどんな風呂でもいいが、ヴァンは?」
「い、いや。私は・・・」
それに話を合わせる周一。そして股間を手で隠しながら必死に目を逸らし続けるヴァン。
『まあまあ。公衆で混浴はさすがにね。周りに迷惑が掛かっちゃうのは避けなきゃ。それに面倒事を持って来られたらますたー、嫌でしょ?』
「まぁ~なぁ~」
天井を見上げながらイリスに応える周一。その声は中々に気持ち良さそうだった。
「それにしてもお前達は恥ずかしがらないのだな」
『ん?私はコレだから姿は作った物だし、恥ずかしいって程ではないんだよ』
「んじゃ、その湯気を消しても問題無いな」
『それとこれとは話が別なんだよますたー』
少し頬を膨らました顔で言うイリス。そしてイリスの画面に注意書きのテロップで【有料版による湯気除去はありません】と出ていた。それはあんまりだと思う。
「ちっ。俺等の事をそうは言うが」
『あ!今舌打ちしたっ!』
「ルシファーだってそうだろ?普通はヴァンみたいに隠さないか?」
「ふん。隠していない奴に言われたくは無いがな」
「いや、お前もだろ」
そう。恥部を隠したがるのは当然と思う行動。実際ヴァンはそうして股間を手で隠している。イリスは謎の湯気によって隠されている。だが周一とルシファーはノーガード。完全に晒していた。
「でも髪でガードするのは反則じゃね?ってかその髪どうなってんの?」
豊満な魔王の胸に乗っている物。何故か都合よく乳首に覆いかぶさるように貼りついた髪の毛。見事に隠されている。
「ふふん。我は魔王ぞ。このくらい出来て当然だろう」
なにその魔王特権。
「ほう?それは男として放置できない案件だな?」
「なんだ?そんなに見たいのか?」
ムッツリ童貞共が一斉に立ち上がって「はいっ」と元気よく答えそうな問いだ。
「いいや、触りたい」
その答えにヴァンが驚いたのか少し跳ねた様な水の音が聞こえた。
「プッ!ハーハッハッハ!!面白い。この魔王に対して触りたいなどとぬかすとは。良いだろう。その度胸に免じて触らせてやろうではないか」
予想外の答えに大笑いするルシファー。
「言ったな?つまり俺が触るのを止めるまで触り続けるが良いんだな?」
「ああ。そう言うのであれば我もお前のソレを触らせて貰うが?無論同じ条件でな」
なん・・・だとっ!?
周一は視線をルシファーが指さした自分の股間に向ける。現在やる気50%と言った所。これを触り続けると言ったのか、この魔王。で、できるっ!
「くっ・・・良いだろう」
周一は浸かっていた浴槽から体を起して立ち上がりながら言う。
「ふっ。後で悶えても知らんぞ?」
ルシファーも立ち上がり互いに向かい合うように立つ。その立ち姿はわりとセクシーだ。
「それはお前の方かもな」
そんな脅しに屈しずに言い返すやる気70%の仁王立ちの周一。
そして謎のオーラ(たぶん魔力のようなもの)が互いに出始めるとそれが湯に触れている足を伝い、浴槽の湯に大きな波を起こさせる。そんな一触即発の中、その波を背中で受け続けるヴァン。どうやらルシファーが立ち上がったためか咄嗟に2人に背を向けた様だ。そしてイリスは・・・赤いランプが点いたビデオカメラを構えて興奮していた。
「いざっ!」
「尋常にっ!!」
「「勝負っ!!!」」
「なっ、何してるのっ!!?」
バッと両者が見えない速度で動いた瞬間、浴場の入り口から美遊の声が聞こえた。その声に両者とも動きを止めて声の方へと視線を向ける。
「「な、ななななななっっ!!?!?」」
3人の顔が真っ赤になって困惑している様だ。
「「・・・・・・。」」
現状を整理しよう。今、俺とルシファーは互いのブツを触り合うための戦いをするところだった所をバスタオルを巻いた美少女達の目撃によって止められてしまった。そして何と言ってもこの止められた状況がマズイ。俺の右手はルシファーの豊満な胸にを掴み、ルシファーの右手は俺のアレをしっかりと握っている。こんな状態ではもう他に言う事は無いだろう。
周一とルシファーは現状の把握に3秒程かかり、互いに頷いて答えに辿りついた。そして両者共に右手に触れたブツをゆっくり離す。
「「いや、それはダメだろう」」
そして両者共に離した手をそのまま美少女達に向けて指さしてそう言った。
「「「こっちのセリフだよっっ!!!!!」」」




